GA4のアトリビューション分析とは?メリットや設定方法を丁寧に解説

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こんにちは。「AIアナリスト」ライターチームです。

アトリビューションとは、キーイベント(旧:コンバージョン)に至るまでのさまざまな要素を分析し、キーイベント(旧:コンバージョン)への貢献度を測るプロセスです。

この記事では、Webマーケティング担当者に向けて、GA4におけるアトリビューションの概要やメリット、設定方法を解説します。キーイベント(旧:コンバージョン)の分析や広告運用に、アトリビューションを活用する際は、ぜひ参考にしてください。

目次

アトリビューションとは

アトリビューションは、キーイベント(旧:コンバージョン)に至るまでのユーザーの行動を解析し、広告やクリックといったさまざまな接点(タッチポイント)へ、貢献度を割り当てる手法です。アトリビューションを通じて、どのマーケティング活動が、どの程度キーイベント(旧:コンバージョン)に寄与したかを理解できます。
アトリビューション

アトリビューションについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
※参考:アトリビューションとは?8つのモデルや分析の流れを解説

アトリビューションが注目される背景

近年、アトリビューションが注目されています。その背景として、Webサイトへの流入経路や、キーイベント(旧:コンバージョン)に至るプロセスの多様化が挙げられます。一般的に、ユーザーは、複数のタッチポイントを経由してキーイベント(旧:コンバージョン)に至ります。例えば、Instagram広告からWebサイトにアクセスし、サイト内を回遊して離脱、10日後にリターゲティング広告を通じて商品を購入するといったケースです。

最後のタッチポイントに焦点を当てる分析では、ターゲティング広告しか評価されず、Instagram広告の貢献度が見過ごされる可能性があります。適切に評価するためには、すべてのタッチポイントの貢献度を評価するアトリビューションが重要です。

GA4のアトリビューションモデルの種類

GA4では、アトリビューションで貢献度を割り当てるルールを、アトリビューションモデルと呼びます。GA4では以前、「ラストクリック」「ファーストクリック」「線形」「時間減衰」「接点ベース」「データドリブン」の6つのモデルが提供されていました。

このうち4つのモデルが廃止され、現在は「ラストクリック」と「データドリブン」のみ使用可能です。なお、デフォルトの設定では「データドリブン」が適用されます。
GA4のアトリビューションモデル

データドリブンアトリビューションとは

データドリブンアトリビューションとは、「データドリブン」のモデルを使用したアトリビューションで、機械学習アルゴリズムを用いて、タッチポイントの貢献度を算出します。キーイベント(旧:コンバージョン)からの経過時間やデバイスの種類、広告の表示順序、広告に対するユーザーのアクション、広告コンテンツのファイル形式などのさまざまな要素を、総合して評価します。

データドリブンアトリビューションを活用すると、多様なタッチポイントの評価が可能で、成果の高い広告やキャンペーンの特徴を把握できます。
データドリブンアトリビューション

4つのアトリビューションモデルが廃止された理由

4つのアトリビューションモデルが廃止された理由として、多様化するカスタマージャーニーの分析にマッチしないことが挙げられます。

データからも、モデルのニーズを読み取ることができます。2022年9月のデータでは、Google広告の自動入札で使用されるキーイベント(旧:コンバージョン)に、データドリブンアトリビューションが最も多く採用されていました。2023年2〜3月のデータでは、廃止された4つのモデルの使用率は3%未満でした。

UAにおけるアトリビューションとの違い

UAでは、無料で使用可能なアトリビューションモデルが「ラストクリック」のみでした。「ラストクリック」は、キーイベント(旧:コンバージョン)の直前のステップでクリックされた広告のみを評価するモデルです。「データドリブン」モデルを使用するには追加費用が必要であり、データ量に関する条件も設定されていました。

一方、GA4では、「データドリブン」モデルがデフォルトの設定となり、無料で提供されています。データ量に関する制限もなくなり、キーイベント(旧:コンバージョン)の分析の主流となっています。

GA4でアトリビューションを活用するメリット

GA4でアトリビューションを活用すると、いくつかのメリットが期待できます。ここでは、主なメリットを2つ解説します。

広告費を最適化できる

GA4でアトリビューションを活用するメリットの1つは、広告費の最適化です。アトリビューションを使用した分析によって、キーイベント(旧:コンバージョン)に貢献している広告が明確になります。分析結果にもとづいて、有益な広告を選定し、予算を適切に配分すれば、広告費を最適化できます。キーイベント(旧:コンバージョン)1件あたりの広告費用も抑えられ、CPAの改善にも有効です。

ユーザーファーストな広告運用が実現できる

従来、キーイベント(旧:コンバージョン)の分析では、キーイベント(旧:コンバージョン)に至る直前のクリックが、主要な評価対象とされていました。この評価手法によって、リスティングやリターゲティング広告に予算が集中し、ユーザーに過剰な売り込みを感じさせるリスクもありました。

GA4のデータドリブンアトリビューションを使用すると、多様なタッチポイントの評価が可能です。ユーザーが関心をもつ広告や、不快に感じる広告の特徴を把握でき、ニーズにマッチした広告運用を実現できます。

GA4でアトリビューションを設定する方法

ここでは、GA4におけるアトリビューションの基本設定として、アトリビューションモデルと計測期間の設定方法を解説します。

1.「アトリビューション設定」を開く

「管理」にアクセスし、「データの表示」に含まれる「アトリビューション設定」を選択してください。

2.アトリビューションモデルを選択する

「レポート用のアトリビューションモデル」でモデルを選択します。デフォルトの設定では、「データドリブン」が選択されています。

3.「計測期間」を設定する

「計測期間」を設定してください。キーイベント(旧:コンバージョン)は、タッチポイントに触れてから、数週間後に発生する場合もあります。ここでは、キーイベント(旧:コンバージョン)からさかのぼって計測する期間を設定します。計測期間を選択後、「保存」をクリックしてください。

GA4でモデル比較レポートを確認する方法

GA4では、「ラストクリック」モデルと「データドリブン」モデルの計測結果を比較できます。確認方法を解説します。

1.「モデル比較」を開く

「広告」にアクセスし、「アトリビューション」から「モデル比較」をクリックしてください。

2.期間を設定する

レポートの対象とする期間を設定します。日付部分をクリックし、期間を指定後、「Apply」をクリックしてください。

3.比較するイベントを選ぶ

「コンバージョンイベント」のプルダウンリストから、計測したいイベントを選択してください。

4.比較する「アトリビューションモデル」を選ぶ

「アトリビューション モデル(間接)」列のプルダウンリストから、比較するアトリビューションモデルを選択します。

5.必要であれば「フィルタ」を設定する

特定のユーザーに絞って比較したい場合は、フィルタを設定します。「フィルタを追加」を開き、条件を指定後、「適用」をクリックしてください。条件は5つまで指定できます。
ここでは、参考に条件を「日本」に指定しています。

6.必要であれば「分析軸」を設定する

必要に応じて、分析軸を変更できます。「デフォルトチャネルグループ」のプルダウンリストから、分析軸を選択しましょう。

GA4でコンバージョン経路レポートを確認する方法

GA4では、キーイベント(旧:コンバージョン)に至るプロセスに沿って、タッチポイントの貢献度を確認できます。以下に、確認方法を解説します。

1.「コンバージョン経路」を開く

「広告」にアクセスし、「アトリビューション」から「コンバージョン経路」をクリックしてください。

2.期間を設定する

先述の「モデル比較」と同様の手順ですが、レポートの対象となる期間を設定しましょう。

3.イベントを選択する

「コンバージョンイベント」のプルダウンリストから、計測の対象とするイベントを選択しましょう。

4.必要であれば「フィルタ」を設定する

特定のユーザーグループに焦点を当てて確認する場合は、フィルタ機能を使用しましょう。
「フィルタを追加」をクリックし、条件を入力した後に、「適用」をクリックします。最大で5つの条件設定が可能です。

5.レポートを確認する

上段には、キーイベント(旧:コンバージョン)に対する「早期タッチポイント」「中間タッチポイント」「後期タッチポイント」それぞれの貢献度が表示されます。下段には、キーイベント(旧:コンバージョン)数が多い順に、タッチポイントが表示されます。

GA4におけるアトリビューションの注意点

アトリビューションを利用して分析を行う際、キーイベント(旧:コンバージョン)に至るさまざまなタッチポイントを総合的に評価するため、分析対象のデータも多くなる傾向があります。具体的なアクションプランに落とし込むには、専門的な知識が求められます。社内で人材を確保できない場合は、目的に応じた分析ツールを導入することも、1つの代替案となるでしょう。

まとめ

アトリビューションは、キーイベント(旧:コンバージョン)に対して、どのタッチポイントがどの程度影響を与えたかを分析する手法であり、広告費の最適化やユーザーファーストな広告運用の実現に役立ちます。一方、分析するために、多様かつ多量のデータを取り扱う能力も求められます。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

株式会社WACUL

株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。