GA4でスクロール率を計測するには?|拡張計測機能やGTMの設定方法、注意点も解説

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こんにちは。「AIアナリスト」ライターチームです。
今回のテーマは「GA4のスクロール率」についてです。

GA4(Google アナリティクス 4)のスクロール率とは、Webページがスクロールされた割合を意味します。スクロール率を把握することで、Webサイトの改善に役立てられます。この記事では、Webサイトの改善ポイントを明確にしたいと思っている人に向けて、GA4でスクロール率を計測する方法や注意点などを解説します。

目次

スクロール率とは

GA4では、「scroll」といったイベント名で、スクロール率を確認できます。スクロール率とは、Webページ全体のうち、スクロールされた割合です。「表示されたWebページを、ユーザーがどこまで見たのか」を表し、Webページ全体を100%として、何%まで見たのかがわかります。

スクロール率と読了率の違い

スクロール率と読了率は、どちらもユーザーが閲覧したWebページに対する満足度を測る指標ですが、意味は異なります。読了率とは、表示されたWebページを最後まで見たユーザーの割合で、どのくらいのユーザーがWebページを最後まで読み終えたのかが分かります。スクロール率は記事のどの部分まで読まれたのか、読了率は記事を読み終えたユーザーの割合を意味します。

GA4でスクロール率を計測する目的とは

GA4でスクロール率を計測すると、Webページのどの部分で離脱したのかがわかります。離脱した箇所を把握することで、Webページの内容や構造、デザインなどの改善にも役立てられます。例えば、WebページのコンテンツAのスクロール率が減少している場合には、コンテンツの内容やデザインなどを見直す必要がある、といった仮説を立てられるでしょう。

GA4でスクロール率を計測するには

GA4でスクロール率を計測する方法は、主に2通りあります。ここでは、2つの方法について解説します。

GA4の拡張計測機能を使う

GA4でスクロール率を計測するには、GA4の拡張計測機能を使う方法が挙げられます。GA4の拡張計測機能を有効にすると、スクロール率を計測できます。従来のGAであるUAでは、GTM(Googleタグマネージャー)の設定が必要でした。GA4の拡張計測機能を用いた詳しい設定方法は後述します。

GTM(Googleタグマネージャー)を使う

GTMを使う方法も、GA4でスクロール率を計測する方法の1つです。GTMでは、25%、50%といった細かくスクロール率を設定できます。そのため、Webページのどの部分まで見たのかがわかります。GTMを用いた詳しい設定方法は後ほど解説します。

GA4の拡張計測機能でスクロール率を設定する方法

GA4の拡張計測機能でスクロール率を設定する方法について、手順に沿って解説します。

1.GA4の管理画面を開く

GA4のホーム画面左下にある「管理」をクリックします。

2.「データストリーム」を開く

続いて、管理画面から「データの収集と修正」にある「データストリーム」をクリックします。

3.ストリームを選ぶ

データストリームを開いたら、データストリームのなかから、スクロール率を計測したいWebサイトを選びましょう。

4.「拡張計測機能」を表示させる

続いて、ウェブストリームの詳細画面の「イベント」にある「拡張計測機能」を表示させます。その後、右側の歯車マークをクリックします。

5.スクロール率の計測を有効にする

歯車マークをクリックしたら、拡張計測機能の「スクロール数」をオンにして、右上にある「保存」をクリックしましょう。

GTM(Googleタグマネージャー)でスクロール率を設定する方法

GTMでスクロール率を設定する方法について、手順に沿って解説します。

1.変数を設定する

GTMの画面左にある「変数」をクリックします。その後、組み込み変数ウインドウ右上にある「設定」を選択します。

「設定」をクリックしたら、組み込み変数の設定タブにある「Scroll Depth Threshold」「Scroll Depth Units」「Scroll Direction」にチェックを入れましょう。

変数の意味

各変数の意味は、以下のとおりです。

変数の名称 意味
Scroll Depth Threshold スクロールする深さのしきい値(判定や条件付けとなる境界の値)で、%の場合は0~100、またはピクセル数となる。
Scroll Depth Units しきい値に使用されている単位。パーセンテージ(%)またはピクセル数となる。
Scroll Direction しきい値に使用されている単位。パーセンテージ(%)またはピクセル数となる。

2.トリガーを設定する

変数の設定が完了したら、GTMの画面左の「トリガー」をクリックし、トリガーのウインドウ右上の「新規」をクリックします。

「トリガーのタイプを選択」から「スクロール距離」を選択します。


その後、トリガーの設定を行います。

トリガーの設定項目

トリガーの設定方法は、以下のとおりです。

  • Webページは縦に読むのが一般的であるため、「縦方向スクロール距離」をチェックする
  • パーセンテージの場合は「割合」を選択する(「10,20,30」などを入力)
  • トリガーを発動させるページを選択する

トリガーの発生場所を一部のページを選択し、条件を入力すれば、特定ページのみのスクロール率計測も可能です。

3.タグを設定する

GTMの画面左にある「タグ」をクリックし、タグのウインドウ右上の「新規」をクリックします。

タグタイプを選択ウインドウの「Googleアナリティクス:GA4 イベント」を選択します。

その後、タグの設定を行います。

タグの設定項目

タグの設定項目は、以下のとおりです。以下のように設定をしましょう。

イベント名:scroll_percent
イベントパラメータ名:percent_scrolled
値:{{Scroll Depth Threshold}}

トリガーを設定すればタグの設定は完了です。
GTMのプレビューモードで計測に問題ないか確認してからタグを公開してください。

GA4でスクロール率を確認する方法

GA4でスクロール率を確認する方法について、手順に沿って解説します。
GA4でスクロール率を表示させるために、GA4でカスタムディメンションを作成します。

GA4のカスタム定義を作成する

GA4のホーム画面左下の「歯車マーク」をクリックし、管理画面の「データの表示」から「カスタム定義」を選択する。

新しいカスタムディメンションとしてディメンション名に「percent_scrolled」、説明を「スクロール率」など分かりやすい説明を入力し、範囲を「イベント」、イベントパラメータとしてプルダウンから「percent_scrolled」を選択し、「保存」をクリックし完了です。

GA4でスクロール率を計測する場合の注意点

GA4でスクロール率を計測する際には、気をつけるべき点があります。ここでは、注意点について解説します。

GA4の拡張計測機能を使う場合

GA4の拡張計測機能では90%までしか計測できないため、注意しましょう。90%未満で離脱すると記録されず、途中離脱の細かいデータはわかりません。ページの途中までの数値を測りたい場合や、細かい数値を測りたい場合は、GTMを使う必要があります。

GTMで計測する場合

GTMでスクロール率を計測する場合は、GA4の拡張計測機能におけるスクロールの計測を無効にしましょう。スクロールの計測を有効にすると、GA4とGTMで重複して計測されてしまい、正しい数値が収集できなくなるため、注意が必要です。

まとめ

GA4のスクロール率とは、Webページがスクロールされた割合のことです。スクロール率の計測には、GA4の拡張計測機能またはGTMを用います。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

株式会社WACUL

株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。