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コホート分析とは? | Googleアナリティクス(GA4)の設定方法と活用例を解説
アクセス解析 |
こんにちは。「AIアナリスト」運営チームです。今回はコホート分析についてです。
コホート分析という言葉をなんとなく聞いたことがあるという方もいらっしゃるかと思いますが、その内容はご存知でしょうか。コホート分析とは、ユーザーをグループごとに分類し、その行動や定着率を分析するというものです。ユーザーの行動や定着率がわかれば、それをマーケティングに活用することができます。
以下では、コホート分析について、基本からGoogleアナリティクスでの分析方法まで詳しく説明していきます。
コホート分析とは?
コホートとは「仲間グループ」という意味です。
コホート分析とは、ユーザーの行動をグループ化し、指標ごとに数値化して分析するというものです。例えば「7月1日にセッションを開始したユーザー」をグループとして、そのグループの何割が再訪したかなどを分析します。
Googleアナリティクスのコホート分析では、ユーザーがセッションを開始した日(=ユーザー獲得日)から特定期間のユーザー行動を指標ごとに分析することができます。
例えば、7月1日に獲得したユーザーの中で
- その後14日間にどのくらいコンバージョンしたか
- 何割のユーザーがサイトに再訪したか
などのデータを見ることができます。
(関連記事:「Googleアナリティクス「マイレポート」で日々の変化をチェック!|設定方法から活用法まで解説」)
コホート分析のメリット
コホート分析を活用することで、効果的なマーケティングにつながる、さまざまなメリットが得られます。ここでは、コホート分析による5つの主なメリットについて解説します。
ユーザーの動向・ニーズ・離脱要因を正確に把握できる
コホート分析では、時間経過に伴うユーザーの動きを正確に把握できます。サイト全体の数値だけを見ると、新規ユーザーの増加によって数値が改善したように見えることがあります。しかし、登録時期ごとにグループ化して分析すれば、実際に状況が改善しているのかを正しく見極められます。
また、ユーザーがサイトから離れていくタイミングもわかるため、その時期を狙った施策の実施が可能です。さらに、グループの行動パターンの観察から、ユーザーが求めているものを理解できます。たとえば、キャンペーン中にA商品を買ったユーザーが関連するB商品も購入していたら、B商品への関心が高いと判断できます。
需要予測と将来の売上予測に活かせる
コホート分析は、時間の流れに沿った調査手法なので、定期的にデータを積み重ねることで、今後の需要を予測できます。特定の時期におけるグループの動きを確認できるため、「春先には◯◯の動きが見られた」「年末には◯◯の商品が動く」といった傾向を掴むことが可能です。
1年を通した需要の見通しから、商品を用意したり資金繰りの計画を立てやすくなったりするため、ビジネスや経営の判断材料として活用できます。
施策やキャンペーンの効果を正確に測定できる
コホート分析は、実施した施策やキャンペーンの効果測定にも適しています。キャンペーンに参加したユーザーをグループとして追跡することで、反応や成果を確認できます。
たとえば、キャンペーン時に初めて購入したユーザーをグループにして、「サイトへの訪問パターン」や「リピート購入の割合」を調べれば、利益や定着率の計算が可能です。キャンペーン後も定期的にデータを測定することで、長期的な効果測定にもつながります。
リピーター獲得とLTV向上につながる
コホート分析で既存ユーザーの行動を深く理解することは、効果的なリピート施策にもつながります。たとえば、購入履歴のあるユーザーを特定の条件でグループに分け、購入頻度や離脱のタイミングを追跡します。これにより、再購入を促すタイミングや離脱を防ぐ働きかけといった具体的な戦略を立てることが可能です。
また、継続的なリピーターを増やすことは、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。リピーターは安定した収益をもたらすだけでなく、SNSや口コミを通じて好意的な情報を広めてくれる存在でもあります。
新規顧客獲得コストを最適化できる
コホート分析でユーザーが離れていくパターンを数値化することで、その減少をカバーするために必要な新規ユーザーの数を見積もることが可能です。
新規ユーザーの獲得には、既存ユーザーの維持よりもコストがかかるとされています。売上を伸ばそうと新規獲得ばかりに力を入れると、かえってコストが膨らんで収支が悪化する恐れがあります。コホート分析を活用すれば、ユーザーの動きや求めているものを把握し、限られた人員や予算でもリピーターを増やす戦略を組み立てられます。
コホート分析におけるユーザー維持率の重要性
コホート分析では様々な指標を分析することができますが、特にユーザー維持率が重要です。そもそもユーザーの維持率とは、獲得したユーザーがどれくらい定着したかというものです。例えば、
- サイトにどれくらい再訪したか
- 再び商品購入をしたのはどれくらいか
といった割合の事です。言い換えるならば、ユーザーが継続してサービスを使ってくれているのかといっても良いでしょう。そして、このユーザー維持率は、特に以下の2種類のサイトで重要です。
継続訪問でコンバージョンが伸びるサイト
1つは、ユーザーが継続的に訪問することでコンバージョンが伸びるタイプのサイトです。例えば、日用品などを扱うECサイトが挙げられます。ユーザー維持率が高いということはそのサイトのコンテンツや商品に満足していると言えるので、再びコンバージョンしてくれる可能性が高いです。
また、そのようなリピーターから他のユーザーにSNSなどで評判が広がることもあります。そうすれば新規ユーザーの開拓にもつながり、サイトの成長にもつながります。
ユニークユーザー数が重要なサイト
もう1つは、ユニークユーザー数が重要なサイトです。FacebookなどのSNSやメディアサイトが挙げられます。
こうしたサイトは、ユーザーがどのタイミングで離脱しているのか、ちゃんと使ってもらえてるのかを可視化することが、サービス改善の重要ポイントです。データから見られる改善ポイントに対処していくことで、ユーザーの継続率を高めることができます。
このように、ユーザー維持率のチェックはサイト運営において欠かせません。コホート分析を活用すれば、この重要な指標を効果的に可視化・分析できます。
コホート分析をGoogleアナリティクス(GA4)で設定する方法
それでは実際にGoogleアナリティクスでコホート分析を設定する方法を見ていきましょう。
右メニューから「探索」を選択し、テンプレから「コホートデータ探索」を選択

「コホートデータ探索」を選択すると、テンプレートが表示される

設定項目は
- セグメント
- ディメンション(項目の選択)
- 指標(数値)
- コホートへの登録条件
- 期間
の4つです。以下順に見ていきます。
1) セグメント
細かく分類する条件の絞り込みに活用できます。
例えば、国別の成果や、のモバイルのみのデータに絞ることができます。

2) ディメンション
ディメンションでは、「性別」や「地域」などの設定が可能です。

3) 指標
指標とは、コホートがどのような行動をしたのか具体的に設定し、分析するための項目です。
例えば「トランザクション」や「購入による収益」などが設定できます。

4) 具体的な設定例
例えば「過去7日間のサイト流入数を見たい」場合は
- 値:セッション
- コホートの粒度:毎日
- 期間:カレンダーで期間を指定
と設定します。
値は、左側の「指標」でセッションを追加して置き、右側の「値」にセッションを選択

コホート粒度を「毎日」に選択

期間は、カレンダーで選択

(関連記事:「Googleアナリティクスだけじゃない!?サイト改善方法がわかるツール 7選」)
セグメント機能の使い方
また、セグメントを使うこともできます。例えば、モバイルデータを分析したい場合、
事前に閲覧したい条件のセグメントを用意し、セグメントの比較に特定のセグメントを設定することでデータを確認することができます。
すると、以下のセグメントで指定したデータが表示されます。

コホート分析の活用法
さて、コホート分析の設定方法がわかれば、早速使ってみましょう。コホート分析を上手く使うと、マーケティングに活用することができます。
ユーザー減少のタイミング把握
まずはコホート分析で、数値がユーザー獲得日から何日後に減少しているかを確認しましょう。つまり、ユーザーの減少のタイミングを把握します。この減少するタイミングを把握することで、施策の効果を最大化することができます。
投稿タイミングの最適化の事例
例えばブログサイトで、ユーザー獲得日から3日後にユーザーが減少するとします。このタイミングで新たに記事を投稿したり、投稿頻度を多くしたりすることで、ユーザーを維持することができるでしょう。
リマーケティング施策の事例
あるECサイトでは、1週間後にユーザーが減少する傾向があるとします。こういった場合は、このタイミングでリマーケティングやメールでユーザーに再びアプローチすることが有効でしょう。
新規ユーザー獲得目標を設定する事例
あるサイトでは、ユーザーが1週間後には必ず5パーセント減少しているとします。コホート分析を使えば、このような減少の傾向を把握することができます。そこから、減少分を補うために新たに獲得すべき新規ユーザーの数を算出できます。
週5パーセントの減少が避けられないとわかった場合、この減少分を補うために必要なユーザー獲得数を明確にし、それに基づいた新規ユーザー向けの集客施策を行うとよいでしょう。
(関連記事:「プロが厳選!絶対に入れておきたいアクセス解析ツール4選」)
キャンペーン効果の測定と評価
キャンペーンの効果を正しく測るには、キャンペーン期間中に商品を購入したユーザーをグループとして、その後の動きを追いかけます。たとえば、初回購入から1ヶ月後にどれくらいの人が再び訪問したか、リピート購入したかを見ることで、一時的な売上だけでなく、お客様が定着したかどうかもわかります。
キャンペーン実施前後で新規ユーザー数を比べれば、すぐに効果があったかがわかります。さらに継続率を見れば、かけた予算に見合う結果が出たかを判断できます。1人あたりの購入金額や購入回数を見ることで、どのキャンペーンに力を入れるべきかが見えてきます。
SNSマーケティングでの活用
SNSでは、投稿を見たタイミングや反応したコンテンツの種類でフォロワーをグループ分けし、その後の反応を追いかけます。たとえば、特定のキャンペーン投稿に反応した人たちを1つのグループとして、その後も反応し続けているか、それとも離れていったかを見ることで、どんな投稿が効果的かがわかります。
フォローした時期や最初に反応した投稿の内容でグループを作り、その後の動きを調べれば、いつどのような情報を発信すればいいかが見えてきます。こうしたデータをもとに改善を繰り返すことで、SNSマーケティングの成果を高められます。
ユーザーの行動をもとにサイトを改善するツールとは?
以上、コホート分析について説明してきました。サイトの長期的な成長には、リピーターの確保は欠かせません。コホート分析を活用すれば、獲得したユーザーがどのタイミングで離脱しているかを把握でき、そのデータに基づいた効果的な施策を打つことができます。
ただし、サイトやサービスの改善には、コホート分析だけでなく、ユーザー行動を多角的に分析することが重要です。その際におすすめしたいのが「AIアナリスト」です。
AIアナリストは、AIがアクセス解析を自動で行い、重要な改善ポイントを教えてくれるツールです。約40,000サイトを改善したノウハウをもとに、Webサイトの膨大なデータを分析し、成果を伸ばすための改善ポイントを、データ根拠とともにお届けします。Googleアナリティクスに連携するだけで利用可能で、設定はわずか2分で完了します。
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この記事を書いた人
株式会社WACUL
株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。
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株式会社WACUL


