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グロースハックとは? 事例から実践のためのポイントまで解説!
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こんにちは。「AIアナリスト」運営チームの兒島です。
今回紹介するテーマは、「グロースハック」についてです。
グロースハックという言葉を聞いたことがありますか?
TwitterやFacebookなど、最近多くのユーザーを獲得し急激に売り上げをアップしたサービスには、「グロースハッカー」と呼ばれる人たちがいたと言われています。
グロースハッカーによる成長施策を「グロースハック」と呼びます。簡単に言うと、グロースハックとは、企業やサービスの最終的な成長(グロース=growth)を目指すため、ユーザーのデータをもとに複数の改善策を短期間で施していくものです。
グロースハックを行うことで、より効率的にサイトのPV数・CV数アップや、商品・サービスの売り上げアップが期待できます。
目次
グロースハックとは何なのか?
グロースハックとは、グロースハッカーと呼ばれる人たちが行うサービスの成長施策です。
具体的には、
サービスを利用するユーザーのデータや声を分析し、短期間で複数の改善策を実施していくことで、サービスを成長させていくことです。
そのような過程を経てユーザーの数や質をGrowth(成長)させる仕組みをサービスに組み込み、サービスを外から手を加えなくても自然に成長していく自己永続的なマーケティングマシンにすることがグロースハックと言われています。
更にいうと、広告やSEO対策を利用して行う従来のマーケティングとは異なり、ユーザーを獲得し使用を促していく仕組みをサービス自体の中に作るという特徴があります。
そのため、
グロースハックを行うことで、サービスの自動的で持続的な成長を見込むことができます。
グロースハックの成功事例
ただ、言葉で説明されても、具体的に何をすればよいのかはわかりません。そこで、実際に成功している例を見てみましょう。近年急激に成長したサービスはほとんど、グロースハッカーを使った成長施策が行われていると言われていますが、今回はその中でも、「Twitter」と「Dropbox」について見ていきましょう。
たとえばみなさんのよく知っているTwitterは、グロースハックによりユーザーを増やした良い例です。
Twitterは自社サービスのユーザーデータを分析した結果、
という事実が分かりました。登録しただけではなく、ある程度のユーザーをフォローしないとTwitterの面白さが分かってもらえないということです。
このデータからTwitterは登録直後にフォローを促すステップを入れ、5人以上フォローしないと利用が開始できない仕組みを取り入れました。
この施策によりユーザーの継続率を向上させることに成功しました。
データに基づき、ユーザーを増やす仕組みをサービス自体の中に構築した、グロースハックの典型例と言えます。
Dropbox
Dropboxとは、ファイルの管理や共有が簡単にできるサービスです。広告にほとんどお金を使っていないにもかかわらず、ユーザー数が1億7500万人を超える大規模なサービスです。
Dropboxもグロースハッカーによってグロースハックをしているサービスとして有名です。特にサービスをより多くの人に使ってもらうためのグロースハックに力を入れています。
Dropboxでは友人からの招待だと、広告を見たときより応える割合が高くなることに注目しました。友人招待の方法を簡単にし、招待のインセンティブも付与しました。招待をすることで、16GBの容量が無料で手に入るようにしたのです。
グロースハックの手順5ステップ
では、具体的にグロースハックを行う際の手順を細かく見ていきましょう。簡単に言うと、「サービスを作る → 現状把握 → 仮説を立てる → 設計をして検証 → 実装して改善」という5つのステップを繰り返していきます。
STEP1 サービスを作る
まず、ユーザーが使いたくなるサービスを作ります。
STEP2 現状把握
次にサービスを運用しながらユーザーのデータを取得して分析します。他社サービスや自社システムを活用して、ユーザーの動向や趣向・意見などを分析しサービスの現状について把握します。
STEP3 仮説を立てる
現状を把握したら、現状の問題の原因の仮説を立て、解決策を提案します。
STEP4 設計をして検証
実際に改善するサービスや機能を設計し、テストなどで検証を行います。この際、ABテストなどの手法をとるのが一般的です。
STEP5 実装して改善
検証後の機能やサービスを実装します。実装した後も、データ計測と分析を継続し、改善点を見つけたら改善していきます。
基本的にはこのステップを繰り返すことでグロースハックは進んでいきます。必要に応じて、改善だけでなくサービス全体の作り直しを行うこともあります。
グロースハック実践のための6ポイント
では、グロースハックを行う際に気を付けることは何なのでしょうか。グロースハックを行う際の6つのポイントをご紹介します。
ポイント1:product-market-fitしているか
Product-market-fitとは、その製品を欲しがっている良い市場を狙っており、そのうえで、その市場を満足させられる製品を持っている状態のことを言います。
いくら素晴らしいサービスを持っていても、提供する市場を間違えては意味がありません。そのため、サービス提供のスタート段階で、良い市場があり、自社サービスがその市場を満足させられるかを検証する必要があります。
ポイント2:利益を上げていける仕組みになっているか
サービスの目的は利益を上げることが第一です。ユーザーを増やすことに執着するあまり、利益を減らしてしまわないように気を付けましょう。また、より低コストで大きな利益を上げることもグロースハッカーに求められることの一つです。
ポイント3:検証を繰り返しているか
データを利用して何度も検証を繰り返すことが重要です。納得いくものができるまで検証を繰り返しましょう。
ポイント4:AARRRモデルでの分析はできているか
AARRRモデルとは、サービスの成長を、A(Acquisitionー獲得)、A(Activation=活性化)、R(Retention=継続)、R(Referral=紹介)、R(Revenue=収益)の5つに分けて分析していく方法です。500StartupsというベンチャーキャピタルのDave McClure氏が提唱したフレームワークだと言われています。グロースハッカーは、コンバージョンを見る際、AARRRモデルを用いてユーザーの行動の変化をより細かく分析します。このような手法を使うことによって、収益や集客数ばかりに目がいかず、幅広い視野でマーケティングに取り組むことができます。
ポイント5:チーム編成は適切か
グロースハックを行うにはチームが必要です。グロースハッカーを名乗る技術者が見つからないときは、従来のマーケティングチームの主力(コンテンツライター、コピーライター、SEMマーケター、ソーシャルメディアマーケターなど)に、デザイナーやデータサイエンティスト、エンジニアを加えると良いチームが出来上がるでしょう。
ポイント6:ツールを適切に使えているか
グロースハックを行うには、様々なツールが必要になります。
ツールを選ぶ際には、どういったデータを取りたいのかを定めたうえで、取りたいデータを最大限取れるようなツールを選択することがおすすめです。
グロースハッカーの資質とは?
グロースハッカーは、自社サービスへの深い理解を前提に、データ分析を行い様々な施策を考案し、周囲の人を巻き込んで進めていかなければなりません。グロースハックで行われる施策の4分の3程度は失敗するといわれているので、失敗にもめげずに繰り返していく粘り強さも求められます。
グロースハッカーには「ABCDE」の資質が必要だと言われています。
これは一言でいうと、分析的であり、広い好奇心を持ち、クリエイティブで自律心があり、共感的である人です。
Analyticity : 分析的 | 自社サービスの成長に貢献できる指標にフォーカスし分析することで、成長のエンジンになっている要因を突き止め、成長の障害となっている部分も解明していく必要があります。そのため、分析的に物事を考えていく素質が必要です。 |
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Broad interest : 広い好奇心を持つ | グロースハッカーには、ユーザーのインサイトを知り、他の人には思いつかない視点から疑問を持っていくことが求められます。そのために、広い好奇心を持って社会のトレンドなどを観察し続けていく人が求められます。 |
Creative : クリエイティブ | クリエイティブであることは、最も重要な素質といっても過言ではありません。従来のマーケティング手法にこだわるのではなく、様々な斬新な施策を考え、実行していける人が求められています。 |
Discipline : 自らを律する | グロースハックの一つ一つの仕事は地味なので(ボタンの色を変えてみる、など)、その一つ一つに地道に手を加え検証を繰り返す人であることが求められます。そのような地味な仕事にも全力をかけて自分を律して取り組める素質が必要です。 |
Empathy : 共感的 | ユーザーの気持ちに共感し、その気持ちをグロースハックに反映していくことが必要です。 |
グロースハックとは、どのようにサービスを改善しPDCAサイクルをどう回していくかのマインドセットだとも言えます。
まとめ
以上、グロースハックについて説明してきました。
グロースハックでは、データを用いて現状を正確に分析し、行った施策の効果を継続的に検証しながら改善していくことが必要となります。
とはいえ、自分で施策の効果測定を行い、どのようにすればより施策の成果が大きくなるのかを検証し考えていくのはとても手間がかかります。
そうしたノウハウを持っていないという方も多いでしょう。
そこで、グロースハックの際の効果測定や改善施策をもっと効率的に行いたいという方にオススメなのが、以下のリンク先から読めるe-bookです。
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この記事の執筆者
兒島 紗季
東京大学在学中のインターン生。フリーペーパーの編集長も務めていたアクティブ派。
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