ROIとは?Webマーケティングで活用する注意点と改善するための4つの施策

マーケティング基礎 |

こんにちは。「AIアナリスト」ライターチームです。

ROIとは、「Return On Investment」の略語で、投資した金額に対する収益率のことです。

この記事では、ROIについて理解し、Webマーケティングの施策に活かしたいと考える担当者に向けて、ROIとは何か、重要視される背景やメリット、注意点などを解説します。Webマーケティングにぜひ役立ててください。

目次

「ROI」(アールオーアイ)とは

ROI(アールオーアイ)とは、「投資対効果」「投資収益率」を意味する「Return On Investment」の略語です。ROIは、投資した金額に対しての収益率を示します。株式投資における収益性の計測、不動産投資の評価、企業買収の可否を判断する指標など、幅広く活用されています。数値が高ければ高いほど収益率も高いため、事業・施策への投資が成功していると判断可能です。
ROI

WebマーケティングにおけるROIとは

Webマーケティングの領域では、広告費(投資額)と収益の比率をあらわす指標として、ROIを用いる場面が多くみられます。ROIを活用すれば数値が可視化できるため、感情論に惑わされず、投資効果が判断できます。費用対効果の把握や施策の比較などに、役立つでしょう。

ROIが重要視されるようになった背景

近年、Webを活用した施策が主流になりつつあります。従来のオフラインによる施策では、投資の効果がどれくらいあったか判断が難しく、効果のほどは不透明でした。しかし、昨今、施策にWebを活用する場面が増え、効果測定・分析が可能になりました。また、Web広告の種類が多様化し、効果的に施策を見極める重要性が増している点も、ROIが注目される理由の1つです。

ROIの計算式

一般的な、ROIの計算式は次のようなものになります。
利益額 ÷ 投資額 × 100(%) 

マーケティングに使われるROIは、以下の計算式で算出できます。
広告から得た利益÷投資額(広告費)×100(%)

ROIの数値は、100(%)が基準です。数値が高いほど費用対効果が高く、100%を上回れば利益が出ていると判断できます。100%を下回ると投資額(広告予算)を回収できていないと判断できます。
ROI計算式

ROIの計算例

利益が100万円、広告費が40万円の例を用いて、利益がどれくらい出ているかを見てみましょう。

100万円(利益)÷40万円(広告費)×100(%)=250%

投資した金額に対して、2.5倍の利益が出ていると判断できます。

ROIと混同されやすいマーケティング指標

ROIと同じくマーケティングに使われる指標に、ROAS、CPAがあります。それぞれの特徴や計算式、ROIとの違いを解説します。

ROAS

ROASとは、「広告費用対効果」を意味する言葉で、広告費の金額に対する売上額を示す指標です。計算式は、売上÷広告費×100(%)となり、数値はROIと同じく、大きいほどよいとされます。ROIが利益ベースであるのに対して、ROASは、売上がベースであることが相違点です。

それぞれベースが異なるため、ROASが100%を超えても、ROIが100%を下回り、赤字と判断される可能性も十分にあり得ます。いずれかの数値にのみ注目せずに、ROI、ROAS両方の数値を見たうえで、定量数値をもとに評価できるROIを重視し、Webマーケティングに活用しましょう。
ROIとROAS

ROASについては以下の記事で詳しく解説しています。
ROASとは?ROIやCPAとの違い、計算方法なども解説

CPA

CPAとは、1件のCV(コンバージョン)のためにかかった費用をあらわす言葉です。Web広告やSEOなどの効果を検証する材料の1つとして活用されています。ROIが「広告費に対する利益の指標」であるのに対し、CPAは費用÷CV数の計算式により、「1件の獲得単価」を表します。

CPAが高いとコストがかかり、低いとコストが抑えられていると判断できるため、CPAの数値は、低いほどよいとされます。

CPA

CPAについては以下の記事で詳しく解説しています。
CPAとは|その定義と改善方法について

WebマーケティングでROIを活用するメリット

Webマーケティングでは、ROIに注視すると、施策にメリットが生まれます。ここでは2つの視点からメリットを解説します。

収益性を可視化できる

ROIを利用すると、多種多様なWebマーケティング施策を一律の指標で管理できるため、どの施策が効果的か、収益性を可視化できます。異なる部署で複数のWebマーケティング施策を実施していても、均等な評価が可能です。また、複数の広告代理店に依頼した広告運用の比較もできるため、どの広告に効果が出ているか、改善すべきかの判断にも利用できます。

意思決定の判断材料になる

収益性の効果が高い施策は追加で投資をする一方で、収益効果が薄い施策は改善につなげるなど、ROIは意思決定の判断材料として有益です。ROIは、価格や運用費用などの条件に違いがあっても、定量的に利益の比較が可能です。そのため、複数の施策を比較して、収益性の高い施策、低い施策の分類ができます。

WebマーケティングでROIを活用する際の注意点

Webマーケティングでは、定量的に広告評価を判断できるROIの活用が欠かせません。活用する際の注意点を確認しましょう。

長期的な施策の判断は難しい

ROIは、現状でどれくらい効果が出ているか、短期的な指標に適しています。しかし、ブランディングを目的とした広告をはじめ、長期的な施策の分析には不向きです。その原因は、ROIが、長期的な展開で利益が得られる広告であっても、短期的には利益が出ていない、改善が必要と判断する点にあります。

現状の効果ではなく長期的な施策を判断する場合は、明確な目的と判断基準が求められます。

継続的に測定する必要がある

ROIは測定、分析、改善施策の実行、効果検証の反復、継続が重要です。反復により、施策に連鎖的な流れが生まれ、更なる利益の循環が期待できます。ROIは一度の測定で判断せず、PDCAを回し、Webマーケティングの最善化を目指しましょう。

ROIの測定が困難な場合がある

ROIは、売上や設備投資費など、あくまでも数値化したものしか評価できません。つまり、サービスの認知度や顧客の評価などは、評価の対象からは外れます。ROIの効果測定は、投資と利益の明確な把握が欠かせないためです。たとえば、オンラインとオフラインの購買行動が連動する場合、投資と利益の正確な測定が難しくなり、ROIでは正しい判断ができません。

ROIを改善するための4つの施策

ROIは数値が高いほどよいとされます。そのため、数値がふるわない施策は改善が必要です。改善する方法を解説します。

1.無駄なコストをカットする

ROIが100%を切る場合、効果のない広告費や無駄な設備投資など、リターンに直接寄与しない無駄なコストを見直しましょう。ROIの改善は売上の増加に着目しがちですが、売上よりもコストカットの方が効果が早く出る傾向にあります。とはいえ、広告や設備費など、投資したものを闇雲に削除すればよいわけではありません。必要なものをカットしないように、慎重な検討が重要です。

業務 改善例
CV数が増えていないが、リスティング広告の広告費が上昇 必要以上のクリック発生を防ぐために、出稿キーワードを見直す
使いこなせていないツールがある ツールの契約プランを下げられないか検討する
定型文の作成や繰り返しの定例業務に、人力を割いている 生成AIを活用して効率化を図る

2.CVR・成約率を改善する

ROIの数値を高めるには、売上の増加につながる施策も欠かせません。できるだけ多くの顧客を獲得し、売上が増加すれば、結果としてROIの改善につながります。Web広告で問い合わせや資料請求などを獲得するCVRや、各施策で獲得したリード顧客の成約率改善に努めましょう。

改善の方法としては、WebサイトのLPを改善する、獲得した見込み客に商品を購入してもらうための対策をする、などが考えられます。

目標 具体例
問い合わせフォームの通過率改善 ・入力項目を極限まで減らす
・自動入力など簡単に入力できる仕組みを取り入れる
LPを改善して問い合わせ強化 ・ファーストビューにフォームを露出する
・広告文と訴求がズレないように調整
流入数を増やす ・ウェブ広告を出稿してオウンドメディアに訪問してもらう
・SEOで上位表示させる
・SNSで、ユーザーとコミュニケーションを図る
CVRについては、以下の記事で詳しく解説しています。
CVR(コンバージョン率)の計算方法とは?平均値や改善ポイントなども解説

3.Web広告のターゲティングを最適化する

ROIの数値を改善するためには、ターゲット層に向けた適切な広告配信が必要です。ターゲットに合わせた広告配信は、購買意欲の高いユーザーへの高精度なアプローチにつながります。ピンポイントで自社の商品やサービスをアピールできるため、無駄な投資コストを削減できるでしょう。

ターゲティングについて一部、以下の記事でも解説しています。
Facebook広告のターゲティング・運用のコツ

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4.LTV向上を目指す

Webマーケティングにおいて、LTVが高いほど顧客獲得にかかるコスト回収率が高まり、ROIが改善します。LTV(顧客生涯価値)は、顧客が企業との関係を持つ期間に生まれる総収益額を指す言葉です。LTVを高める方法には、顧客1人ひとりの購入額の増加、CX(カスタマーエクスペリエンス)の改善による顧客満足度の向上などがあります。

まとめ

投資した金額に対しての収益率を示す言葉であるROIは、Webマーケティングでは、広告費(投資額)と収益の比率をあらわす指標として利用されています。定量的に評価を行い、施策の見直しや改善に努めましょう。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

株式会社WACUL

株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。