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【広告用語】「グロス」と「ネット」の意味とは?「マージン」についても解説
Web広告 |
こんにちは。広告運用代行サービス「AIアナリストAD」ライターチームです。
「グロス」や「ネット」という言葉を目にすることはあっても、その内容を詳しく把握できていない人もいるのではないでしょうか。この記事では広告における「グロス」「ネット」について解説します。グロス・ネット・マージンの算出方法や注意点なども説明するので参考にしてください。
目次
- 「グロス」と「ネット」の意味とは
- 「グロス」「ネット」「マージン」の相関性|算出方法で解説
- グロスとネットはどのように使われる?ビジネスとゴルフの例で解説
- マーケティング業界ではネット建ての取引が増加
- 広告におけるグロスとネットの注意点
- まとめ
「グロス」と「ネット」の意味とは
ここでは、グロスとネットの概要とマージンについて解説します。
グロス|広告費の原価と広告代理店の手数料を合算した額
グロスとは、インターネット広告に対して発生するトータルの費用のことです。グロスは、本来は「総量」や「統計」といった意味を持ちますが、そこから派生してインターネット広告では費用の合計という意味で使用されています。また、Webマーケティング業界では「グロス建て」といわれることもあります。
グロスは、後述するネットとマージンの合計です。広告代理店から広告費として請求を受ける場合は、このグロスを意味していると理解しておきましょう。
グロス売上は、販売価格がそのまま企業の売り上げとしてみなされるものです。一方で、ネット売上は、販売利益を売上としてみなします。どちらの売上で考えるのかは、企業によって異なります。
ネット|広告費の原価
ネットとは、広告費として使用した金額、つまり広告費における原価のことです。本来は「純量」や「正味」といった意味を持っていますが、インターネット広告では、広告費の原価という意味合いで使用されています。また、Webマーケティング業界では「ネット建て」といわれることもあります。
広告代理店では、「広告費用」と呼ぶことも少なくありません。広告主としては広告費=グロスで捉えてしまいがちですが、代理店は広告費=ネットで捉えることが多いので、取引の際に出てきた場合は間違えないようにしましょう。
ちなみに、IFRS(国際会計基準)では、売上を取扱う際は、ネットを基準にすることを推奨しています。ネットを基準にすると、売上高は少なくなりますが、利益率が高くなるので、収益が高い、という印象を持たせることができます。
マージン|広告代理店の手数料
マージンとは、広告代理店が受け取る手数料のことです。本来は「利ざや」や「売上総利益」といった意味合いですが、インターネット広告やWebマーケティング業界においては、グロスからネットを取り除いた部分のことを意味しています。
広告代理店から受け取った請求書に目を通すと、「運用代行手数料」や「手数料」といった項目があるはずです。この手数料がマージンということになります。
「グロス」「ネット」「マージン」の相関性|算出方法で解説
グロスとネット、マージンの関係は計算式で示すことができます。グロスは請求金額のことです。そしてネットは実際の広告費用であり、マージンは広告費用に手数料率をかけて算出されるものです。これらを踏まえると以下のような計算式となります。
グロス(請求金額)=ネット(広告費用)+マージン(広告費用 × 手数料率)
グロスとネットはどのように使われる?ビジネスとゴルフの例で解説
ここでは、具体例をもとにグロスとネットの使われ方を解説します。
原価と定価におけるグロスとネット
ビジネスにおいては、原価がネットであり、定価をグロスとして捉えることができます。例えば、ECサイトの運営であれば、商品の価格は定価であるためグロス、商品の原価がネットです。そして、ECサイトの運営者や出品者に対して支払われる手数料が、マージンということです。このマージンは運営者、出品者の利益となります。
ゴルフで使われるグロスとネット
ゴルフにおいても、グロスとネットは使用されます。ゴルフ場を回るときにはカードを受け取り、このカードに各ホールの打数を記入していきます。この打数の合計がグロスです。ゴルフにはハンディキャップをつけることがあり、グロスからハンディキャップを引いたものがネットとなります。そのため、ハンディキャップはマージンと考えることができます。
例えば、18ホールの合計(グロス)が100打で、ハンディキャップ(マージン)が20だった場合、ネットは80となります。
マーケティング業界ではネット建ての取引が増加
従来からあるテレビや雑誌などの広告媒体では、グロス建てが多くなっていますが、マーケティング業界ではネット建ての取引が増加傾向にあります。
ネット建ての場合、媒体社は広告代理店に対するマージンや広告主への請求金額に関与しません。そのため、マージンに関しては、広告会社と広告主の合意によって決めることができます。このようなメリットがあるため、ネット建てによる取引が増加しているものと考えられます。
ただし、広告代理店は金額を高めに設定すると競合の代理店との間に大幅な価格差が生じてしまい、広告主に選ばれなくなる可能性もあるのです。
広告におけるグロスとネットの注意点
ここでは、広告を扱う際のグロスとネットの注意視点について解説します。
広告費の設定時には必ずグロスとネットを確認する
広告費を設定する際には、グロスとネットを確認しておきましょう。代理店と広告費の話をしているときに、広告主はマージンを含むグロスを予算の上限として広告費を考えていたのに、代理店はマージンを除いたネットを予算の上限として捉えていると請求金額に違いが出てきます。
例えば、広告主は100万円(グロス)を広告費として考えているにも関わらず、代理店が100万円(ネット)を広告費として捉え、費用の20%をマージンに設定すると、120万円になります。この20万円の違いは広告主にとっては大きな違いです。
広告費用においては、ネットの金額によってマージンとグロスが変化します。そのため、グロスとネットの認識にズレに伴うトラブルを避けるためにも、必ずグロスとネットは確認しておくようにしましょう。
CPA(Cost Per Action)を考える際にもグロスとネット双方を確認する
CPA(Cost Per Action)とは、1件のコンバージョンを獲得するためにかかったコストのことです。「CPA=広告費用÷コンバージョン」の計算式で求めることができます。このCPAを考える際にもグロスとネットをそれぞれ確認する必要があります。例えば、広告費用がグロス100万、ネット80万、そしてコンバージョンが10件だった場合、CPAは以下のようになります。
グロスで計算した場合:100÷10=10万円
ネットで計算した場合:80÷10=8万円
グロスを広告費用として捉えると、1件のコンバージョン獲得に10万円かかりますが、ネットであれば8万円となります。この場合、ネットの方が安くなるため、代理店を利用せずに広告を運用した方がいいのではないかと考える人もいるかもしれません。
しかし、実際に自社での運用には人件費などの各種コストがかかります。そのため、長期的に広告運用をしていくのであれば、マージンが発生しても代理店を利用した方が得策であると考えられます。
まとめ
広告代理店を利用して広告を運用する際には、グロス、ネット、マージンの意味をおさえておくことが重要です。グロスとネットの認識が違っていると、請求金額に大きな差が生まれる可能性もあるので、今回の内容を踏まえ、取引の際にはグロスとネットを必ず確認するようにしましょう。
広告運用代行サービス「AIアナリストAD」では、低コストで効率的な広告運用をお手伝いしています。これまでに30,000サイトを改善したノウハウで、精緻な入札調整から、最適な予算配分まで一貫して支援し、コンバージョンに繋がる広告配信を実現します。AIアナリストADについては、まず無料の資料請求をお試しください。
この記事の執筆者
株式会社WACUL
株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。