GA4プロパティの設定や削除手順とは|UAとの違いや必要な設定も解説

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こんにちは。「AIアナリスト」ライターチームです。

GA4(Googleアナリティクス4)のプロパティとは、Webサイトやアプリのデータをグループ化したものです。

この記事では、GA4とUAのプロパティの違い、利用するメリット、設定手順などについて解説します。GA4のプロパティを設定しようと考える人は、参考にしてください。

目次

GA4プロパティとは?

GA4プロパティとは、どのようなものかプロパティの意味と合わせて解説します。

プロパティとは

プロパティには、物件や資産の意味があります。元来の意味が転じて、Googleアナリティクスのプロパティでは、「Webサイトやアプリのアクセスデータを収集し、分析する単位」を意味するようになりました。なお、GA4は、Googleアナリティクスの次世代バージョンのことです。

GA4の階層構造

GA4は、アカウント・プロパティ・データストリームの3つの階層構造で成り立っています。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

アカウント

アカウントは、GA4では最上位の階層に位置します。ユーザーの権限を管理できるため、紐づいているプロパティ、データストリームについても、設定や変更などができます。正しくは、アカウントの上に組織がありますが、あまり使われません。そのため、一般的には、アカウント=会社として扱われます。

プロパティ

プロパティは、ユーザーデータが蓄積される場所で、アカウントに紐づいています。GA4ではアカウントのなかに最大2,000個までプロパティを作成可能です。プロパティは、一般的にWebサイト単位で作成します。運営するWebサイトが複数ある、Webサイトとアプリを使い分けている、複数の管理対象があるなどの場合は、アカウント内で、それぞれに対しプロパティを作成します。

データストリーム

データストリームは、アクセスデータを計測する階層です。1つのプロパティにつき、複数のデータストリームが作成可能です。データストリームは、Webサイトでのデータを計測する「ウェブストリーム」アプリのアクセスデータを表す「iOSデータストリーム」「Androidデータストリーム」の3つに分けられます。

GA4プロパティとUAの違い

GA4プロパティの以前は、UAが利用されていました。GA4とUAの違いについて解説します。

アカウント構造の違い

GA4は、アカウントのなかに複数のプロパティを作成できる二層構造でできています。1つのプロパティで、Webサイトのデータ、iOSデータなど複数のトラッキングIDが発行できます。

UAは1つのアカウントに対して複数のプロパティを作成できますが、トラッキングIDは1つのみでした。なお、UAは1つのプロパティ内には、複数のビューを作成できる3層構造です。

ユーザーの行動分析の違い

GA4では、Webサイトとアプリ内でのユーザー行動を1つのプロパティにまとめて計測できます。つまり、複数のデバイスを使用している場合でも、同一ユーザーと判定して行動データを収集、分析できるようになりました。

しかし、UAでは、デバイスが異なる場合は、別のユーザーとして扱う特徴があります。そのため、UAではWebサイトとアプリを統合した集計は不可能でした。

GA4プロパティを設定するメリット

GA4プロパティを設定することで、ユーザーの行動の把握や予測が容易になりました。ここでは、3つのメリットについて解説します。

機械学習を活用できる

GA4には、機械学習で分析や予測ができる機能が搭載されています。これにより、購入や新規会員登録、退会、収益などの可能性を予測指標として数値化できるため、自社のマーケティングに活用できます。

ただし、機械学習を活用した予測は成長過程であるため、十分な結果が得られるとは限りません。また、一定の条件を満たさなくては、機械学習はGA4に活用できません。あくまでも、参考程度に考えておきましょう。

BigQueryと連携できる

BigQueryは、膨大なデータを高速で抽出できる、Googleのクラウド上のデータサービスです。さまざまなログを高速で解析してくれるため、改善施策の検討から実施まで迅速に進められるでしょう。UAでは、有料版のGA360のみBigQueryが利用可能でした。一方、GA4では、無料でBigQueryが利用できるため、詳細なデータの分析に役立てられます。

なお、BigQueryとGA4を連携することで、アナリティクスが集計する前のrawデータを抽出できます。

Webサイトとアプリをまたいで分析ができる

近年、GA4では、ユーザーがWebサイトとアプリそれぞれで行ったアクションを、1つのプロパティとしてまとめて計測が可能です。複数のデバイスやブラウザを利用して、Webサイトを訪れているユーザーの行動を把握できるようになり、多角的で正確な分析が可能になりました。

GA4プロパティを設定する手順

GA4プロパティを設定する手順を、3つの段階に分けて解説します。

1.管理画面でプロパティを作成する

GA4の管理画面で、プロパティを作成します。手順は、以下のとおりです。

1.GA4の画面で左下にある歯車マークをクリックする

2.管理画面が表示されたら左上の「+作成」ボタンのプルダウンより「プロパティ」を選択する

2.プロパティの設定をする

続いて、プロパティの設定画面で必要事項を入力します。以下の手順で行いましょう。

1.プロパティ名、レポートのタイムゾーン、通貨を選択する

2.ビジネスの説明に回答する

3.ビジネスの目的を選択し、作成ボタンをクリックする

データストリームの設定手順

前述したとおり、GA4のプロパティの作成が完了すれば、続いて、データストリームの設定画面にうつります。データストリームを設定する手順は、以下のとおりです。

1.「ウェブ」「Androidアプリ」「iOSアプリ」から、データストリームを設定したいプラットフォームを選択する

2.データストリームの設定画面で「ウェブサイトのURL」に、分析対象となるWebサイトのURLを入力し、「ストリーム名」に、任意の名前を入力し、「ストリームを作成」をクリックする

上記の手順で、トラッキングID・トラッキングコードが発行されます

3.トラッキングIDは、プロパティ作成後、「ストリーム作成」をクリックし確認できる

※もし、「ストリーム作成」をクリック後に上記画面に映らなければ、管理>データストリームの順でクリックし、作成したストリーム名を選択

4.画面下部にある「新しいページ上のタグを追加する」欄にあるトラッキングコードをHTMLタグに貼り付ける

※上記手順以外にも、管理>データストリーム>作成したストリーム名を選択し、Googleタグのタグ設定を行う>実装手順の順でクリックし、「手動でインストールする」のタブを選択するとトラッキングコードを確認できます。

※トラッキングコードの追加には、Googleタグマネージャーを活用する方法と直書きする方法の2種類があります。おすすめは、抜け漏れ無く管理がしやすいGoogleタグマネージャーの活用です。

具体的な設定方法については、以下の記事を参照してください。
GA4のトラッキングコードの設置・確認方法を画像つきで解説

GA4プロパティの削除方法

不要なGA4プロパティは、ゴミ箱に移動する、UAとの接続を解除するいずれかの方法により削除できます。それぞれの手順を解説します。

ゴミ箱に移動して削除する方法

ゴミ箱に不要なGA4プロパティを移動して削除したいときは、以下の手順を踏みましょう。なお、ゴミ箱に移動したGA4プロパティを保存できる期間は、35日間です。

1.GA4プロパティの「管理」の画面で「プロパティ設定」を選択する

2.「プロパティの詳細」の右上にある「ゴミ箱へ移動」ボタンをクリックする

3.プロパティがゴミ箱に移動する

GA4プロパティ設定後の注意点

GA4プロパティは、必要なデータを取得できるように、初期設定を変更する必要があります。6つの項目を変更しておきましょう。

内部IPアドレスを除外しておく

ユーザーの行動を正確に分析するために、内部IPアドレスを除外し、関係者のアクセスデータを収集しないようにしましょう。内部IPアドレスを除外する手順は、以下のとおりです。

1.「管理」画面で「データストリーム」を選択する

2.対象のデータストリームをクリックする

3.該当するアカウントを選択し、「Googleタグ」にある「タグ設定を行う」をクリックする

4.設定画面下の「もっと見る」を選び、「内部トラフィックの定義」を開く

5.「作成」をクリックする

6.任意のルール名と除外したいIPアドレスを入力し、作成をクリックする

IPアドレスを除外する方法については、こちらで詳しく解説しています。
GA4でIPアドレスの除外設定をする方法

参照元を削除する

参照元を削除することで、自社webサイト内でリンクをたどってページを移動する際に、外部webサイトのドメインが参照元として計測されなくなります。さかのぼって反映はされず、設定後から条件が反映されます。参照元を削除する手順は以下のとおりです。

1.管理画面の「データの収集と修正」で「データストリーム」をクリックする

2.対象のデータストリームをクリックする

3.「Googleタグ」の項目から「タグ設定を行う」を選択する

4.「設定」のもっと見るのプルダウンを開く

5.「タグ付けの設定」から「除外する参照のリスト」を選択する

6.以下のマッチタイプから条件に合うものを選択し、ドメインを入力して「保存」をクリック

  • 参照ドメインが次を含む
  • 参照ドメインが次で始まる
  • 参照ドメインが次で終わる
  • 参照ドメインが次と完全に一致
  • 参照ドメインが次の正規表現に一致

クロスドメインを設定しておく

クロスドメイン測定を使用すると、ドメインをまたいだユーザー行動を、同一ユーザーによるものとして識別できます。設定手順は以下のとおりです。

1.管理画面の「データの収集と修正」で「データストリーム」をクリックする

2.対象のデータストリームをクリックする

3.「Googleタグ」の項目から「タグ設定を行う」を選択する

4.「タグ付けの設定」から「ドメインの設定」を選択する

5.条件に一致するドメインを設定する

データ保持期間を変更しておく

GA4プロパティの保存期間はデフォルトで2か月ですが、設定を変更することで2か月と14か月が選択できます。手順は以下のとおりです。なお、24時間後から保持期間の変更が適用されます。

1.管理画面で「データの収集と修正」から「データの保持」を選択する

2.データ保持期間を14か月に変更する

Googleシグナルを有効にする

Googleシグナルとは、複数の端末に同一のGoogleアカウントでログインしていれば、1人のユーザーとしてアクセス解析できる機能です。複数のデバイスをまたいだユーザー行動を正しく集計するためには、Googleシグナルを有効にする必要があります。変更手順は以下のとおりです。

1.管理画面で「データ収集」をクリックする

2.「Googleシグナルのデータ収集」に移動し、右上の「オンにする」をクリックする

3.「Googleシグナルのデータ収集を有効にする」画面が表示されたらオンにするをクリックし、「有効にする」を選択する

なお、アクセス数が少ないWebサイトは、正しくカウントできないため、注意が必要です。個人の特定につながる恐れもあるため、Webサイトを訪問するユーザー数が少ない場合は、Googleシグナルは無効にしておきましょう。

Looker Studioと連携する

Looker Studioは、Googleが提供するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。Looker Studioを使ってGA4のレポートを作成すれば、主要な指標を1つの画面内で確認できます。一度レポートを作成すればその後は自動で更新される仕組みです。

Looker StudioでGA4のレポートを作成する方法を解説しています。
Looker Studio(旧:データポータル)でGA4のレポートを作成するには?

プロパティ名について

GA4では任意のプロパティ名を付けられます。プロパティ名の選び方と確認方法を解説します。

プロパティ名の選び方

プロパティ名は、プロパティを区別するために使われます。そのため、「商品サイト」や「採用サイト」など、どのようなデータを管理しているか一目でわかるものにしましょう。プロパティ名は、管理画面の設定から変更可能です。

プロパティ名の確認方法

プロパティ名はホーム画面やレポート画面の上部から確認できます。以下の手順で確認しましょう。

1.アナリティクスのロゴの横にある、下向きの矢印をクリックする

2.現在使用しているプロパティがグレーでハイライト表示される

アカウントとプロパティの使い分けについて

GA4においてアカウントとプロパティは、アカウントのなかに複数のプロパティを作成できる二層構造の関係です。新規Webサイトを立ち上げたときに、アカウントとプロパティのどちらを作成するか迷う場面もあるでしょう。アカウントは会社単位、プロパティはWebサイトやアプリ単位と、分けて使うことが一般的です。

ただし、あくまでも一般論であるため、管理しやすい方法でアカウントとプロパティを使い分けるとよいでしょう。なお、アカウントは最大100個、プロパティは各アカウントに最大2,000個まで作成可能です。

まとめ

GA4プロパティを設定することで、データをもとに機械学習予測ができたり、Webサイトとアプリをまたいだ集計ができたりと、正確で多角的な視点で、ユーザーの行動を把握、分析ができます。GA4プロパティで収集、分析したデータをもとに、自社Webサイトの磨き上げを進めましょう。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

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株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。