LINE広告の基礎知識|広告の仕組みや注目される背景など詳しく解説

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こんにちは。広告運用代行サービス「AIアナリストAD」ライターチームです。

LINE広告とは、日本最大級のアクティブユーザー数を誇るLINEが提供する広告配信プラットフォームのことです。LINE広告への出稿を検討して、詳細について知りたいと思っているWebマーケティング担当者もいることでしょう。

この記事では、LINE広告の特徴や出稿方法などについて詳しく解説します。配信場所やフォーマットについても紹介しますので、参考にしてください。

目次

LINE広告とは?

LINE広告とは、日本で最も利用されているSNSを運営するLINEが提供する、広告配信のプラットフォームです。LINEが運営する関連サービスに、広告を出稿できます。旧LINE Ads Platformは、LINE広告の前身であり、以下の記事に詳しく解説されています。参考にしてください。

LINEに広告を出稿するメリットとは?出稿方法まで解説|アクセス解析ツール「AIアナリスト」ブログ

LINE広告の特徴

LINEが運営しているため、関連するサービスで多くのユーザーへの広告配信が可能です。また、ユーザーの年齢や性別、地域などの属性で細かくターゲティング出来るため、精度が高く効率的なアプローチが可能です。広告配信量の担保ができるのも特徴といえるでしょう。

LINE広告が注目される背景

LINE広告が注目され、年々売り上げを伸ばしている背景について解説します。

日本の人口の半数以上を占めるアクティブユーザー数

LINEの月間アクティブユーザーは、2020年3月末現在、約8,400万人です。これは、日本の人口64%以上を占めているため、LINE広告は、多くのユーザーの目に触れる可能性があります。
またLINEは、他のSNSに比べると、通信インフラとして使うユーザーが多いため、しっかりと閲覧されることが予想されます。広告への注目度も高いといえるでしょう。

新規顧客層へのアプローチに効果的

LINEはアクティブユーザーが多く、幅広いユーザー層がいます。そのためLINE広告では、今まで開拓できていなかった新規顧客層へのアプローチが見込めます。また、LINE以外のSNSでは、リーチできない層へのアプローチが出来るメリットもあります。

※参考:2021年7-12月期 媒体資料|mediaguide_Official Account

サービス内容が拡充している

LINE広告は、サービス内容が拡充されて、使いやすさが向上されています。アップデートが多いため、次々に新機能が追加されています。また、サービス登録や広告配信開始など全てオンラインで対応でき、短時間で手続きできるようになりました。LINE広告は、今後も使いやすく進化していくことでしょう。

「LINE Dynamic Ads」によるダイナミック広告配信

「LINE Dynamic Ads」では、ダイナミック広告配信を行います。ダイナミック広告とは、ユーザーの閲覧履歴を元に、関連性の高い広告クリエイティブを自動的に作成して配信する広告のことです。ユーザーごとに異なる広告が表示されて、個々のニーズに合う配信が可能になるため、コンバージョン率の向上が期待できます。

LINEアプリ外への広告配信も可能に

LINE広告は、LINE本体アプリ以外にも、配信枠が拡大しました。LINE広告を通じて、LINE関連のLINEファミリーアプリや、3rd Party アプリなどへ配信されます。3rd Partyアプリとは、互換性を持った第三者が作る非公式のアプリのことです。例えば、デリッシュキッチンやウェザーニュースなどのアプリが該当します。

オンラインでより簡単に申し込める

2019年11月から、LINE広告はオンラインで申し込めます。また、申し込み以外にも、アカウントの開設、配信設定や支払い登録までオンラインにて対応できます。以前は、代理店を介して申し込み、広告配信まで数か月かかっていたため、スピーディーな対応が可能になりました。

機械学習を活用した自動最適化配信が可能

LINE広告では、自動最適化配信の機能を取り入れています。予め目標CPAを設定すると、機械学習が目標CPA内で自動調節する仕組みです。自動最適化配信の機能を導入したことで、広告主の負担が軽減され、広告配信の見直しに対するハードルが低くなりました。LINE広告を利用する企業の60%以上が活用しています。

LINE広告の配信場所

ここではLINE広告が配信されている10か所の場所について紹介します。

LINE NEWS

LINENEWSは、主要ニュースから天気まで幅広い情報が配信されるコンテンツで、月間6,800万人以上のアクティブユーザーが利用しています。広告は、トップページやスクロールしていく途中に、記事のように表示されます。ニュース記事と並んでも自然なため、新製品の情報やサービスなどの認知に向いています。

タイムライン

タイムラインとは、テキストや画像などを投稿して、不特定多数の人に配信できるソーシャル機能のことです。広告は、投稿された情報と同様に表示されます。年齢層は幅広く女性ユーザーが多いため、女性向けの情報に向いています。タイムラインでは、ユーザーがLINE公式アカウントでブロックしている企業でも、広告掲示できます。

ウォレット

ウォレットとは、LINE Payへのチャージや支払いなどに使える機能のことです。広告は、ウォレットの各メニューボタンの下に表示されます。金融サービスや保険の申し込みなどのゲートウェイとなっているため、金融関係に関心のあるユーザーに向けた広告がおすすめです。ユーザーの属性は、女性が多く、年齢層は全世代で幅広く利用されています。

LINEマンガ

LINEマンガとは、スマートフォン用の電子コミックサービスです。コミックの案内情報と同様のサイズで、広告が表示されます。男女比率の差はほとんどなく、15~19歳が27%、20~30代が60%のため、若年層に向けた配信に適しています。

LINEポイント

LINEポイントとは、「動画視聴」などの条件を満たすと、ポイントが取得出来るサービスのことです。画面をスクロールすると広告が表示されます。男女比率約3:7で女性ユーザーが多く、40代~50代の利用が53%以上と年齢層が高いため、年齢層の高い人に向けた情報配信に適しています。日本国内で最大級のリーチ力があるといわれています。

LINE BLOG

LINE BLOGとは、2,500組以上の公式ブロガーが情報配信しているコミュニケーションツールのことです。男女比率3:7で女性ユーザーが多く、20~40代を中心とした年齢層が利用しているため、若年層に向けた情報の配信がおすすめです。広告はLINE BLOG内の掲載枠に表示されます。

LINEチラシ

LINEチラシとは、スーパーの情報などをライン上で閲覧できるデジタルチラシサービスです。男女比率は女性ユーザーが75%と多く、40代以上が半数以上です。商品の購入を検討しているユーザーが閲覧している可能性が高いため、購買意欲の高いユーザーへのアプローチが期待できます。

LINEショッピング

LINEショッピングとは、LINEアプリ上でファッションやコスメなど、約250社・1億点以上の商品が買い物できるショッピングサービスです。男女比率は3:7で女性ユーザーが多く、20~30代の女性にリーチしやすい点が特徴です。広告は、ショッピングページの広告枠に表示されます。

Smart Channel

Smart Channelとは、LINEアプリの中で一番使用されているトークリストの最上位に表示される広告のことです。大々的にプロモーションを行う際におすすめです。LINEでトークのみ使用している人にも関心を持ってもらいやすく、タップするだけで自社の希望するページへ遷移されます。

※参考:LINE広告Smart Channel|LINE for Business

LINE広告ネットワーク

LINE広告ネットワークとは、LINE関連以外のMAU約4,600万人にリーチができるモバイルアドネットワークのことです。ライフスタイル系など多くのジャンルのメディアが網羅されているため、大規模で多種多様なユーザーへのリーチが期待できます。

※参考:LINE広告ネットワーク|LINE for Business

LINE広告のクリエイティブ|フォーマットはおもに5種類

広告におけるクリエイティブとは、広告に使う静止画や動画です。クリエイティブは、広告で効果を上げるために重要な要素です。LINE広告には、5種類のクリエイティブがあり、フォーマットごとに特徴があるため、それぞれについて説明します。

Card

Cardは、静止画では画像サイズ1200×628、動画ではアスペクト比16:9と長方形のフォーマットです。Smart Channel以外のタイムライン・LINE NEWなどの静止画・動画に対応します。

Square

Squareは、静止画では画像サイズ1080×1080、動画ではアスペクト比1:1と正方形のフォーマットです。Cardと同様に、Smart Channelを除くほとんどの配信先で対応できます。

Vertical

Verticalは、タイムラインの動画専用で、アスペクト比9:16のフォーマットです。タイムラインでは、上下が切れて2:3の比率で広告が表示されるため、ユーザーに見てほしい文字や映像が上下にある場合には注意しましょう。動画はタップすると、9:16の全画面表示になります。

カルーセル

カルーセルは、タイムラインとダイナミック広告配信のLINE Dynamic Ads、LINE NEWSの一部に対応します。画像は10点まで掲載できて、指で画像をスライドさせて閲覧するフォーマットです。

アイコン+テキスト

アイコン+テキストは、Smart Channelのみに対応するフォーマットです。アイコンには、公式アカウントやLINE@のアイコンが使用され、サイズは114×114です。タイトルは20文字以内、本文は75文字以内に納めましょう。タイトル・本文共に、全角半角問いません。

配信面によるフォーマットの比較一覧

以下は、広告フォーマットの比較一覧表です。

Card Square Vertical カルーセル アイコン+
テキスト
静止画 動画 静止画 動画 動画 データフィードによる入稿 アイコン
1200
×628
16:9 1080
×1080
1:1 9:16 114×114
LINE NEWS ※1 × × × -
タイム
ライン
※2 -
LINE
マンガ
※1 ※1 × × -
LINE BLOG × × -
LINE
ポイント
※1 ※1 × × -
LINEショッピング × × -
Smart Channel × × × × × ×

※1 静止画の一部のみ   ※2 メニュ一の部のみ

LINE広告のターゲティング方法

LINE広告では、ユーザーの属性からターゲットを絞り、広告配信します。ここでは、ターゲティングの手法について解説します。

デモグラフィックターゲティング

デモグラフィックターゲティングとは、ユーザーの性別や年齢、住んでいる地域などの属性情報を利用して、それらに合う広告を配信する手法のことです。デモグラフィックターゲティングにより、ターゲットとしたいユーザーにリーチできるため、効果が期待できます。

オーディエンスターゲティング

LINE広告におけるオーディエンスとは、属性情報や閲覧履歴などさまざまな条件を組み合わせて、対象者に広告を配信する手法のことです。LINE広告では、「メッセージ配信」から設定できます。オーディエンス設定を活用すると、条件に合うユーザーを絞り込めるため、費用対効果が高い広告配信が可能です。

ユーザーIDアップロード

ユーザーIDアップロードとは、オーディエンスを作成するために、顧客リストをもとに作成することです。ファイルは、TXT形式、またはCSV形式です。

クリックリターゲティング

クリックリターゲティングとは、今まで配信した情報に含まれるリンクにアクセスしたユーザーを対象にした、オーディエンスのことです。リンクを開いたユーザーは、関心を持っている可能性があるため、アプローチしやすくなります。

インプレッションリターゲティング

インプレッションリターゲティングとは、オーディエンスの対象を、今まで配信した情報を開封したユーザーに絞ることです。メッセージを開封したユーザーは、内容に触れた可能性があるため、よりユーザーに合うアプローチを行いましょう。

チャットタグオーディエンス

チャットタグオーディエンスとは、チャットにタグ付けしたユーザーを対象にメッセージを配信するオーディエンスのことです。1:1のチャットが配信の対象です。

LINE広告を出稿するには?5ステップで紹介

LINEは日本国内で月間利用者数8,800万人(2021年3月末時点)を擁するコミュニケーションアプリで、LINEユーザーに向けて広告を配信できるサービスがLINE広告です。
LINE広告を出稿するためには、どのような流れになるのでしょうか。ここでは、ステップに分けて紹介します。

【STEP1】LINEビジネスIDの作成

LINEビジネスIDをお持ちでない場合、アカウントを作成します。アカウントの作成は無料です。LINEビジネスIDをすでにお持ちの場合は、こちらの作業は不要ですのでSTEP2へお進みください。LINE広告を利用するためには「メールアドレスで登録」を選択して登録を行ってください。

【STEP2】LINE広告のアカウント作成

LINEビジネスIDで管理画面にログイン後、「広告アカウント」 → 「新しい広告アカウントを作成」をクリックして必要な情報を入力していきます。

途中に「LINE公式アカウントのベーシックID/プレミアムID」を入力する箇所があります。LINE公式アカウントの「@xxx」の部分になります。この情報はLINE Official Account Manager で確認ができます。

※参考:LINE Official Account Manager

アカウント作成は無料ですが、厳しい審査があるため、注意してください。業種や商材によっては、掲載できない場合もあります。化粧品・健康食品などは、特別な審査基準があるため、事前に確認が必要です。
審査に落ちてしまった場合、通知からその理由を確認し、修正して再審査を依頼することができます。

【STEP3】LINEタグの設置

LINEタグを設置すると広告にどれくらい効果があったのか測定ができます。準備されたコードをコピーしてウェブサイトに設置します。
3種類のLINEタグがあります。

  • ベースコード
  • コンバージョンコード
  • カスタムイベントコード

カスタムイベントコードを利用するとウェブページを分類して自由に測定をすることができます。カスタムイベントコードは必ず設置するものではありませんのでここではベースコードとコンバージョンコードの設置方法を解説します。

【ベースコード】

ベースコートはユーザーの動きを測定するためのものです。設置方法は以下のとおりです。

1) 左上の「三」から「トラッキング(LINE Tag)」をクリックします。

2) ベースコードにある「コピー」をクリックします。

3)ウェブサイトに貼り付けます。

【コンバージョンコード】

お問い合わせなど広告配信の動きを測定するためのものです。設置方法は以下のとおりです。

1) 左上の「三」から「トラッキング(LINE Tag)」をクリックします。

2) ベースコードにある「コピー」をクリックします。

3) ウェブサイトに貼り付けます。

【STEP4】配信設計

実際に広告配信を行うための配信設計を行います。

1) 「キャンペーンの作成」をクリックします。

2) キャンペーンの目的を選択します。

3) 基本情報でキャンペーン名、ステータス、掲載期間を設定し、「保存して広告グループ作成へ」をクリックします。

キャンペーンは300個が作成上限数となっており、キャンペーンの目的は一度作成すると変更ができません。

次に広告グループを作成します。

1) 基本情報でキャンペーン名や広告グループ名を必要に応じて編集し、ステータスは「利用可能」か「一時停止」のどちらかを選択します。

2) ターゲット設定では、国、地域、性別、年齢、(ユーザーが使用する)OS、趣味・関心(ファッション、ゲーム、美容、コスメなどの18種類のカテゴリから選択可能)、オーディエンス(作成済みのオーディエンスから配信/除外で選択可能)などのセグメントが可能です。

3) 広告の配信は自動配置が推奨されています。

4) 最適化と入札では、入札方法(手動入札か自動入札)のほか、課金方式や入札価格を、適宜設定します。

5) 予算設定では、日予算を入力して、「保存して広告作成へ」をクリックします。

広告グループは1キャンペーンあたり1,000個が作成上限となっており、1日予算は設定値を超過する場合があります。

最後に広告を作成します。

1) 基本情報では、キャンペーン名や広告グループ名を必要に応じて編集し、ステータスは「利用可能」か「一時停止」のどちらかを選択します。

2) 広告フォーマットでは、広告のフォーマットを選択。CPC(Cost Per Click、広告1クリックあたりの費用)課金の場合は、画像・動画のどちらかを。CPM(Cost Per Mille、広告表示1,000回あたりの費用)の場合は、動画のみ選択可能です。

3) 広告では、プレビューを確認しながら、テキストや画像、遷移先のURLなどを設定し、実際にユーザーが目にする広告作成を行います。設定が終わりましたら「広告を保存」をクリックします。

【STEP5】審査・配信

STEP1から4までの入力と並行して、LINE社にて「広告アカウント」「メディア」「広告」それぞれの審査を行います。10営業日ほどで審査が完了し、その際に「利用可能」と表示されていれば、ステータスを変更することで広告配信が開始されます。

LINE広告の活用事例

LINE広告を活用し、成果を出した2つの企業を紹介します。

クロスターゲティングで利用率1.5倍の広告効果|三井住友カード株式会社

三井住友カードは、近年、多くの業種が参入してきたことで、国際ブランドや信頼性では顧客に選ばれにくくなりました。会員を増やすべく、マーケティング戦略を立案・実践するものの、認知から申し込みにつながらず、苦戦していたため、LINE広告の活用に踏み切りました。

もともと既存の会員にLINE公式アカウントから、情報配信などを行っていたため、そのデータを分析して新規顧客を獲得するために広告配信を行います。LINE広告、LINE公式アカウントなど、データの横断的活用により、LINE広告のターゲティング精度を高める「クロスターゲティング」を実施しました。その結果、利用率は1.5倍となったのです。

クリエイティブの活用で売り上げ拡大|エーザイ株式会社

エーザイでは、血圧対策のサプリメント「ヘルケア」と、美容サプリメントの「美 チョコラ」2種の新規定期購入者を増やすために、LINE広告を活用しました。

LINE広告では、静止画、動画などのフォーマットを用いたクリエイティブと充実した広告配信機能を組み合わせ、繰り返すことでより効果のある広告を見直します。また、広告配信を取得したデータ「類似配信機能」と、年齢・性別などでセグメントできる「LINEデモグラフィックデータ配信機能」を併用します。

「ヘルケア」は、女性ユーザーへの配信を強化できたため、新規定期購入者が前月比で1,200件以上増加した月があり、顧客の獲得率が22倍に拡大しました。「美 チョコラ」は月間の新規定期購入者が2倍以上になりました。

まとめ

LINE広告は、月間アクティブユーザー約8,400万人持つLINEが提供する広告配信のプラットフォームです。広告商材に対する審査は厳しいですが、全てオンライン手続きのため、スムーズな広告配信が出来ます。LINE広告をうまく活用できれば、効果が期待できるでしょう。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

株式会社WACUL

株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。