GA4でもcookieの利用は継続|GA4におけるcookieの種類や注意点を解説

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こんにちは。「AIアナリスト」ライターチームです。
今回のテーマは「cookie」についてです。

GA4(Google アナリティクス 4)では、cookieが不要になったと誤解している人もいるかもしれません。しかし、GA4ではファーストパーティcookieを用いたレポート作成が継続されています。この記事では、cookie規制が起こった背景や、GA4で使われるcookieの種類について解説します。GA4におけるcookieについて知りたい人は参考にしてください。

目次

GA4でもcookieは利用可能

GA4でcookieが不要であると誤解された原因や、cookieが計測するデータについて解説します。

GA4の計測にはcookieが利用されている

GA4は、cookieを用いてレポートを作成するため、cookieが不要であるとの情報は誤解です。GA4では、ファーストパーティcookieで、ユニークユーザーやリクエスト率、ユーザーの訪問回数などを計測します。ファーストパーティcookieについては後述します。

GA4でcookieが不要であると誤解された原因

GA4では、cookieによる情報収集に規制が設けられ、従来に比べてユーザー情報の収集が難しくなりました。情報収集の規制を指す「cookieレス」は、広い意味を持ちます。そのなかには、cookie不使用の意味もあるため、GA4はcookieが不要と誤解されたと考えられます。なお、cookieレスは「ポストCookie」や「アフターCookie」と呼ばれることもあります。

cookieとは

cookieの概要や種類、キャッシュレスとの違いについて解説します。

cookieの概要

cookieとは、Webサイトを閲覧したユーザーが、入力したデータや閲覧に利用したブラウザの情報などを収録したファイルです。cookieには、Webサイトへのアクセスや操作をスムーズにしたり、さまざまなサービスを提供したりするなど、幅広い利用用途があります。取得したcookieのデータから、ユーザーの買い物履歴や、関心、話題などを知ることができ、企業マーケティングの解析に役立ちます。

cookieとキャッシュの違い

cookieとキャッシュには、保存するものが異なります。cookieはユーザーのユニークデータを保存します。アクセスしたサイトにより作成されるファイルに閲覧データを保存するため、ユーザーはスムーズなサイトの閲覧が可能です。

キャッシュは一度ユーザーがアクセスしたWebページを保存します。画像やデータの一部を記憶するため、ユーザーが再度サイトを訪れた際に、読み込み時間が短縮できます。

cookieの種類

cookieには、ファーストパーティとサードパーティの2種類があります。それぞれの詳細や、GA4でどのcookieが利用されているかについては、後述します。

cookie規制の背景

cookieが規制された背景にあるのが、EU、日本それぞれの法令です。

EU一般データ保護規則(GDPR)の施行

「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)とは、2018年5月に施行された、EU域内の各国に適用される法令です。個人データ保護や取り扱いについて詳細に定められています。

欧州経済領域(EEA)で取得した個人情報は、EEA以外への移転が、原則禁止されました。日本国内にある企業であっても、EUに子会社や支店、営業所を持つ企業やEUに商品やサービスを提供している企業は対策が必要です。

改正個人情報保護法の施行

日本国内では、2020年4月に改正個人情報保護法が施行されました。個人情報取扱事業者の義務として、新たに、個人情報の不適正な利用の禁止が定められ、cookieの規制につながりました。

改正個人情報保護法の施行によるcookieへの影響とは

改正個人情報保護法の施行により、cookieも影響を受けました。cookieの収集やcookieに保存された情報を提供する場合は、本人の同意が必須です。cookieのすべてが、規制対象ではありません。

cookieのデータを第三者に提供する場合に、ほかの個人情報と紐づけたり、他の情報を追加して個人データとして活用したりするときのみ、規制対象になります。GA4のcookieはファーストパーティに分類されるため、改正個人情報保護法では規制対象外です。

GA4におけるファーストパーティcookie

ファーストパーティcookieの概要や各ブラウザの対応について解説します。

ファーストパーティcookieとは

ファーストパーティcookieは訪問したサイトが発行するため、そのサイト内でのみ機能します。このcookieは、アクセスしたWebサイト内の閲覧履歴やログイン状態の維持のために使用されます。情報を追跡しないため、個人情報保護法の規制対象にはなりません。ファーストパーティcookieとは、ユーザーが訪問したWebサイトのドメインから直接発行されているcookieです。ユーザー行動を追跡できるため、マーケティングにも活用されています。

ファーストパーティcookieを使ったGA4での計測

GA4では、ファーストパーティcookieを利用してさまざまな計測が可能です。gtag.jsのタグを設定すると、ユニークユーザーの区別・ユーザーのセッションの区別ができます。analytics.jsのタグを設定すれば、リクエスト率を抑制したり、ユニークユーザーを区別したりできます。

各ブラウザの対応

主要ブラウザは、ファーストパーティcookieの規制を、以下の通り、定めました。

ブラウザ名 対応
Safari(Apple社) Safari上のJavascriptで生成されたファーストパーティcookieは、24時間で削除
Chrome(Google社) ファーストパーティcookieの規制はなし

サードパーティcookieは規制の流れ

サードパーティcookieは、GA4では規制の対象に変わりました。

サードパーティcookieとは

サードパーティcookieとは、ユーザーが訪れたサイト以外のドメインが発行するcookieです。このcookieは、主にインターネット広告配信などで利用されています。複数のWebサイトや広告を経由した、ユーザーの行動履歴を把握できます。ユーザーが意図しない範囲の行動を、第三者が追跡できる点が、問題視されました。個人情報保護及びプライバシー保護の観点から規制の対象となり、GA4ではサードパーティcookieは利用されていません。

各ブラウザの対応

主要ブラウザでは、サードパーティcookieについて以下のように取り決めています。

ブラウザ名 対応
Safari(Apple社) 2020年3月時点でサードパーティcookieは完全にブロック
Chrome(Google社) 2024年後半までに段階的に、Chromeでサードパーティcookieの利用を廃止する可能性を示唆

GA4でcookieを設定するときの注意点

GA4でcookieを設定する場合、精度や正確性に影響を与える場合があります。

計測の精度が低下する場合がある

GA4では、cookieの保存期間により、計測できないデータがあります。safariでは、1日間しかcookieを保持できません。同じユーザーが別の日に再来訪した場合は、別のユーザーとして計測されるため、新規ユーザーかリピートの来訪であるかが曖昧です。

CV率やCV数を正確に計測できない

GA4では、サードパーティcookieが規制されました。そのため、広告や動画のクリックや課金対象の視聴をせずに離脱したユーザーが、後日、別ルートでアクセスしてCVに至る「ビュースルーコンバージョン」は計測できません。

GA4ではクリックがCVに関連付けられるのは、最大90日まで(初期設定では30日)です。期間を過ぎると新規ユーザーとして計測されてしまうため、検討期間が長い商材は、ユーザーの意識と行動の変化を把握できません。GA4では、CV率やCV数が正確に計測できず、ユーザーの行動分析やサイトの最適化に影響を与える可能性があります。

まとめ

GA4では、ファーストパーティcookieが継続して利用されています。GA4のcookieでは、計測できるデータが制限されたり、ブラウザによっては、cookieの保存期間が限定されていたりします。そのため、計測の精度が低下したり、CV率やCV数を正確に把握できなかったりする点に注意が必要です。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

株式会社WACUL

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