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アクセス解析におけるクッキー(Cookie)の仕組みを解説【ちゃんと理解できてる?】
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こんにちは。「AIアナリスト」マーケティングチームの横山です。
今回ご紹介するテーマは、アクセス解析に用いられるクッキー(Cookie)です。
アクセス解析を利用されているWeb担当者のみなさまは、どのような仕組みでアクセス解析が行われているのかご存知でしょうか? よく理解できていないままアクセス解析ツールの結果を分析されている方も多いかと思います。
アクセス解析の仕組みを正確に理解するには「クッキー(Cookie)」の理解が不可欠です。
そこで今回は、アクセス解析におけるクッキーについてわかりやすくご紹介いたします。仕組みを理解した上でより正確なアクセス解析を行っていきましょう。
目次
- そもそもCookieとは?
- Cookieの種類
- Googleアナリティクスで利用されているCookie
- まとめ
そもそもCookieとは?
クッキー(Cookie)とは、Webサイトがユーザーの情報を保持するために、ユーザーのPCに保存するファイルのことです。
例えば、ECサイトで商品を買い物かごに入れて、その数日後にサイトを開いてもまだ買い物かごに商品が残っていることがあると思います。これは、ECサイトがユーザーの情報(どのユーザーがどの商品を買い物かごに入れたのか)をクッキーとしてPCに保存しているからなのです。
クッキーの機能は、他にも以下のような場面で活用されています。
- ECサイトの買い物かご情報を保存
- リターゲティング広告の配信
- IDやパスワード情報を保存
また、クッキーはアクセス解析に利用されています。クッキーによってユーザーを特定し、訪問数やコンバージョンのカウントに利用しているのです。
(関連記事:「プロが厳選!絶対に入れておきたいアクセス解析ツール4選」)
Cookieの種類
アクセス解析に用いられるクッキーをご紹介する前に、まずクッキーの種類を覚えておきましょう。
クッキーにはファーストパーティクッキーとサードパーティクッキーの2種類があります。
1) ファーストパーティクッキー
ファーストパーティクッキーとは、Webサイトの属性がホストドメインのものです。
つまり、クッキーが訪問先サイトのドメインのサーバーから書き込まれた場合のものです。
ECサイトの買い物かごの中身の維持に用いられているのがファーストパーティクッキーです。
ECサイトのサーバーからユーザーのPCにクッキーが書き込まれることで、買い物かごデータを保存しています。
2) サードパーティクッキー
一方でサードパーティクッキーとは、訪問したWebサイトのサーバーではないサーバーから書き込まれたものです。
例えば、広告はサードパーティクッキーである場合が多いです。広告は訪問先のサイトとは別の、広告出稿先のドメインからクッキーが書き込まれるからです。
また、アクセス解析ツールでは、多くの場合サードパーティクッキーが利用されています。訪問先のWebサイトとは別の、アクセス解析ツールからクッキーが書き込まれるためです。
ただしGoogleアナリティクスでは、例外的にファーストパーティクッキーが利用されています。
(関連記事:「Googleアナリティクスだけじゃない!?サイト改善方法がわかるツール 7選」)
Googleアナリティクスで利用されているCookie
Googleアナリティクスで用いられているのはファーストパーティクッキーでした。
それでは、Googleアナリティクスでは具体的にどのようなクッキーが用いられているのでしょうか。
そもそもアクセス解析とは、訪問者のサイト内の動きを把握することでした。
そのためには、いつ、誰が、どのページに入り、どのページから離脱したのか、といった一連の流れに関する情報を収集していく必要があります。
Googleアナリティクスでは、これらの情報収集を5つのクッキーに役割分割させています。
この5つのクッキーはビジターIDクッキー、セッションIDクッキー(2種)、キャンペーンクッキー、ビジターセグメンテーションクッキーと名付けられています。
それでは、5つのクッキーそれぞれの役割を見ていきましょう。
1) 訪問者を特定する ビジターID Cookie _utma
訪問者の特定に用いられます。これによって訪問者ごとの訪問日時、訪問回数などを計測します。
具体的には、ドメイン名、ビジターID、初回訪問日時、前回の訪問日時、今回の訪問日時、訪問回数を収集します。
2) セッションの全体を把握する セッションID Cookie _utmb
セッションID Cookieは2種類あります。そのうちの1つ、セッションID Cookie _utmbはセッション(サイトへのアクセス、訪問のこと)を定義するものです。
サイトの訪問日時とページの移動を測定し、セッション全体を把握するものです。ページを移動する毎に更新され、30分以上更新がないと情報が削除されてセッションが終了したとみなします。
具体的には、ドメイン名、訪問中のページビュー数、ページ更新日時を収集します。
3) セッションの終了を把握する セッションID Cookie _utmc
セッションID Cookieの2つ目 _utmcは、セッション(サイトへのアクセス、訪問のこと)の終了を定義するものです。
ブラウザを閉じる動作を検出してセッションが終了したことを認識するのに用いられていましたが、現在は_utmbによってセッション終了を検出できるため、存在はしているものの実質的には利用されていません。
4) 参照元を計測する キャンペーンCookie _utmz
キャンペーンCookieは参照元の計測に用いられます。参照元とは、そのwebサイトにどこから流入してきたのか、その流入元のことです。
有効期限は6ヶ月間です。つまり、6ヶ月以内に再訪したユーザーは紐付けて計測を行うことができるのです。
具体的には、ドメイン名、訪問日時、訪問回数、リファラー意外からの訪問回数、参照元に関する情報を収集します。
5) カスタム変数等を計測する ビジターセグメンテーション Cookie _utmv
ビジターセグメンテーションCookieはユーザー定義やカスタム変数の計測に用いられます。ユーザー定義・カスタム変数とは、アクセス解析において任意の条件によって訪問ユーザーやアクセス状況をフィルタリングして測定することができるGoogleアナリティクスの機能のことです。
具体的には、ドメイン名、ユーザー定義、カスタム変数に関する情報を収集します。
Googleアナリティクスで利用されているクッキー一覧
1)~5) を1つの表にまとめてみるとこのようになります。
ビジターIDクッキー | _utma | 訪問者の特定、訪問日時・回数の計測 |
---|---|---|
セッションIDクッキー | _utmb | セッションの開始と終了を計測してセッション全体を把握 |
_utmc | セッションの終了を計測(現在不使用) | |
キャンペーンクッキー | _utmz | 参照元の計測 |
ビジターセグメンテーションクッキー | _utmv | ユーザー定義・カスタム変数の計測 |
(関連記事:「AIが自動でサイト分析!GoogleアナリティクスのAssistant機能の実力は?」)
まとめ
クッキーとアクセス解析の関係について簡単に説明してきました。
クッキーとはwebサイトが訪問ユーザーを特定するためにPCに保存しておく情報のことです。これによってユーザーはサイトに訪問する度に同じ情報を送信するなどする必要がなくなります。
クッキーにはファーストパーティクッキーとサードパーティクッキーの2種類があります。ファーストパーティクッキーは訪問先のWebサイトが保存したクッキーです。
サードパーティクッキーは例えば広告のように、訪問先のWebサイトではないドメインが保存したクッキーのことです。
Googleアナリティクスではファーストパーティクッキーを利用しています。
具体的には、上の表の5種類のクッキーを用いてユーザーの訪問日時や回数、セッション等のサイト内の動きに関する情報を役割分担して収集しています。
クッキーを介してアクセス解析が行われている仕組みについて、ご理解頂けましたでしょうか。アクセス解析の仕組みを理解し、クッキーの有効期限などを把握することで、より良いアクセス解析に役立てましょう。
この記事の執筆者
横山 崇
マーケティングチーム所属。工学系の大学院生です。
38,000サイト以上の分析データから
効果的な集客とリード獲得を支援します