マッチタイプとは?4つの種類とそれぞれの使い方・メリットなどを解説

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こんにちは。広告運用代行サービス「AIアナリストAD」ライターチームです。

企業の広告運用の担当者は、リスティング広告を運用するにあたって、マッチタイプの意味を知るだけでなく、活用の仕方を把握しておくことも大切です。この記事では、企業のリスティング広告運用の担当者に向けて、マッチタイプの概要や広告の掲載との関連性、注意点などについて、くわしく解説します。自社のリスティング広告を運用する際の参考にしてください。

目次

マッチタイプは広告の配信範囲を調整できる

マッチタイプとは、自社の広告を表示させる範囲を設定することです。広告の配信範囲を広くしたり狭めたりするなどの調整が可能です。そのため、ユーザーがどういったキーワードで検索した場合に広告を表示させたいのかを考慮する必要があります。これらの設定は、キーワードを入札するタイミングで行えます。

マッチタイプは4つに分類される

マッチタイプは、4種類に分けることができます。それぞれの特徴を解説します。

1.完全一致

完全一致とは、検索キーワードと設定した語句の一言一句が一致した場合にのみ、広告が表示されることを意味します。表記ゆれも完全一致として広告が表示されますが、広告の表示回数は少なくなります。仮に、「男性用 靴」を設定したケースでは、「男性用 靴」や「靴 男性用」「メンズ 靴」「男性 靴」などが検索された場合に、広告が表示されます。

2.フレーズ一致

フレーズ一致とは、設定したキーワードを含む場合に広告を表示させることを指します。たとえば、「男性用 靴」を例にすると、「男性用 靴 ブランド」や「ブランド 男性用 靴」「ベージュ 男性用 靴」「男性用 靴 ビジネス」などのキーワードが、ユーザーに検索されたときに広告が表示されます。

3.絞り込み部分一致

絞り込み部分一致とは、登録したキーワードを含むことはもちろん、語順の違いや他の語句がキーワードの前後や間に入っている場合に広告が表示される範囲のことです。「男性用 靴」というキーワードで設定した場合、「男性用 ウォーキング 靴」や「男性用 靴 カジュアル」「靴 インソール 男性用 革靴」などのキーワードで検索されたときに、広告が表示されます。

4.部分一致

部分一致とは、設定したキーワードと広告との関連性の高さを見極めるための判断を検索エンジンに委ね、関連性が高いと判断された場合に広告を表示させることができます。設定キーワードが「男性用 靴」であれば、「男性に人気の靴」や「メンズ シューズ」「靴」などのキーワードでユーザーに検索された場合に広告が表示されます。

マッチタイプの記号と有効な機能

ここでは、マッチタイプの設定に必要な記号の記載方法や有効な機能を活用しましょう。

それぞれの記号を使用して設定を行う

タイプごとのルールに従って、キーワードを記号でくくる必要があります。使用する記号は、どのタイプを設定するかによって異なります。マッチタイプの名称と記号は、以下のとおりです。設定する際は、記号を誤って使用しないように注意しましょう。

  • 完全一致は[キーワード]
  • フレーズ一致は”キーワード”
  • 絞り込み部分一致は+キーワード
  • 部分一致は記号が不要

動的検索広告(DSA)機能

「動的検索広告(DSA)」は、人では想定しきれないキーワードを機械がカバーしてくれるというGoogle広告の機能です。一般的に、検索される可能性が高いキーワードを想定したうえで設定を行いますが、必ずしも想定したキーワードが検索されるとは限りません。なかには、想定外のキーワードで検索するユーザーも多いです。

DSA機能なら、想定しきれなかったキーワードで検索された場合でも、広告を掲載できる可能性が広がります。

【種類別】マッチタイプのメリット・デメリット

マッチタイプごとのメリット・デメリットを把握したうえで、効果的に広告を運用できるタイプの設定を行いましょう。

完全一致

完全一致は、4種類のマッチタイプの中でも、キーワードを絞り込んで設定できます。以下でメリットやデメリットを解説します。

メリット

完全一致を設定した場合のメリットは、CV率の向上が見込めることです。広告の品質スコアの改善にもつながるため、広告の評価が高まりやすくなります。また、広告を表示させる範囲が狭いことから、ほかのマッチタイプよりも広告費を安く抑えられるといった二次的効果も得られます。

デメリット

完全一致のデメリットは、設定したキーワードとユーザーによって検索されたキーワードがすべて一致しなければ、広告が一切表示されないことです。わずかな違いであっても、広告が表示されない可能性が高いため、ユーザーの目に触れる機会が減ってしまいます。ただし、設定したキーワードの語順が前後している場合は、広告が表示されます。

フレーズ一致

フレーズ一致を活用した場合のメリットやデメリットについて、以下で解説します。

メリット

二語以上のキーワードを設定した場合、検索ボリュームが大きいビッグワードを使用して、広告が表示される範囲を設定できます。完全一致と比較した場合、広告の掲載範囲はさらに広がり、ユーザーの目に触れる機会が増えます。さらに、意図したとおりに広告を掲載できるため、広告費を予算内で抑えられるほか、ムダな広告費の削減も可能です。

デメリット

フレーズ一致のデメリットは、同じ語句が含まれている場合でも、語順が異なるだけで広告が表示されなくなる点です。また、語順が異なる場合にも広告が表示される特徴をもつ絞り込み部分一致と比較した場合、フレーズ一致のほうが広告の表示範囲が狭くなる可能性が高いです。

絞り込み部分一致

絞り込み部分一致のメリットやデメリットについて、以下でくわしく解説します。

メリット

設定したキーワードが含まれていれば、語順が異なる場合でも広告が表示されるため、ユーザーの目に触れる機会を増やせます。また、部分一致のように、除外すべきキーワードを想定したり設定したりする手間がかかりません。広範囲で広告を表示したいものの、除外キーワードの設定は避けたい、という場合に有効です。

デメリット

絞り込み部分一致は、完全一致やフレーズ一致よりも広告を表示できる範囲が広くなる反面、広告費が高くなる傾向にあります。また、ユーザーの検索意図とは異なる広告が表示される場合もあるため、広告費をかけた分の広告効果を得られない可能性も高まります。

部分一致

部分一致は、検索エンジンによって、設定したキーワードと関連性が高いと判断された場合に限って、広告が掲載される仕組みです。メリットやデメリットを解説します。

メリット

4種類の中で、最も広告がユーザーの目に触れる機会が多いことも、部分一致のメリットの1つです。たとえば、ユーザーが設定キーワードと異なる語句を用いて検索した場合でも、関連性が高ければ広告が掲載されることから、広告を表示できるチャンスを最大限に活かせます。そのため、広告の掲載範囲を広く設定したい場合に有効です。

デメリット

部分一致は、広告の掲載の意図とはかけ離れているキーワードで検索された場合にも、広告が表示されてしまいます。そのため、想定していた広告費の予算をはるかに超えた金額となる恐れがあります。広告の掲載範囲をある程度絞り、広告費をなるべく抑えるためには、除外キーワードを設定しましょう。

マッチタイプと広告との関連性

マッチタイプを効果的に活用するためには、広告の掲載との関連性を考慮しなければなりません。「男性用 靴」を例に、マッチタイプごとの広告掲載との関連性を以下の表にまとめました。

完全一致 フレーズ一致 絞り込み部分一致 部分一致
[男性用 靴] “男性用 靴” +男性用 +靴 男性用 靴
男性用 靴
靴 男性用
男性用 靴 黒 ×
メンズ 靴

※広告掲載あり:○ 広告掲載の可能性が高い:△ 広告掲載なし:× 

ユーザーが「男性用 靴」で検索

「男性用 靴」というキーワードでユーザーが検索した場合、キーワードの語句も語順も完全に一致しているため、どれを設定した場合でも広告が掲載されます。

ユーザーが「靴 男性用」で検索

「靴 男性用」というキーワードでユーザーが検索した場合は、語句は同じですが、語順が異なるためフレーズ一致では広告が表示されない可能性が高いです。

ユーザーが「男性用 靴 黒」で検索

検索したキーワードが「男性用 靴 黒」の場合は、完全一致だけが広告を表示できなくなります。一方、そのほかのタイプでは、設定したキーワードが含まれることから、広告が掲載されます。

ユーザーが「メンズ 靴」で検索

「メンズ 靴」というキーワードでユーザーが検索した場合では、「男性用」というキーワードがないため、部分一致を除くすべてのタイプで、広告が表示されない可能性が高まります。

マッチタイプの設定を行う前に把握しておくべきこと

マッチタイプの設定が適切に行われていれば、意図したとおりに自社の広告を表示させることができます。そのためには、設定のポイントをおさえておきましょう。

たとえば、ビッグキーワードである1語のキーワードを設定したい場合は、ピンポイントで広告を表示できる完全一致がおすすめです。広告を運用するだけでなく、同時進行で複合キーワードを効率よく検索したいという場合は、フレーズ一致を活用しましょう。フレーズ一致は、完全一致では広告掲載できる範囲が狭すぎる、部分一致では範囲が広すぎるというケースにも活用できます。

また、ユーザーが想定外のキーワードで検索した語句を効率よく探したい場合は、部分一致が有効です。

マッチタイプ設定時の注意点

Google広告では2021年2月に、マッチタイプに関する仕様変更が行われました。変更点は、絞り込み部分一致が、フレーズ一致の一部に組み込まれてしまうことです。そのため、これまでのように4種類のタイプを使い分けることができなくなります。

さらに、同年7月にも、絞り込み部分一致のキーワードを新規で登録できなくなることが決まっています。このように、Google広告では定期的に仕様が変更されるため、広告運用の担当者は仕様内容にも注視しておきましょう。

※参考:検索広告を目的のユーザーに表示しやすくするために|Google広告ヘルプ

まとめ

マッチタイプを適切に設定すれば、意図したとおりに広告を表示できます。そのためには、マッチタイプごとの広告との関連性やメリット・デメリットを把握し、運用することが大切です。ただし、広告運用に十分なリソースを用意できないという場合は、効果的なサービスの活用を検討しましょう。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

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