ファネル分析とは?3種類のファネルと効果的な分析方法・注意点を解説

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こんにちは。広告運用代行サービス「AIアナリストAD」ライターチームです。

マーケティングを行ううえで、ファネル分析の意味や具体的な活用方法などの把握は不可欠です。この記事では、企業のマーケティング担当者に向けて、ファネル分析の意味やフェーズの分類、実施した場合のメリットや具体的な活用方法などについて解説します。自社でのマーケティング施策を立てる際の参考にしてください。

目次

ファネル分析とは

ファネルとは、「漏斗(ろうと)」を意味する言葉です。マーケティング用語として活用されており、顧客が購入や契約に至るまでの過程において、どのように意識が変化したのかをわかりやすく図式化したものを意味します。この図式が、逆三角形の形をした「漏斗(ろうと)」の形状に似ていることから、ファネルと名付けられています。

ファネル分析は、この図式を用いたマーケティングの分析方法の1つです。たとえば、CVに至った顧客の購買行動と、CVに至らなかったケースにおける離脱率を分析する際に用いられます。

顧客の購買心理は4つのフェーズに分類できる

ファネル分析は、主に4つのフェーズに分けることができます。一般的に、「認知」という段階を経て、「興味・関心」にフェーズが移り、商品やサービスを「比較・検討」し、「購入」に至るという流れが基本です。購買心理が購入に進むにつれて、顧客の数は減少する傾向にあります。

分析によって顧客の心理状態がどのフェーズにあるのかを把握し、アプローチの仕方を変えることで、効果的なマーケティングを行えます。

リテンション分析との違い

リテンションとは、商品やサービスの購入者に購入や利用を継続してもらうなど、顧客との関係を維持するためのマーケティング活動を表す言葉です。リテンション分析は、商品やサービスにおける顧客の継続率を分析する際に用いられます。一方で、ファネル分析は、離脱率の把握を目的としている分析方法です。

ファネルの種類は3つ

ファネルは、3つに分類されます。以下では、それぞれのファネルの特徴について解説します。

1.パーチェスファネル

パーチェスファネルは、一般的に広く活用されているファネルで、AIDMA(アイドマ)の顧客心理に分類される、「注意」→「関心」→「欲求」→「記憶」→「行動」をベースにして誕生した考え方です。顧客の心理状態が「行動」に近づくにつれて、顧客の人数も絞り込まれていきます。

AIDMA(アイドマ)とは、顧客心理を「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の5つに分類する考え方を意味します。

2.インフルエンスファネル

インフルエンスファネルとは、購入後の顧客の意識変化を図式にしたものです。基本的な流れは、「発信」→「紹介」→「継続」で、顧客の数は底辺となる発信が最も多く、継続に至る過程で人数が減少します。

インフルエンスファネルは、SNSでの発信のほか、レビュー評価、商品やサービスの紹介などによる影響が大きいです。CV後の顧客の行動分析が行えることから、リピーターを獲得するうえで、重要な概念として注目を集めています。

3.ダブルファネル

ダブルファネルとは、上述した2つのファネルを統合したもので、AISAS(アイサス)に対応する分析方法のことを表します。購入率や継続率のほか、認知度の向上などを目的として活用されます。ダブルファネルを活用することで、SNSなどで情報が拡散されることで、商品やサービスの認知度向上・購買行動の促進といった可能性を高めます。

AISAS(アイサス)とは、SNSなどのオンラインでの発信を意識した消費行動の流れを、「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Action(購入)」「Share(共有)」に分類する考え方です。

ファネル分析を実施するメリット

ファネル分析の活用によって、どのフェーズで離脱する顧客が多いのかを把握できるようになります。そのため、フェーズごとに異なるアプローチ方法を提案できるほか、具体的な改善策も検討できます。たとえば、ファネル分析の結果、購入ページの離脱率が高いことがわかれば、入力項目を減らして簡易化するなどの対策も可能です。

また、顧客の購買意欲を促すことができれば、CVの向上にもつながります。このほかに、CVに至る顧客の購買心理の変化を意識したペルソナを設定できることも、メリットの1つです。

ファネル分析の方法と具体例

まずは、どのファネルを活用するのかを明確にし、自社サイトでのユーザーの購買行動を各フェーズに分類します。次に、フェーズごとの離脱率を測定するといった流れで、分析を行います。では、パーチェスファネルによる分析を行う場合の一例を確認しておきましょう。

「webサイトの閲覧(1,000人)」→「メルマガの登録(800人)」→「ホワイトペーパーのダウンロード(400人)」→「セミナーの参加(200人)」→「商談(100人)」→「成約(25人)などのように表すことができます。

このケースからは、セミナーの参加者は200人で、webサイト訪問者の80%が離脱していることがわかります。これにより、、webサイトを見直すなどの対策が可能になります。

ファネル分析には向き不向きがある

ファネル分析を活用する場合は、向き不向きを意識する必要があります。以下では、分析に不向きなケースと向いているケースを紹介します。

分析に不向き:BtoC

ファネル分析は、CVに至るまでの過程が直線的であるといった特徴があります。しかし、インターネットの普及などの要因によって、顧客の購買心理は多様化しているため、必ずしも購入までのプロセスが一方向に進むとは限りません。

たとえば、カーテンの商品ページを検索していたユーザーが、アパレルの広告をクリックして、サイトを離脱し、複数の通販サイトを閲覧し終わってから、再びラグの商品ページに戻って購入するというケースも考えられます。

ただし、分析の対象となる商品やサービスの種類や、顧客の年代などによっても、購買行動に差が出るケースも少なくありません。このように、離脱後に再訪してCVに至るといったケースが含まれるBtoCの分析には、不向きといえます。

分析に向いている:BtoB

上述したとおり、ファネル分析は、購入までのプロセスが一直線である場合に有効です。BtoBでは、社内で十分に検討が重ねられたうえで商品やサービスの購入を決定するため、BtoCのように、興味や関心が別のものに移るというケースはほとんどありません。一直線型の購買行動になるケースが多いため、ファネル分析の目的にかなっているといえます。

また、顧客の購買行動を理解するために用いられる「カスタマージャーニーマップ」と比較した場合、ファネル分析のほうが購買行動の全体像を把握する際に便利です。

ファネル分析を実施する際の注意点

ファネル分析は、BtoBにみられる購買行動が明確かつ、直線的である場合に有効な分析手法です。ただし、自社が提供する商品やサービスが市場のニーズに合致していないなど、改善が見込めないケースでファネル分析を活用しても、CVの向上につなげることはできません。こういったケースでは、まず市場のニーズの把握から取り組む必要があります。

また、ファネル分析を効果的に活用するためには、サイト分析や顧客へのアプローチ状況などの管理を効率よく行えるITツールの導入も検討しましょう。

ファネル分析を効率的に行うためのツール

ファネル分析をより効率的に実施するためには、効率化が可能なITツールがおすすめです。

アクセス解析ツール

アクセス解析ツールは、Webサイトを訪問したユーザーの人数や、Webページごとの閲覧数などの集計に有効です。また、ユーザーの行動を詳細に分析できるほか、行動履歴に隠れた購買心理を推測する際にも便利なツールです。

代表的なアクセス解析ツールとして、Googleアナリティクスが挙げられます。Googleアナリティクスは、アクセス解析の基本機能やレポート作成機能を無料で利用できます。

マーケティングオートメーション(MA)

マーケティング施策を検討する際、データの抽出や入力などの作業が必要です。これらの作業を人が行えば、時間がかかるうえに担当者の負担が増えます。マーケティングオートメーション(MA)ツールは、人に代わってデータの抽出や入力などの作業を自動化できます。迅速かつ、正確なデータ分析が可能なため、顧客行動にあったアプローチ方法の提案も可能です。

まとめ

ファネル分析の活用により、自社サイトにおけるファネルごとの離脱率を分析できるほか、具体的な改善策を検討できます。適切な対策をとることで、CVの向上にもつながります。さらなる効率化を目指すなら、広告運用のプロに相談してみましょう。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

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