マーケティングとは? 定義から実際のやりかた、成功事例までまとめて解説!

マーケティング基礎 |

こんにちは。「AIアナリスト」運営チームの竹本です。

この記事では、マーケティングという言葉について、定義から実際の方法、成功事例まで解説しています。マーケティングという言葉は今では非常に一般的で、よく用いられる言葉となっています。しかし、「マーケティングって何?」と聞かれるとうまく説明できない方も多いのではないでしょうか。この記事を読んで今一度マーケティングを一からおさらいしてみましょう。

目次

マーケティングとは?

日本マーケティング協会はマーケティングという言葉を、

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

と定義しています。

出典: 日本マーケティング協会

なんだか難しいですね。マーケティングという言葉は他にも様々な定義がなされています。

参考 : 16のマーケティングの定義を集めました | カイロスのマーケティングブログ

様々な定義が存在しますが、マーケティングの理解を深めたい読者のために、分かりやすい表現をしてみます。
マーケティングとは「売れる仕組みを作るための活動」のことです。かなりざっくりした言い方になってしまいましたが、とりあえずこのようなイメージを持つといいと思います。

「マーケティングとは?」と聞かれると、

  • 市場や顧客を調査すること(リサーチ)
  • 広告を打ち出して製品の認知を拡大すること(プロモーション)
  • 企業が持ってる顧客データを分析して傾向を見つけ出すこと(データ解析)
  • などをイメージする方は多いのではないでしょうか。これらは全てマーケティングの一部です。売れる仕組みを作るためのあらゆる活動がマーケティングに含まれるわけです。

    マーケティング戦略の策定ステップ

    次に読者の方が知りたいのは、マーケティングの方法ですよね。
    マーケティングのやり方はたくさんあるでしょうが、ここでは実際にマーケティングを行う際の定石となる方法を、解説します。
    (参考文献: 網倉久永, 新宅純二郎『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』)

    マーケティング戦略は、大きく3つのステップに分けることができます。その3ステップとは、

    1. セグメンテーション
    2. ターゲティング
    3. マーケティング・ミックスの構築

    です。順に解説していきます。

    マーケティング・ミックスという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、企業がターゲットにアプローチするために統制できる、

  • 製品内容
  • 流通方法
  • プローモーション方法
  • 価格設定
  • といったあらゆる項目の集合を指す言葉です。後ほど詳しく解説します。

    1) セグメンテーション

    セグメンテーションとは、市場全体を、似た特徴を持つ顧客グループに分割することです。
    市場には非常にたくさんの顧客がいます。その顧客たちは異なる様々な特徴を持っています。

    市場には非常にたくさんの顧客がいます

    しかし、一人一人が全く異なるわけでもありません。共通点もあります。その共通点でグループ分けをして、ターゲットを定めたり、セグメントごとにアプローチを変えることを目的としています。

    例えば、非常に単純な分け方として、「男性・女性」「未成年・成人」などが思いつきます。この、

  • 「男性・成年」
  • 「男性・未成年」
  • 「女性・成年」
  • 「女性・未成年」
  • の4つのグループを「顧客セグメント」といいます。

    顧客セグメント

    このセグメントごとに、売り手からの働きかけに対する反応は変わってきます。例えば、新しい缶ビールを発売するとします。

    反応は顧客ごとに様々

    このビールに対する反応は顧客ごとに様々です。しかし、当たり前ながら未成年のセグメントは共通して無反応です。この「未成年セグメント」はターゲットから除外できます。

    しかし、「成人男性」「成人女性」セグメントは、セグメント内でも反応が様々です。
    この分け方では不十分なようです。それに、「男性・女性」という分け方はあまり意味がなさそうです。
    セグメンテーションは最終的に、

  • セグメント内は同質
  • セグメント間は異質
  • となることを目指します。そうすることで、セグメント単位でターゲットを定め、アプローチを考えることができるのです。先程のセグメンテーションから未成年を排除して、さらに分類の基準を増やしてみます。

    分類の基準

    これはあくまで一例ですが、

    ・そもそも飲酒するのか
    [飲酒する場合]
    ・ビールを飲むか飲まないか
    ・家で飲むか、外で飲むか、どっちでも飲むか
    [飲酒しない場合]
    ・飲めるのか、飲めないのか
    ・飲めるなら、なぜ飲酒しないのか

    ・SNSを使うか使わないか
    [使う場合]
    ・どのSNSをメインで使うのか

    を基準にセグメンテーションをしてみました。
    セグメンテーションを行う軸は、

  • 住んでる地域
  • 家族構成
  • 所得
  • 学歴
  • ライフスタイル
  • 行動特性
  • など、様々なものが考えられます。
    提供する商品・サービスや、そのプロモーションに対して、

  • セグメント内は同質
  • セグメント間は異質
  • な反応を示すようなセグメンテーションを目指しましょう。

    2) ターゲティング

    続いて、ターゲティングです。ターゲティングとは、自社が働きかけるターゲットを定めることです。
    ターゲティングは、

  • 無差別マーケティング
  • 分化型マーケティング
  • 集中マーケティング
  • の3パターンが基本となります。

    無差別マーケティング

    無差別マーケティングは、市場を単一のセグメントと認識して(セグメンテーションをあえて無視して)、市場全体に単一の製品を提供し、同じマーケティング・ミックスを投じるというものです。全て同じアプローチをとるので、コストが抑えられるのが強みです。しかし、細かな顧客の要望に応えることはできません。

    無差別マーケティング

    分化型マーケティング

    分化型マーケティングは、セグメンテーションの下、複数のセグメントに異なるマーケティング・ミックスを投入するというものです。セグメントごとに顧客の要望に応えることができ、市場での地位の安定につながるという強みがあります。しかし、コストが上昇するという欠点もあります。

    分化型マーケティング

    集中マーケティング

    集中マーケティングは、セグメンテーションの下、単一、もしくは少数のセグメントを選んで、そこだけに集中するというものです。いわゆる「ニッチ企業」と呼ばれる企業はこの方法を採用している場合が多いです。特定のセグメントで優位を獲得しやすく、コストも抑えられるという強みがあります。しかし、ターゲットとするセグメントの規模が小さい場合には、利益を上げるのが困難となります。また、ターゲットとするセグメント自体が縮小・消失してしまうという「特化リスク」があります。

    集中マーケティング

    3) マーケティング・ミックスの構築

    ターゲットを定めたら、マーケティング・ミックスの構築をします。
    マーケティング・ミックスとは、「企業がターゲットに対して影響力を行使するために用いる、統制可能な変数の集合体」のことです。分かりやすく言うと、ターゲットにアプローチするために企業ができること全ての集合のことです。

    マーケティング・ミックスを考える上で有用なフレームワークとして、「4P」が有名です。4Pとは、

  • Product(製品)
  • Place(流通)
  • Promotion(プローモーション)
  • Price(価格)
  • の4つの略で、このフレームワークの上で考えることで、必要な要素を網羅することができます。それぞれの中にどのような項目が存在するかは、以下の表を参考にしてください。

    Product(製品) 製品バラエティ
    品質
    デザイン
    特徴
    ブランド名
    パッケージ
    Place(流通) 流通チャネル
    流通範囲
    立地
    在庫
    輸送
    Promotion(プローモーション) 販売促進
    広告
    販売員活動
    広報活動
    Price(価格) 標準価格
    値引き
    支払い期限

    ※網倉久永, 新宅純二郎『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』をもとに作成

    マーケティングの成功事例

    マーケティングの基本的なやり方について解説してきました。実際に成功事例を知ると、より理解が深まると思われるので、ここで1つご紹介します。

    パナソニックのレッツノートは、ターゲットを法人顧客かつ外回りの営業員に絞って成功した有名な事例です。

    レッツノートシリーズは1996年に松下電器産業(現:パナソニック)により初代が発売され、パソコン販売店や熱心なユーザーの意見を取り入れることで、「れっつらー」と呼ばれる熱心なファンの支持を得ていました。しかし1997年にソニーがVAIOを発売しました。VAIOはきれいな外観を持ち、音楽や映像、インターネット機能に強く、一般消費者からの支持を得ました。それに続いて他社も似た製品を発売し、高品質な製品を競って作る、スペック競争が始まりました。

    ここでパナソニックは法人顧客で外回りの営業担当という新たなセグメントへの集中マーケティングという選択をしました。

    法人顧客で外回りの営業担当という新たなセグメントへの集中マーケティング

    集中マーケティングを行うことで、このセグメントの顧客が本当に必要としていることへの理解も深まり、マーケティング・ミックスの構築に反映することができました。

    【Product】

  • 軽量化
  • 長時間駆動
  • 高い耐久性(圧力・衝撃だけでなく、雨や飲料こぼしに対する防水性、キーボードの耐久性など)
  • 【Place、Promotion】

  • コスト削減のため量販店や通販が注目される中、「PCコンファレンス」「CRM定例会」などを開催し、顧客との関係性を重視
  • このようにセグメントに特化したマーケティング・ミックスを構築して、モバイルPC市場で非常に大きなシェアを獲得しています。

    参考文献
    清水信年(2010)「市場細分化が創造する市場」,日本マーケティング学会『マーケティングジャーナル Vol.29 No.4』
    セグメンテーション|3つの有名事例から5分で活用法を身に付ける

    「アクセス解析」はマーケティングの必須要素のひとつ

    以上、マーケティングについて、定義から方法、具体例まで解説してきました。マーケティングについての理解は深まったでしょうか。

    この記事ではマーケティングという最も大きな概念について説明しました。しかし、マーケティングも細分化していくと、さらにいくつかに分類できるので以下の記事も参考にしてみてください。
    Webマーケティングとは何か? 【定義からお役立ちツールまで】

    また、今やマーケティングとWebは切っても切り離せない関係です。人々は毎日スマホを使い、インターネットから情報を得ています。そのため、顧客との接点の中でWebサイトは非常に大きなウェイトを占めています。

    Webサイトを中心としたマーケティングでも基本は同じです。

  • セグメンテーション
  • ターゲティング(Webコンテンツを使って、どのセグメントにアプローチするのか)
  • マーケティング・ミックスの構築
  • というステップを行っていくことになります。

    これらのマーケティング活動を行う上で、必ず必要になってくるのがアクセス解析です。アクセス解析とはWebサイトを訪れる顧客の様々なデータを解析することです。Googleアナリティクスを用いて行うのが一般的です。

    これが分かれば、そのセグメントにさらに特化したマーケティング・ミックスの構築(サイトデザイン・ネット広告など)が可能になります。
    (※ここでいうセグメンテーションは市場全体のセグメンテーションではなく、既に自社サイトを訪れているユーザー内のセグメンテーションです。)

    さらに、施策の効果検証にもアクセス解析は必須です。Webマーケティング戦略が結果的に上手く行ったのか失敗だったのかは、アクセス解析によって数字で判断する必要があります。

    今の時代にWebマーケティングは必須です。そしてWebマーケティングを行うならアクセス解析が必須です。もし今アクセス解析をやってないなら、すぐに始めましょう。

    とはいえ、アクセス解析とは何をしたらよいかわからない方も多くいるのではないでしょうか。そんな方にお勧めなのが以下のリンク先から読めるe-bookです。

    Googleアナリティクスのデータの分析方法や、サイトの課題や改善方法を初心者でもわかりやすいように詳しく説明しています。施策にる数値、訪問数やCV数の変化が従来よりわかりやすくなり、マーケティングが効率よく行えるようになるでしょう。

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    この記事を書いた人

    株式会社WACUL

    株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。

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