ヒートマップとは?活用方法や注意点、おすすめのツール10選も紹介

サイト改善 |

こんにちは。「AIアナリスト」ライターチームです。

Webサイトの改善には、ヒートマップ解析が有効です。Webページにおけるユーザーの行動を詳細に分析できるため、より効果的な施策を打ち出しやすくなります。本記事では、ヒートマップのメリットや活用例、ポイントなどを解説します。ヒートマップツールを選ぶ際のチェックポイントや、おすすめの製品も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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ヒートマップとは?

※SiTest(サイテスト)公式サイトより画像引用:https://sitest.jp/heatmap/

ヒートマップとは、数字データを色の濃淡で視覚的に表現したものです。Webマーケティングにおいては、おもにWebサイトやアプリ上のユーザーの思考や行動を分析するために用いられます。

例えば「色がオレンジや赤などの暖色系になるほどユーザーによく見られているエリア」「緑や青などの寒色系になるほどあまり見られていないエリア」といったように、一目で判断することが可能です。

ヒートマップ解析とアクセス解析の違い

アクセス解析とは、Webサイトへの訪問者の属性や行動を分析することです。専用のツールを用いてアクセス数やコンバージョン数などの数値データを取得し、Webサイトの改善に役立てます。ヒートマップ解析とアクセス解析の最も大きな違いは、解析の範囲です。ヒートマップ解析がページごとの解析なのに対し、アクセス解析はWebサイト全体を解析します。

まずはアクセス解析で課題のあるページを見つけ、ヒートマップ解析で具体的な問題を発見するという流れが一般的です。

参考記事:アクセス解析とは?確認すべきポイントとおすすめツール4選を紹介

ヒートマップの種類

ヒートマップは以下の5種類に分類され、それぞれ異なる役割があります。

アテンションヒートマップ

アテンションヒートマップは、ユーザーによく読まれている箇所を色によって可視化するものです。

ユーザーが熟読した箇所、読み飛ばした箇所を一目で判断できます。これにより、ユーザーが興味をひかれたコンテンツを把握することが可能です。

ただし、「内容が理解できない」「文字が読みづらい」など、ネガティブな理由により長く注目されているケースもあります。

クリックヒートマップ

クリックヒートマップは、ユーザーにクリックされた位置を色によって可視化するものです。ユーザーに多くクリックされた箇所、あまりクリックされていない箇所が一目で分かります。これにより、Webサイト上に設置したリンクやボタンが、ユーザーに正しく認識されているか把握することが可能です。

スクロールヒートマップ

スクロールヒートマップは、ユーザーがページをどこまでスクロールしたのかを可視化するものです。ユーザーの何%がページのその位置まで滞在したのかを、グラデーションによって可視化します。

これにより、ユーザーが離脱するポイントが明確化され、画像の挿入やコンテンツの入れ替えなどの施策を取れるようになります。

マウスフローヒートマップ

マウスフローヒートマップは、ユーザーのマウスの動きを可視化するものです。

ユーザーのマウスの動きは、目線の動きと連動する傾向があります。そのため、マウスフローヒートマップを確認すれば、ユーザーの視線が集まる箇所と、集まらない箇所を判別することが可能です。これにより、サイトレイアウトの改善に役立てられます。

タッチアクションヒートマップ

タッチアクションヒートマップとは、スマートフォンやタブレットなど、指でタッチして操作するタイプのデバイスに特化したヒートマップです。ユーザーがタップやスワイプなどを多く行った箇所を可視化します。これにより、ユーザーが注目した箇所や、文字や画像が見づらいと感じた箇所を判別できます。

ヒートマップを活用するメリット

ヒートマップを活用すると、以下のようなメリットを期待できます。

ユーザーの細かな行動を直感的に把握できる

ヒートマップはWebページにおけるユーザーの行動を把握でき、問題箇所の特定・分析に役立ちます。「ユーザーが注目した箇所」「ユーザーが離脱した箇所」など、従来のアクセス解析のツールでは計測できない、細かな動きまで把握可能です。

また、それらの情報を色や濃淡によって視覚的に表現するため、ユーザー行動を直感的に把握できる点がメリットです。

ユーザビリティの向上に役立つ

ヒートマップを活用してユーザーの行動を把握して改善策を実施すれば、Webページにおけるユーザビリティを向上させやすくなります。ユーザーが離脱しやすいポイントを洗い出せるため、より効果的な施策の立案に役立つでしょう。

また、Webページにおけるユーザビリティを高めることは、SEO対策の観点からも重要です。これにより検索エンジンからの評価が向上すれば、結果的に検索による流入を増やすことにつながります。

CVR向上の施策を検討しやすくなる

CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)とは、Webサイトやページの訪問者のうち、実際に商品の購入や問い合わせなど、最終的な成果に至った人の割合です。

Webサイトの改善にヒートマップを活用すると、CVRを向上させるための効果的な施策を打ち出しやすくなります。例えば、リンクをクリックされやすいページの特徴を分析し、ほかのページ作りにも生かすといったことが可能です。

参考記事:CVRを改善させるには?CVRの確認方法から具体的施策まで徹底解説!

ヒートマップを活用する流れ

ヒートマップ活用の基本的な流れは、以下の通りです。

1.ツールを選定する

2.導入手順にしたがい、Webサイトに設置する

3.データが蓄積されるまで待つ

4.データを分析する

まずは、使用するヒートマップツールを選定しましょう。ツールによっては、利用申し込みやユーザー登録が必要な場合もあります。それぞれの導入手順にしたがい自社のWebサイトに設置すると、データの蓄積が開始されます。十分なデータが蓄積されたら、ヒートマップツールの機能を使用して分析しましょう。

その後は、分析結果をもとに施策を実行し、再度データの蓄積を待って効果を検証するというサイクルを繰り返します。

ヒートマップの具体的な活用例

ここからは、ヒートマップの具体的な活用例を紹介します。

ユーザーの目がとまりやすい箇所や、クリックされやすい箇所の理由を分析する

アテンションヒートマップやクリックヒートマップを活用すれば、ユーザーの目がとまりやすい箇所、クリックされやすい箇所を把握できます。

例えばユーザーのクリックが集中しているボタンがあれば、その色や配置などの特徴を分析することで、ほかのボタンの設計に役立てられるでしょう。また、予想外にユーザーの目にとまりやすい箇所があれば理由も分析し、ページ作りのヒントとしましょう。

ユーザーの離脱箇所を特定し、ページの内容やレイアウトを見直す

スクロールヒートマップを活用すれば、ユーザーがWebページをどこまでスクロールしているのかを把握できます。離脱されやすい箇所が明確になることで、その部分のコンテンツを見直したり、レイアウトを変更したりといった施策を実行可能です。

なお、ユーザーの離脱防止にはWebサイトの表示速度の向上や、画像の削除なども有効です。

重要な情報の注目度を高める

アテンションヒートマップでは、Webサイトの訪問者が注目したコンテンツを把握できます。

もし、本来は重要な情報なのに、ユーザーの注目が集まっていない場合は「情報を目立つ場所に移動させる」「図や表などを使って分かりやすくする」などの対策が必要です。また、テキストコンテンツの場合は文章を短く、簡潔な表現にすることも大切です。

ヒートマップを活用する際のポイント

Webサイトの改善にヒートマップを活用する際は、以下の4つのポイントを押さえましょう。

ファーストビューを優先的に分析する

ファーストビューとは、ユーザーがWebサイトを訪問した際に、最初に目にする領域のことです。ファーストビューはユーザーが必ず目にする場所なので、コンバージョンへの影響度合いが大きく、改善効果が高いとされています。

そのため、ヒートマップを活用する際は、まずはファーストビューから優先的に分析することをおすすめします。

分析すべき箇所を明確化する

ヒートマップを活用する際は、Webサイト全体を漠然と見るのではなく、分析するべき箇所を明確化することが大切です。

例えば、CVRの向上を目指す場合は、購入ボタンや申し込みボタンのクリック率に着目して分析すると効果的です。一方、「ユーザーが興味を持っている内容が知りたい」「重要な情報が読まれているか知りたい」という場合は、アテンションヒートマップが役に立ちます。

このように、目的や課題が明確になれば、ヒートマップでどのデータを見るべきかも明らかになります。まずは、Webサイト改善で目指すべきゴールや、ヒートマップの導入目的を明確化してみましょう。

複数のデータを組み合わせる

より正確なデータ分析を実現するためには、複数の種類のヒートマップのデータを組み合わせることが大切です。

例えば、クリックヒートマップでユーザーにクリックされていないボタンが発覚した場合、この情報だけでは「ボタンのデザインやレイアウトに問題がある」と結論づけてしまうでしょう。しかし、スクロールヒートマップで、そもそもユーザーはボタンまで到達していないことが明らかになれば、ボタンよりも前にある文章や画像などのコンテンツを見直す必要性が出てきます。

最適なヒートマップツールを導入する

Webサイト改善にヒートマップを活用するためには、専用のツールを導入する必要があります。しかし、一口にヒートマップツールといっても、その種類は実にさまざまです。ツールによって機能や得意な領域なども異なるので、目的に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

ヒートマップツールを選ぶ際のチェックポイント

ヒートマップを選ぶ際は、以下の3点をチェックしましょう。

搭載されている機能

前述の通り、ヒートマップには「アテンションヒートマップ」や「スクロールヒートマップ」など、さまざまな種類があります。どの種類のヒートマップに対応しているのかはツールによって異なるので、自社のニーズに合った機能が搭載されているツールを選ぶことが重要です。

例えば、商品購入ボタンや資料請求ボタンなどを設けている場合は、ボタンのクリック率を把握する必要があるため「クリックヒートマップ」に対応したツールが適しています。また、なかには、Google Analyticsなどのほかのツールとの連携が可能なタイプや、ABテストやセグメント分析に対応しているタイプもあります。

ツールが扱えるデータ容量・利用可能回数

ヒートマップツールが扱えるデータ容量と、自社サイトの規模がマッチしていることも確認しましょう。大規模なサイトには、大容量のデータを処理できるツールがおすすめです。一方、比較的小規模なサイトや、運営初期の段階なら、データ容量の小さい無料ツールから始めるのも手段のひとつです。

なお、ツールによっては、プランに応じて利用可能回数に上限が課せられるケースもあるので注意しましょう。

運用サポートの充実度

ヒートマップツールを比較する際は、運用に関するサポート体制もチェックしましょう。サポートが充実しているツールなら、はじめてヒートマップを活用する場合も安心です。ツールの使い方や分析方法など、分からないことがある場合に適切なサポートを受けられます。

また、Webサイト改善の支援も行っている事業者なら、課題を解消する具体的なアクションを提案してもらえる場合もあります。

おすすめのヒートマップツール10選

ここからは、おすすめのヒートマップツールを紹介します。

MIERUCA

※画像引用:【無料】ミエルカヒートマップでコンバージョン最大化

「MIERUCA」はアテンションヒートマップ、スクロールヒートマップ、クリックヒートマップの3つのヒートマップ機能を備えています。3種類のデータを並べて閲覧でき、多角的な分析が可能です。そのほか、ABテスト機能や期間比較機能など、多彩な機能を搭載しています。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットに対応している点もポイントです。

SiTest

※画像引用:サイト分析・改善ツール SiTest(サイテスト)

「SiTest」はヒートマップ分析だけでなく、アクセス解析やABテスト、EFO(エントリーフォーム最適化)などWebサイト改善に役立つさまざまな機能を備えています。分析・検証・改善を1つのツールでまかなうことができ、複数のツールを導入する場合と比べてコストも抑えられます。

導入前後のサポートも充実しており、はじめてでも安心です。

Ptengine

※画像引用:Ptengineウェブ運営All-in-Oneプラットフォーム

「Ptengine」はヒートマップ分析からアクセス解析、ABテストやパーソナライゼーションまで、幅広い機能に対応したツールです。ヒートマップ画面に施策ボタンが設けられており、クリックするだけでテストやページ編集などをスムーズに実行できます。

また、AI自動分析が可能なAIヒートマップを搭載しており、分析作業の効率化が可能です。

Contentsquare

※画像引用:Contentsquare

「Contentsquare」はヒートマップや動画、ファネルで顧客体験を可視化するツールです。Webサイトの問題点が収益・損失にどの程度影響するのか、そして施策による改善効果をスピーディに算出でき、社内報告もスムーズに完了します。

分析AIによる改善点の優先順位付けや、期待収益の計算などのサポート機能も魅力です。

Content Analytics

※画像引用:コンテンツアナリティクス

「Content Analytics」は、ユーザーの行動から興味関心を定量化するWeb解析ツールです。コンテンツを「ビュー数」「クリック数」「ゴール貢献率」で数値化し、専門的なスキルがなくても、どのコンテンツが見られているのか、CVにつながっているのかを直感的に把握できます。

Webサイトの分析や改善提案が可能なAI機能を搭載しており、担当者の負担を軽減可能です。

Mouseflow

※画像引用:マウスフロー

「Mouseflow」は、全世界21万社以上の企業が導入するWeb解析ツールです。

ヒートマップをはじめとした5つの機能でユーザーの行動を可視化し、Webサイトの改善点を明確化します。アンケート機能も搭載されており、ユーザーの行動の背景までこれ1つで分析可能です。有料プランも月額6,000円からと、リーズナブルな料金設定も魅力です。

Hotjar

※画像引用:Hotjar:ウェブサイトのヒートマップと行動分析ツール

「Hotjar」は、ヒートマップやレコーディング(録画)、ファネルなど、幅広い機能を搭載したツールです。無料プランでも多くの機能を利用でき、世界中で多くの企業が導入しています。基本UIの日本語化はされていないものの、ユーザーCSSや翻訳機能を利用して日本語表示にすることは可能です。

QA Assistants

※画像引用:QA Assistants - QA Assistants -データ駆動アシスタント-

「QA Assistants」は、無料で使えるヒートマップツールです。WordPress専用のプラグインなので、WordPressでWebサイトを構築している企業に向いています。シンプルな操作性で、初心者でも無理なく活用できるでしょう。

煩雑な設定なしで、ヒートマップやAIアシスタントなどの機能を全て使える点もポイントです。

User Heat

※画像引用:無料ヒートマップ解析ツール User Heat

「User Heat」はアテンションヒートマップ、クリックヒートマップ、スクロールヒートマップの3種類を無料で使えるツールです。5つのステップでスムーズに導入でき、誰でも手軽にヒートマップを活用できます。

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットにも対応しており、計測画面をボタン1つで切り替え可能です。

Clarity

※画像引用:Microsoft Clarity 

「Clarity」はMicrosoft社が提供し、世界中で導入されているヒートマップツールです。有料版はなく、全ての機能を完全無料で利用できます。アテンションヒートマップやクリックヒートマップなど複数の機能を備え、スクリーンショットの切り替えにより異なるページも容易に比較できます。

また、チーム内やクライアントとの情報共有もスムーズに行えます。

ヒートマップを活用する際の注意点

ヒートマップを活用する際は、以下の2つのポイントに注意しましょう。

ユーザーの意図や心理までは把握できない

ヒートマップではユーザーの行動は分析できても、その背景までは把握できません。例えば、ユーザーに熟読されているエリアがあったとしても、その情報に興味があるからなのか、単に目に入りやすい場所にあるからなのかは不明です。

ヒートマップはあくまでユーザーの行動を可視化するものであり、背景にある意図や心理を理解するためには、アンケートやヒアリングなどを行う必要があります。

ヒートマップ以外のデータも踏まえて改善策を検討する

効果的な改善策を検討するためには、ヒートマップのデータだけでは不十分です。例えば、ヒートマップはページごとの分析に特化したツールなので、Webサイト全体のユーザー動向を把握するにはアクセス解析が必要です。また、ユーザーがWebサイトに求めていることを把握するには、ABテストなどが求められます。

このように、ヒートマップのデータだけでなく、そのほかのデータも踏まえて多角的に施策を検討することが重要です。

まとめ

ヒートマップを導入すると、Webページ上のユーザーの行動を可視化できます。熟読されているコンテンツやクリック数が多いボタンなどを一目で把握できるため、Webサイトの改善に役立てることが可能です。

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この記事を書いた人

株式会社WACUL

株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。

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