マーケティングファネルとは?種類や活用方法までわかりやすく解説

マーケティング基礎 |

こんにちは。広告運用代行サービス「AIアナリストAD」ライターチームです。

マーケティングファネルは、消費者の購買行動を図式化したモデルです。ファネルの概念はマーケティング分析に欠かせないため、基本を理解しておきましょう。この記事では、マーケティングファネルの意味や活用方法を、具体例とともに解説します。ファネルの考え方を理解し、マーケティング活動に役立ててください。

目次

マーケティングファネルとは

マーケティングファネルの意味やプロセスについて解説します。

ファネルの意味

ファネル(funnel)とは、英語で漏斗(ろうと)を意味する言葉です。漏斗はすり鉢状の器具で、口径の大きい容器から小さい容器に、液体などを移す場合に利用されます。

マーケティングにおけるファネルとは、商品を認知した消費者が購入に至るまでの行動を図式化した、逆三角形型のモデルです。消費者の購入決定プロセスを表す「AIDMA(アイドマ)」をベースに作られた概念で、購買行動の全体像を、ひと目で把握できるシンプルさが魅力です。

ファネルのプロセス

ファネルは、【認知】→【興味・関心】→【比較・検討】→【購入】の4つのプロセスから構成されます。

  • 【認知】存在を知る段階
  • 【興味・関心】調べ始める段階
  • 【比較・検討】購入を検討する段階
  • 【購入】購入する段階

【認知】から【購入】に至る過程で、消費者の数は徐々に絞られていきます。実際に【購入】する人は、【認知】した消費者のごく一部です。次第に人数が少なくなる様子が漏斗に似ていることから、ファネルと呼ばれます。

マーケティングファネルの種類

ここでは、代表的なマーケティングファネルについて解説します。

パーチェスファネル

マーケティングファネルの基本モデルです。パーチェス(purchase)とは英語で購入・購買を意味します。最下部に位置する、もっとも狭い【購入】のプロセスを広げることが、パーチェスファネルの目標です。

消費者が必要とする情報やアプローチは、消費者の状況によって変わります。消費者にあわせた適切なアプローチができなければ、購入にはつながりません。消費者をファネルに当てはめて解析すると、離脱ポイントや購入を妨げている原因と対応策などがわかります。パーチェスファネルは、消費者を次の段階へと導く戦略を打ち出すためのツールです。

インフルエンスファネル

購入後に消費者がとる行動を図式化した、三角形のモデルです。インフルエンス(influence)とは、英語で影響力を表します。【継続】→【紹介】→【発信】という3つのプロセスから構成され、最下部の【発信】がもっとも広くなります。

インフルエンスファネルは、インターネットやSNSの普及により、消費者の購買活動に個人の発信力が強く影響するようになったことから考案されました。特にBtoCでは、消費者の【発信】が、爆発的な広告宣伝効果を生む場合があります。企業が消費者に与えたいイメージやアフターフォローについて考えたり、紹介や発信につながる商品を検討したりする際に効果があります。

ダブルファネル

パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組みあわせたモデルです。【認知】→【購入】と、【継続】→【発信】のプロセスを一連の流れと捉えると、各ファネルを個別に使うよりも大きな効果が得られます。

既存顧客の【発信】が、商品やサービスの認知度を上げることで、パーチェスファネルの間口が広がり、新たな潜在顧客が生まれる可能性が高まります。このように顧客が顧客を生む相乗効果が、ダブルファネルの強みです。ダブルファネルの枠組みで消費者の購買行動を解析すれば、認知度や購入率・継続率の向上につながる、新たな戦略がみえてきます。

マーケティングファネルを活用する方法

ここでは、マーケティングファネルを活用する方法を、具体例とともに解説します。

ファネルを活用する際の考え方

ファネルを活用する最大のメリットは、消費者がどの行動段階に位置するのかを、明確にできる点です。行動段階がわかれば適切なアプローチを考案できます。一方、不適切なアプローチを起こすと、消費者の離脱により売上アップが望めないことに加えて、費やしたコストやマンパワーが無駄になる可能性も出てきます。

たとえば、車にまったく興味のない人に、車の広告をみせても効果は期待できません。購入を検討していない人に強く購入を勧めると、逆効果になるおそれもあります。ファネル分析を賢く活用して、消費者に対するベストな戦略を立てましょう。

ファネル活用の具体例

あるECサイトで消費者の行動段階を分析したところ、以下のようになったとします。

  • 商品一覧をみた人:100人
  • 商品の詳細をみた人:70人
  • 商品をカートに入れた人:30人
  • 購入した人:10人

各行動段階で離脱した人に対して、どのようなアプローチが必要であったかを考えてみましょう。下記で具体例を示します。

  • 商品の詳細をみたが、カートに入れなかった40人へのアプローチ:魅力的な商品説明など
  • カートに入れたが、購入しなかった20人へのアプローチ:わかりやすい購入ボタンの設置など

商品一覧をみる人数を増やしたい場合は、宣伝広告の見直しも検討しましょう。行動段階にあわせた適切なアプローチにより離脱率が減り、最終的には売上アップにつながります。

BtoCにおけるマーケティングファネル

消費者の価値観や購買行動の多様化が進むなか、ファネルに当てはめにくい事例が増えています。従来は企業が提供する広告によって、消費者が商品やサービスを【認知】するという「一方通行のマーケティング」が主流でした。

消費者の最大公約数をモデル化したファネルも有効でしたが、消費者の発信力が強くなった影響で、購買行動は複雑化しています。特に消費者の影響力が大きいBtoCでは、画一的なファネルによるマーケティング分析は、非常に難しくなっています。

BtoBにおけるマーケティングファネル

BtoCに比べると、BtoBマーケティングの購買プロセスはシンプルです。プロセスに関与する人数こそ多いものの、個人の判断で購入先を変えたり、プロセスを自由にさかのぼったりするケースはほとんどありません。

決まったプロセスをたどり、かつ私的な感情や価値観が入りにくいBtoBには、マーケティングファネルが有効です。マーケティング分析の初心者が、購買行動の基礎や全体像を理解するうえでもファネルは役立ちます。

マーケティングファネルが重要な理由

購買行動がファネルのプロセスに当てはまらない場合も、ファネルは無視できません。ファネル分析を活用すれば、消費者が今どの行動段階にあるのかを把握できるためです。ファネルを無視すると、行動段階がつかめず、適切なアプローチができません。誤ったアプローチを選んだために離脱率が上がっても、原因や改善策がつかめないおそれも出てきます。

消費者のペルソナが具体化されて、広告宣伝の対象が絞りやすくなる点も、ファネル分析のメリットです。コストやマンパワーの無駄を減らすためにも、「BtoBかBtoCか」にかかわらず、ファネル分析を賢く活用しましょう。

まとめ

マーケティングファネルは、購買行動を分析するためのツールです。プロセスに当てはまらない場合でも、消費者がどの行動段階にいるのかを意識する習慣をつけましょう。

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