SHARE 0
SHARE 0
ベイジ・WACUL・PR Tableが徹底討論 Who/How/Whatから考える採用コミュニケーションと採用戦略【セミナーレポート】
セミナーレポート |
本記事では、2024年4月18日に開催された「ベイジ・WACUL・PR Tableが徹底討論 Who/How/Whatから考える採用コミュニケーションと採用戦略」の講演内容及び、参加者の皆様からいただいたQAをご紹介いたします。
登壇者紹介
株式会社ベイジ 代表取締役
(コーポレートサイト:https://baigie.me/)
枌谷 力
※以下敬称略
株式会社PR Table 共同代表取締役 / Founder
(コーポレートサイト:https://prtable.com/)
大堀 航
株式会社WACUL 取締役
松尾 龍
株式会社WACUL 執行役員CMO(モデレーター)
安藤 健作
目次
- 採用活動における全体像
- 求職者の心を捉えるにはどのようなコンテンツがいいのだろうか?
- 求職者の母集団を形成するコミュニケーション施策とは?
- 採用活動を見直すときは、何から始めるのが良いか
- 求職者を理解するための方法とは?
- QA
- 最後に
採用活動における全体像
大堀:現在、労働市場は大変革期にあるかなと思っています。
労働人口が減っていくというなかで、大企業をはじめ、採用計画に占める中途採用の比率も7年で2倍と高くなってきており、かなり採用市場に変化がある時代です。
こちらはリクルートさんによる2023年度 転職市場動向のデータです。
2013年を1とした時、各業界でおよそ2〜3倍ほど人の移動(トランザクション)が増えてきています。
特に企業もDX化や、よりハードな製造系の業界もソフトウェア化しているというところで、変革を推進していく人材の移動も増えてきているというようなデータになっているかと思います。
この前提で新卒採用と中途採用の市場の施策の変化を見てみましょう。
新卒採用の場合
新卒採用も早期化が進んでおり、大学1、2年生のころから就きたい仕事、キャリアを決め始めており、インターンシップの動きも進んできております。
企業としてやるべきことは、競合との差別化。
差別化をどう図っていくかと言いますと、自社の働く場所としての魅力を丁寧に伝えていかなければなりません。
それから、より多面的な露出も必要です。これまではナビサイトに掲載しておけば一定学生さんから見てもらえてエントリーもあったとしても、現在はそれだけでは効きにくくなってきており、SNSを始める等、施策の変化も顕在化してきております。
就職の潜在層、早期にアプローチしていく企画もやっていかなければならないという施策の変化が新卒採用担当の方が直面している課題だと思っております。
中途採用の場合
有効求人倍率が倍増している中、今すぐ転職したい人だけにアプローチをしていく施策をしてもなかなかエントリー数が増えない状況となっております。
各企業も中途採用の目標人数が昨年から何倍にもなっており、新しく早期に転職潜在層にアプローチしていくコミュニケーションが必要だと捉えております。
人材紹介に頼っているだけでは目標達成が難しく、会社の魅力の差別化を図っていかないと採用目標全体としては達成ができないので、予算をしっかり確保して投資していく動きがこの数年活発化してきております。
本日のセミナーテーマについて
今回は主に採用のコミュニケーションについて解説していきます。
コミュニケーション領域はやる事がたくさんあります。例えば、コンテンツを作成して届けたり、分析をしたり、ここをどう考えたら良いのか、知見のある皆さんで深掘りしていけたらと思います。
求職者の心を捉えるにはどのようなコンテンツがいいのだろうか?
安藤:企業が自社の魅力を伝えるという時に、どんな所から取り組んでいくべきでしょうか?
枌谷:語り軸が様々あり、軸によって話が変わってきます。
一つは、様々な調査データを見ていると、求職者の知りたいコンテンツがそれぞれあるはずです。
中途採用の場合、給与待遇やキャリアパスの話かもしれません。
転職をしたのに自分の能力が発揮できず周りから「転職に失敗した」と思われることが最悪のシナリオなので、この不安が解消されるようなコンテンツを載せることが求職者のニーズに応える観点として一つありますよね。
良くあるような「ミッション」や「パーパス」などのニーズと言うのは、求職者がその企業にある程度の興味を持ってから見るものなので、まずは具体的な情報をコンテンツとして載せているかどうかというのが大切になってきます。
二つ目に、商品購買と似ているところがあり、求職者は企業に対して便益性を求めているところがあると思います。
ベイジでは「7つの便益」(※)という定義を付けており、人生やキャリアにおいてプラスになる事がきちんとライティングされているかというところが重要です。
※7つの便益:経済便益・スキル便益・キャリア便益・環境便益・生活便益・社会便益・自己表現便益
ポイント
- 便益性が重要
- コンテンツに具体性があるか
- 求職者ニーズに答えたコンテンツの種類を揃えているか
安藤:「人生やキャリアにおいてプラスになる事」をコンテンツに表すとしたら、具体的にどんなことを書いたら良いでしょうか。
枌谷:その人や職種によって何を求めているのかは異なるのですが、例えば、30代~40代くらいで、会社に安定感を求めている「生活便益」ニーズが強い場合は、「リモートワークが可能」「育児、介護をしながら働いている社員もいます」といったコンテンツがあるのと無いのでは、エントリーや興味を持つきっかけが全然変わってくると思うので、自社の求める人材がどんな便益を求めていて、その便益を感口コミサイトなどで匿名で厳しせるためにはどのようなコンテンツを見せたら良いのかというところから決めていくのが良いと思います。
松尾:私共はウェブマーケティングをずっとやってきたので、構造的な話もよくさせていただくのですが、ほとんどのお客様はそんなにWebサイトのページ数を見ないので、上の方に大切なことを記載されていないとすぐ離脱されてしまうということは往々にしてあると思います。
採用サイトの作りに関しては、仕事内容、勤務地、年収などという情報はそもそも求職者の知りたい情報として大上段にあるので、まずここが見られないとそもそものスタートラインに立てないと思います。
社員や経営者インタビューは下層にあるものですし、興味がある人は見てくれます。なので、採用サイトのつくりとしては万人に受ける、興味が無い人でも見てもらえるといったサイト構成が必須だと思います。
大堀:弊社では「誰から」×「何を」×「どのように」で整理を行っています。
採用における内定承諾をしてくれる最後の情報提供(ラストワンマイル)が重要だと考えています。
Who:信頼する情報源とは?
「社員」×「実名」による情報が求職者にとっては非常に信頼性のある情報だと思います。口コミサイトなどで匿名で厳しいことが書かれており、「本当にそうなんだっけ?」と思ったときに、匿名ではなく実名の社員の話が書かれていると安心感があります。
What/How:どんな情報をどのように収集するのか?
Google検索やSNS、口コミサイト等での情報収集がほとんどです。
ではその検索された時にどんな情報を提供すべきなのかと言いますと、キャリアに関する透明性なのかなと思っております。
どんな仕事ができるのか、どんな働き方なのか、どんな人なのか、というところが先ほどの実名の社員とつながってきて、これをワンパッケージでしっかり情報を出しておくことができるかというのが重要なポイントだと思います。
求職者の母集団を形成するコミュニケーション施策とは?
大堀:弊社では採用コミュニケーションを考える際に、このようなマップをもとに考えています。
従来の施策では、求人媒体やエージェントを利用してエントリーリストを増やしていくのですが、この母集団の定義にもよるかと思いますが、質が良い母集団と質が悪い母集団をどう考えるのか、という点もありますし、この「母集団」といった言葉にも振り回されているなと思います。
エントリーリストを増やしていくために
潜在層向けにまず何をしていくのか?
・大手企業等で予算がある場合は下側に記載されているコンテンツ作成→デリバリーの対応を全て行っていくような動きになっていくかと思います
・中堅の企業ですと、リファラルやアルムナイ(退職者)のリストを使って、エントリーリスト手前のタレントプールというデータベースを作成していきます。
この「タレントプール」をアクティベーションさせるために、オウンドメディアでコンテンツを作る、またはイベントを開催していく、といった形でアクティベーションしていく方法があります。
では次に、リファラルやアルムナイではない所からもっと認知を獲得していかなければならない場合は、作ったコンテンツをSNS等やターゲティング広告で回し、エントリーフォームから登録を促し、タレントプールへ格納していく、といった形でかなり段階を踏んだ状態で母集団形成を戦略的に行っていくという事が各社で動き始めています。
安藤:リファラル等は手を付けやすいかもしれませんが、コンテンツあたりはなかなか成果に繋げるのが難しく二の足を踏んでいる企業も多いと思います。
例えば「オウンドメディアを始める」となった場合、何を目標としたら良いでしょうか?
大堀:オウンドメディアをすでに行っているのか、これから始めるのかでも変わってくると思います。
ATS(採用管理システム)を各社様利用していると思うのですが、一次選考から二次選考に来た時に「この職種はこのコンテンツを自動で送る」のように設計をして、理解を促進して次の面接に進んでもらえるように促していくとか、コンテンツを面談前に送る、エージェントの担当の方へ共有し求人票とともに説明をするとか、活用領域に価値をセットしていく事は行っています。
コンテンツの量を作ることも大切です。
年代、職種によって価値観はそれぞれ違うので、そのコンテンツを増やしていき、デリバリーで使うのかタレントプール向けに使うのか、リファラルでも使うのかというような考え方で作成しています。
枌谷:組織カルチャーなど、それぞれの企業の向き不向きにも依存すると思います。
オウンドメディアをやるといっても向いていない企業も明確にありますし、テキスト型のオウンドメディアよりもYoutubeのように映像型の方があっているといった企業もあるので、苦手なことに時間を割くより、得意な事をやってもらったほうが良いと思います。
松尾:大堀さんのおっしゃっていた通り、コンテンツ量が全てだと個人的にも思っていて、採用コンテンツだけに限らず、企業の情報発信がしっかり届いていたら良いと思うので、人事側だけでやる施策でもないかなと思います。
枌谷:まず企業認知があって、そこから関心を持ってもらい、働きたいと思ってもらう。
人事がというより企業をどう魅力的に見せるのかということに近づいていくのは分かりますね。
松尾:母集団形成ですが難易度が高い業種こそ過去面談した人をちゃんと抱え続けるというのも重要だと思います。
結構皆さん新規へ目を向けがちですが、リファラル、アルムナイの次に「過去面談者」みたいな物もプールして会社のリリースが届くようにするのが一番ベストかなと思います。
採用活動を見直すときは、何から始めるのが良いか
松尾:「数が足りないから取り敢えず広告を打つ」ということは一番やってはいけないことかなと思っています。
顕在でどこまで届くのかという距離感を測ったほうが良いと思うので、私の場合はまず過去データを見に行きます。
特に業種別で、課題がどこにあるのか「母集団形成が足りないんだっけ?」等、ファクトベースで言質を取りに行くべきだと思います。
母集団形成が足りないならば、先ほどにもあったようにコンテンツを作成するべきなのか、予算と距離感を見直します。
100人足りないのか10人足りないのかで打ち手も変わってくると思うので、一旦手を止めて、ある程度の期間を取って分析をすることが大切かなと思います。
大堀:採用担当者の意識という調査データもあるのですが、「母集団形成」と「歩留まり率改善」どちらを重視しているかというと、やはり母集団形成が割合としては多いです。
歩留まりを改善するとどれほどの数字が変わるのかという事が重要なポイントかなと思っております。
辞退数を減らすだけで影響度が高く、マーケティングと同じくどのファネル、数字を変えると受注が高まるんだっけというところで、意外と数値を確認してみると慌てなくて済むというケースもあると思います。
枌谷:お二人がお話ししていた事と同じ事を弊社でも行っていて、コンテンツを載せるために「求職者はどんな人なのか」「今どんな課題があるのか」という事をあげないとダメで、その時に職種別の歩留まりの数字を明らかにして、どこがボトルネックになっているのかをお話することが多いですね。
求職者を理解するための方法とは?
松尾:私どもは顧客調査から始めるので、直近で入社した人、内定者へのヒアリングを行ったほうが良いと思います。
その時、聞く内容としては、「どのタイミングで採用サイトを見たのか」、「採用サイトのどこを見たのか」「面接の印象はどうだったか」等です。
内定が取れてしまうとその後、人事が接触しないケースも多いのかなと思うのですが、突き詰めて「採用サイトって何のためにあるのか」というヒアリングを行うと、コンテンツや採用サイトのあり方などが浮かび上がって来ると思うので、そこからやっていくのが良いと思います。
また、職種が違うと求職者が求めている事が違う事があるので、可能ならば職種ごとに10名ずつくらいヒアリングをするのが良いかと思います。
枌谷:職種ごとにロールモデル社員、要は「この社員のような人がほしい」という方が各社いらっしゃると思います。そのロールモデルとなった社員さんがどんな価値観を持っていて会社の魅力をどう捉えているのか、みたいなところをメッセージの切り口にするという意味で、ロールモデル社員へのインタビューが大切かと思います。
二つ目に、会社全体の傾向を知るという事も大切ですので、サイトを作る際には必ず社員アンケートを取っています。
「採用サイトをどう使う?」「自分の会社の魅力はどこに感じているか」等をアンケートで取り、個(インタビュー)と集団(アンケート)の両方を知っていくのが大切です。採用はマーケティングと異なり、社内に求職者と極めて近い属性の人たちがいるので、とにかく社員に話を聞くのが重要です。
大堀:ある程度の規模の企業さんですと、外部パネルを使った調査も有効です。転職に対する意識や他社、自社への好感度をレポートのまとめをみると、採用ターゲットが重要視するポイントと、自社がそのポイントに対してイメージがあるかというところでギャップが生まれてくると思うので、そのギャップを埋めていく情報発信活動をしていきましょうという、活動のロジックになっていくと思います。大手など採用人数が多ければ多くなるほど、この外部パネルを使った調査も有効になっていきますね。
QA
Q1. 採用サイトとコーポレートサイトは分けたほうが良いでしょうか?
また、専用の採用サイトを新規制作する場合、求職者をどのようなアプローチで採用サイトへ誘導して流入確保されていますか?
A. 枌谷:独立させた方がエントリー数が多いというデータがあるわけでは無いので、ケースバイケースになります。採用に力を入れているという事を対外的に示したい場合は、独立したサイトの方が求職者の方も力を入れていると思われる場合もあるようです。
また、別論点ですが採用サイトをコーポレートサイト下に作ってしまうと、トンマナを合わせなければいけないであったり、コーポレートサイトで使っているCMSで作らなければならないといった別の制約が出てしまうこともあります。別サイトであってもグローバルナビにリンクがあれば求職者はちゃんと押してくれます。
Q2. 採用サイトで、エンジニアやマーケターなどどの企業でも需要が高い職種の方からの応募も見込めるのでしょうか?
A. 大堀:エンジニアさんやマーケターのような希少職種の場合、弊社では採用サイトではなく、ランディングページを制作しています。
そこにX(旧Twitter)やターゲティング広告などを使って集客してエントリーへ持っていくという手法があります。
もし、今応募が落ちてしまっている理由が分かればよりお話ができるとは思うのですが、マイナスになることは無いという事は断言できます。
A.枌谷:我々はエンジニア向けの採用サイトを作ることも割と多いのですが、やはりエンジニアでもマーケターでも採用サイトやデジタルの施策で来るのは30代前半くらいのジュニアから成長して転職を考えられている方ですね。それより高位の役職の方は転職となるとリファラルやヘッドハンティングなど転職市場に出る前に決まってしまうので、高位になるほどデジタル系の施策だけでは難しいと思います。
Q3. 顧客への支援、自社の取り組みそれぞれにおけるインターナルコミュニケーションで意識されているポイントがありましたら教えてください。
A. 枌谷:インターナルなコミュニケーションで意識しているポイントは、その企業によって向き不向きがあるので、企業の特性にあわせたコミュニケーションを設計することが大事かと思います。
Q4. 求職者に刺さるコンテンツとしてどんなものがありますか?
例えば事業会社で自社内で対応してくれるWEBディレクターの採用を考えていて、そのWEBディレクターに刺さる「鉄板コンテンツ TOP10」のようなものはありますか?
A. 枌谷:「鉄板コンテンツ TOP10」というのはありませんが、鉄板というと「働き方」では無いでしょうか。
ディレクターは会社によってやっていることがかなり変わってきます。
職種定義が曖昧な職種の場合は「こんな仕事をしています」のように職務内容を明確にするというのは応募時のミスマッチも防げますし、鉄板コンテンツNo.1かなと思います。
Q5. リファラルやアルムナイを促進するための施策例はありますか?
A. 大堀:制度やインセンティブ等の設計も施策例としてはあると思いますが、我々のアプローチだと、社員が「こんな会社だよ」と友人、知人に説明する際に、持たせてあげられるコンテンツを作成することは行っております。
アルムナイも近いことをしているのですが、施策としては有効かなと思っております。
Q6. 仕事内容の伝え方はどんなものがベストでしょうか?
仕事内容が重要視される度合いも職種によって大きく変わってきそうですがいかがでしょうか?
A. 松尾:職種のイメージができるものと、抽象度が高く話を聞いてみないと分からない職種が絶対にあると思っています。
前者であればあるほど細かく記載したほうが良いですし、競合との強みの差分を埋めていくやり方であったり、業務内容を細かく説明するようなコンテンツを作成して面接に進んでもらう流れが良いと思います。
一方で抽象度が高い職種の場合は、細かく書きすぎて「自分は違うかもしれない」と思われてしまう可能性もあるので、カジュアルに「社長や経営者と話す」くらいのCTAだと応募は増えたりします。
Q7.データ分析に関してです。分析するに値する母数の量が少ないので、やって意味があるのか分からないためやっていません。 少なくてもデータは見ていくべきでしょうか?
A. 松尾:ある程度の期間を取って見ても母数が少ないのであればあまり意味が無いのでやらなくて大丈夫です。
そのために、定性的に情報を補完はしなければならないと思うので、面談者だったり内定者、入社者との面接で仮説を作っていくというところから始めていただけたら良いと思います。
Q8.メーカーなど、お堅いイメージの企業がもっとフランクなイメージでまじめすぎない、実は活気があるということで応募が来る時もあるかと思います。
表現の仕方一つで間違ったイメージに繋がりかねないですが、コンテンツのバランスはどのように取ったら良いでしょうか?
A. 枌谷:こういった話にならないためにも、やはり職種ごとのデータ、何が課題なのかといったもともとの動機を言語化する必要がありますし、元求職者である最近入社した社員の話を聞いて調べることが大切だと思います。
これを言っているのが誰で、どのシチュエーションで話しているかでも受け取り方が変わりますので、まずは客観的なデータを集めるのが重要です。
Q9.歩留まりについて、一次面接設定率を高めるために各社がどんなことをしているのかご教示いただきたいです。
A. 松尾:シンプルに連絡スピードを早めるという事につきるのかなと思っております。
枌谷:あまり弊社では意識したことが無いです。率より数が増えた方が良いかなと思っているため、募集要項をしっかりと記載し、書類選考時点でのミスマッチが起こらないようにしております。
大堀:興味をもっと持ってもらうという仕掛けで言いますと、弊社では社員のコンテンツを作成しているため「この人が一次面接で出ます」といったことをセットでお伝えしております。
Q10.企業認知を高めるうえで企業がコンテンツを発信することはもっともだと思いますが、コンテンツの質量次第で急速に認知は高まるものでしょうか?
SEO頼みではなく、認知目的の場合はプレスリリースや広告等を積極的に行うべきでしょうか?仮に広告を使って費用をかけるとしてもどれくらいかければ良いのか不明瞭な所があります。
どのように計画していけば良いでしょうか?
A. 松尾:コンテンツの質にこだわりすぎると量が作れなくなってしまうかと思いますので、コンテンツの量を増やすことが優先度としては高いです。
SEOなどになりますと「検索をさせなければいけない」というハードルが高くなってしまうので、SNSをフォローしてもらう等、コストをかける必要も無いのかなと思っております。
広告に関しては私の方では答えを持っておりませんが、KPI化しろと言うのは非常に難しいと思います。
Q11.タレントプールに記載すべき項目例と、それをどのように活用するのでしょうか?
A. 大堀:アルムナイやリファラルがタレントプールになったら結構情報が入っていると思うのですが、それ以外のタレントプールは結構難しいなと思っております。
最低限「年齢」「名前」「メールアドレス」をまずCVポイントを浅くして取得していきます。
しかし、これでは何の仕事をしているのか分からないので、そのためにコンテンツを作成したり、イベントを企画してそこに来てもらって把握していくという事が良いのかなと思います。
Q12. 採用広報、採用マーケを任されていますが、そもそも人事部に人が少なすぎます。
人手が足りていない場合はどこから優先度をつけて採用マーケ戦略・戦術を立て対応していけば良いでしょうか。
A. 枌谷:この会社さんの採用課題がはっきりしないと「まずはこれから」というのは言えないのですが、その会社が得意で自然とやれることからやるのが良いと思います。どの企業も人手不足なのは変わりませんので、どう工夫するのかが採用担当に求められていることだと思います。
Q13. 採用コンテンツ制作についてSEOは意識すべきでしょうか?
A. 松尾:基本的に「社名 採用」のようなワードでしか流入してこないので、SEO観点はほとんどいらないと思っています。
枌谷:私も同感です。しかし例外もあり、例えばトラックドライバーでは、「北海道に住んでてトラックドライバーになりたい」といったように検索ワードで来て、次に募集要項にあたるという行動もありますので、職種と地域の掛け算ができる職種は意外と効く場合もあります。
ただ、基本的にはSEOは意識しなくて良いかと思います。
大堀:SEOをハックしにいく必要は無いですが「社名 エンジニア」「社名 技術〇〇」などのワードで調べたときに、ちゃんと見つかるようになっているかは必ず確認しておくべきです。
最後に
本稿では2024年4月18日に開催した「ベイジ・WACUL・PR Tableが徹底討論 Who/How/Whatから考える採用コミュニケーションと採用戦略」のウェビナーレポートをお届けいたしました。
弊社ではこれまで数多くのデジタルマーケティングのご支援をさせていただいております。
採用マーケティングだけではなく、企業のマーケティング戦略の設計から施策の実行まで幅広くご支援させていただくことが可能ですので、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
WACULの提供サービス一覧はこちら
この記事の執筆者
株式会社WACUL
株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。