ネイティブアドとは?6つの分類を実例つきで解説|活用のポイントも紹介

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こんにちは。広告運用代行サービス「AIアナリストAD」ライターチームです。

ネイティブアドとは、メディアコンテンツ内に溶け込んで表示される広告です。Webサイトの閲覧時に目立つ広告を好まない人も多いため、ネイティブアドを活用して、より自然にユーザーを誘導します。この記事は、強い印象の広告が気になるWebマーケティング担当者に向けて、ネイティブアドについて解説します。メリット・デメリット、活用のポイントも紹介するので参考にしてください。

目次

ネイティブアドとは

ネイティブアド(ネイティブ広告)とは、メディアコンテンツと広告を一体化させることです。Webサイトの編集記事や、SNSの投稿の間に掲載されますが、表示の状態が自然で、違和感が少ないことが特徴です。メディアコンテンツと、広告のデザインや内容を自然になじませているため、ユーザーに違和感やストレスを与えずに情報を届けられます。

従来の広告との違い

従来の広告との違いは、ネイティブアドがメディアコンテンツと融合していることです。従来の広告は、メディアコンテンツから切り離されたデザインやテキスト、動画が表示されて、「いかにも広告」という印象でした。そのため、従来の広告は、ユーザーに嫌悪感やストレスを与える場合もありました。

ステマとの違い

宣伝であることを隠すステマ(ステルスマーケティング)に対して、ネイティブアドは広告と明示しています。ステマとは、依頼主から広告費が支払われているにも関わらず、中立的な立場であると偽り、商品やサービスの投稿や口コミをアップする手法です。自然な広告という点は似ていますが、ステマは違法な広告になるため、注意が必要です。

広告の表記ルール

ネイティブアドは、広告であることがわかるように、明確にPR表記をする必要があります。掲載するメディアによって、広告の表記ルールは異なりますが、「広告」「AD」「PR」「プロモーション」などのクレジット表記を付加します。ステマと混合されると、広告や企業の印象が悪くなる可能性もあるため、表記ルールに従いましょう。

ネイティブアドの種類

ネイティブアドの種類は、広告配信の型によって6種類に分類されます。アメリカのネット広告業界団体のIAB(Internet Architecture Board:インターネットアーキテクチャー委員会)の分類が基準です。ここでは種類ごとの特徴、メリット、デメリットを解説します。

1.インフィード型

インフィード広告とは、コンテンツとコンテンツの間に配置される広告です。タイムライン(feed)の中に(in)表示されることからインフィード広告と呼ばれています。通常の投稿と同じように配置されているものの、よくみると「PR」や「広告」と明記されています。

特徴

LINEやTwitter、FacebookなどのSNSや、ニュースアプリのタイムラインなどに表示される広告であるため、ユーザーの目にとまりやすくなります。テキストと画像で構成され、ほとんどがクリック課金式です。

メリット

インフィード広告のメリットは、ユーザーの目にとまりやすいことです。コンテンツに自然になじみ、広告感があまりないため、バナー広告と比べるとクリック率も高くなります。インフィード広告から記事広告を挟み、LP(ランディングページ)に遷移すると、ユーザーを自然に誘導できることもメリットです。LPの精読率や成果となる、コンバージョン(CV)率も高い傾向にあります。

デメリット

リンク先のコンテンツやLPの内容によっては、ユーザーの離脱につながるというデメリットがあります。通常のコンテンツと思ってクリックした場合、広告とわかった瞬間に、嫌悪感や不信感を抱くユーザーも少なくありません。誇大表現を審査でNGとする媒体も増えていますが、誇大表現を多用した場合、クレームにつながる可能性もあります。

インフィード型の種類

インフィード型の種類は、SNS投稿型、記事広告型、メディアコンテンツ型の3つです。

SNS投稿型

(画像:ネイティブ広告とは?消費行動モデルに基づいて活用方法を徹底解説|マーケティングブログ

SNS投稿型とは、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSに、投稿と同じ表示形式で配信されるインフィード広告です。通常コンテンツのように出稿しますが、リンクはサイト外のページに遷移します。年齢や性別などアプローチしたい層にダイレクトに配信できることがメリットです。

記事広告型

(画像:ネイティブ広告(ネイティブアド)とは?メリットや種類を徹底解説|DM SOLUTIONS

記事広告型とは、All AboutやBuzzFeedなどのコンテンツ内に表示される広告です。まるでほかの記事と同じように広告が表示されるため、コンテンツ内の読み物として、商品やサービスの宣伝が可能です。ただしPR表記が入るため、コンテンツと広告は明確に区別されます。

メディアコンテンツ型

(画像:これさえ読めばすべて分かる!ネイティブ広告の全種類と活用法|ウェブ部

メディアコンテンツ型とは、公式WebサイトやSNSなどに掲載する広告です。外部サイトにリンクするものではなく、Webサイトのコンテンツ内での完結を目的としています。自社製品やブランドの周知や理解などの目的で配信され、各メディアのビジュアルフォーマットにあわせて作られます。

2.ペイドサーチ型

(画像:5分でわかる「ネイティブ広告」種類・条件・活用サービス10選を徹底解説|BOXIL

ペイドサーチ型とは、いわゆるリスティング広告で、検索連動型とも呼ばれます。ユーザーが検索した、特定のキーワードの検索結果画面に表示されます。検索結果のように自然に表示されることから、ネイティブアドに分類されます。代表的な媒体は、GoogleやYahoo!などです。

特徴

ペイドサーチ型は「広告」と小さく明記されますが、検索結果と同様のフォーマットで自動的に表示されることが特徴です。自然検索よりも上位表示されるため、ユーザーの目にとまりやすくなります。検索結果と同じように、テキストをクリックするとリンクのページに遷移します。

メリット

キーワードを指定して広告配信するため、興味や関心を持つユーザーにピンポイントのアプローチが可能です。ユーザーがクリックしたときのみ広告費が発生する仕組みで、費用を抑えて広告配信したい場合に最適です。単価や広告費の予算も設定できます。クリック数やコンバージョン数などのデータ分析もできるため、費用対効果を把握しやすいこともメリットです。

デメリット

デメリットは、検索回数が多い人気のキーワードはクリック単価が上昇していることです。掲載順位は入札制で決まるため、特定のキーワードは多額の広告費がかかる場合があります。また競合他社やユーザーの行動分析、LP制作、広告文の見直しなど運用に手間がかかります。興味関心があるユーザーへのアプローチには向いていますが、潜在顧客への認知度アップには向いていません。

3.レコメンドウィジェット型

(画像:5分でわかる「ネイティブ広告」種類・条件・活用サービス10選を徹底解説|BOXIL

レコメンドウィジェット型とは、レコメンド欄の設定があるWebサイトに表示する広告です。特定のメディアWebサイトはなく、レコメンド配信サービスを利用します。コンテンツレコメンドとも呼ばれ、Yahoo!ニュース、キュレーションサイトなどの下部に表示される「おすすめ記事」などが当てはまります。

特徴

レコメンドウィジェット型は、「おすすめ記事」「この記事を読んだ人へ」という形で、記事の下部に設置されるのが一般的です。導線としては目につきにくい位置にありますが、高い関心を持ったユーザーにクリックされやすくなります。ユーザーの興味関心にあわせて、異なる内容が配信されます。

メリット

広告色が薄く、通常コンテンツのように表示されるため、クリック率やコンバージョン率が高いことがメリットです。競合がまだ少ないことも重なり、短期間で効果を得られやすい特徴もあります。クリックしたリンク先が記事のような形式になるため、ユーザーに受け入れられやすくなります。

デメリット

競合が少なく、運用に関するノウハウが乏しいというデメリットがあります。自社でトライアンドエラーを繰り返しながら、成功事例を蓄積しなければなりません。最低出稿料が高い、媒体にあわせたLPやアイキャッチ画像を用意する必要があるなど、運用コストが高いことも、デメリットにあげられます。

4.プロモートリスティング型

(画像:5分でわかる「ネイティブ広告」種類・条件・活用サービス10選を徹底解説|BOXIL

プロモートリスティング型とは、ペイドサーチ型(検索連動型)のように、Webサイト内でユーザーが検索した内容に応じて、スポンサー枠として優先的に表示される広告です。Amazonや楽天、食べログ、ぐるなびなどのECサイトやWebサイトで活用されています。

特徴

プロモートリスティング型も、ほかの商品やサービスと同様の形式で表示されます。ユーザーが検索したいキーワードの検索結果として掲載されるため、Webサイトに関連する商品やサービス、店舗のみを表示しなければなりません。リンク先もユーザーのニーズに応えられるページであることが求められます。

メリット

メリットは、検索ワードにあわせて広告配信できることです。検索するユーザーは「店舗を利用したい」「商品を購入したい」などの目的や意思を持って検索することが多いため、キーワードの選定に成功すれば、コンバージョンに至る可能性も高まります。掲載中のWebサイトと同じ形式で表示されるため、広告として主張しすぎず、ユーザーに違和感を与えづらいでしょう。

デメリット

検索結果がユーザーのニーズから外れていた場合、すぐにユーザーが離脱しやすいというデメリットがあります。Webサイトの信頼度を活用できる一方で、ユーザーの信用を失わないためにメディアの出稿規定が厳しい側面があります。自社の商品や店舗を目立たせたくても、ほかの記事や写真となじむデザインや写真、表現を使わなければなりません。

5.ネイティブ要素を持つインアド型

(画像:5分でわかる「ネイティブ広告」種類・条件・活用サービス10選を徹底解説|BOXIL

ネイティブ要素を持つインアド型とは、メディアコンテンツと関連のある内容のバナー広告です。通常のバナー広告と比較して、関連性のある広告が表示されるため、ユーザーの満足度も上がります。Google Adsenseをイメージするとわかりやすいでしょう。

特徴

掲載される場所は、Webサイトのメディアコンテンツ内ではなく、切り離された特定の枠です。掲載されるWebサイトと同じデザインの広告も可能ですが、まったく異なるデザインで掲載できることも特徴的です。たとえば、東京観光の記事に東京の飲食店が広告を出稿すると、メディアコンテンツとの親和性が高いため、広告効果が期待できます。

メリット

自社のターゲット層に近いメディアに掲載することで、ターゲット層にアプローチできる確率が高まります。広告枠を一定期間買い取るため、露出度が高く、多くの人が目にして認知度向上にもつながります。人気メディアに掲載すれば、金銭的に余裕がある会社という印象を与えられ、会社の信用度も高まります。

デメリット

表示回数が多い一方で、購入や契約などの成果となるコンバージョン率が低いというデメリットがあります。メディアにあわせたバナーの作成には、時間と費用、労力がかかるため、すぐに対応しづらいこともデメリットといえるでしょう。早急に広告掲載したい場合や、分析結果を踏まえてバナーを変更したい場合には注意が必要です。一定期間表示されるため、ターゲットではない人やニーズのない人にも表示される可能性があります。

6.カスタム型

カスタム型とは、先述の5種類に該当しないネイティブアドです。たとえば、LINEの企業公式スタンプ、LINEニュースなどが該当します。媒体ごとに独自のターゲティングが可能で、強い個性があります。

特徴

カスタム型は、企業のブランディングなどに活用するケースが多いという特徴があります。すぐに成果を求めるのではなく、ファンを獲得したい場合に最適です。

メリットは、形式や機能も媒体の特性にあわせた広告掲載ができるため、よりオリジナリティが出せることです。カスタム型が広告と気づかないユーザーも多く、高いクリック率も得られます。デメリットは、ノウハウが乏しく、確立していないことです。カスタム型で成功するためには、自社でノウハウを蓄積しなければなりません。

ネイティブアドの6つの条件

ネイティブアドはIABにより、種類のほかに条件も定められています。形式、機能、統合、バイイングとターゲティング、計測指標、広告の明示性の6つです。これら6つの条件に該当しなければ、ネイティブアドとはいえません。

形式(FORM)

形式(FORM)とは、広告掲載面のデザインにおける条件です。ネイティブアドは、メディア本体と同じデザインや雰囲気に揃える必要があります。Webサイト上で明らかに目立ったり、独立した色味に仕上げたりといった逸脱したデザインは、形式に該当しないため注意しましょう。

機能(FUNCTION)

機能(FUNCTION)は、広告掲載面の機能における条件です。ネイティブアドの掲載ページにおいても、そのメディアコンテンツと同様の機能が適用されるかどうかが問われます。ほかのページと同様の動作により、コンテンツ体験をユーザーに提供する必要があります。

統合(INTEGRATION)

統合(INTEGRATION)は、広告の表示方法における条件です。ネイティブアドは、リンク押下時やボタンをクリックした場合も、周りのメディアコンテンツと同様の挙動になります。ネイティブアドのみ、色や動きが変わる場合は、条件から外れます。

バイイングとターゲティング(BUYING&TARGETING)

バイイングとターゲティング(BUYING&TARGETING)とは、広告の配信方法における条件です。ネイティブアドは、ターゲットの絞り込みができないメディアの全ページではなく、特定のページやセクションを指定して表示します。興味や関心のある人への広告表示が可能です。

計測指標(MEASUREMENT)

計測指標(MESUREMENT)は、広告の効果測定における条件です。ネイティブアドの計測指標は、シェア数や広告閲覧時間、表示回数のインプレッション数などのエンゲージメントで計測されます。一般的なレスポンス広告で使われるクリック数や、コンバージョンは指標となりません。

広告の明示性(DISCLOSURE)

広告の明示性(DISCLOSURE)とは、広告のPR表記における条件を指します。広告と明示し、ユーザーが一目で広告であると、わかることが求められます。ネイティブアドは、形式も機能もメディアコンテンツと同じものが使われますが、広告の明示性によって明確に線引きされます。

ネイティブアドのメリット

ネイティブアドには、ユーザーへのストレスが少ないことなど、4つのメリットがあります。

ユーザーへのストレスが少ない

広告として主張しすぎないため、ユーザーへのストレスが少ないことが最大のメリットです。ネイティブアドは、メディアコンテンツに自然に溶け込んでいるため、バナー広告のような強制的な印象や、違和感を与えません。不信感を抱かせずに、ユーザーを自然に誘導できます。

潜在層へのアプローチが可能

ネイティブアドは、自社の商品やサービスを知らない潜在層へのアプローチができます。たとえば健康志向の人がよくみるメディアに「ダイエット食品」の広告を掲載したり、料理好きの人がよくみるメディアに「新ブランドの食器」の広告を掲載したりするなど、ターゲット層に向けて情報提供ができます。面白い記事や情報として捉えられると、SNSでの拡散も期待できます。

クリック率が高い

サイトに溶け込む形でユーザーの目に入るため、ネイティブアドはクリック率が高くなりやすいこともメリットです。ユーザーの関心の高いWebサイトに表示することで、興味を持ってもらいやすく、自然にクリックに導けます。インターネット広告ではクリック率が課題になりやすいため、高いクリック率を期待したい企業にも最適です。

スマホに適している

ネイティブアドは、スマホやタブレット型端末に適しています。パソコンよりも画面が小さいぶん、表示面積が少なく、広告表記が表示されない場合もあります。ニュースや通常記事のあとに表示される場合も多いため、ユーザーが広告と認識しづらく、より自然に誘導できます。

ネイティブアドのデメリット

一方、ネイティブアドのデメリットは3つです。ここではデメリットについて解説します。

コンテンツ作成の負担が大きい

ネイティブアドは、ユーザーの関心や共感が得られる内容を作成するため、コンテンツ作成の負担が大きくなります。価値のある記事を作らないとユーザーが離脱してしまうため、バナー広告などに比べてコンテンツ作成に労力やコストがかかります。掲載するWebサイトの整合性も重要で、各媒体にあわせてデザインや記事の内容も変更します。

ユーザーに反感を持たれる場合がある

広告と思わずにクリックしたユーザーに、反感を持たれる場合もあります。広告とわかった途端に「騙された」と不信感や嫌悪感を抱いたり、ステマと勘違いしたりする人も少なくありません。誘導先のコンテンツの内容が不十分で、整合性が低い場合、ユーザーはWebサイトから離脱しやすくなることにも注意が必要です。

効果が出るまでに時間がかかる

ネイティブアドは、潜在層もターゲットにするため、効果が出るまでに時間がかかります。ダイレクトな宣伝を行う広告ではないため、すぐに商品購入やサービスの申し込みにはつながりません。ネイティブアドで、すぐに成果を求める場合は、興味のあるキーワードを検索する人に向けて表示する、ペイドサーチ型の広告がおすすめです。

ネイティブアドを活用する際のポイント

ネイティブアドを活用する際は、質の高いコンテンツ作りと、ユーザー目線の内容にすることがポイントです。

質の高いコンテンツを作る

ネイティブアドにおいては、質の高いコンテンツ作りが重要です。メディアの方向性や特色にあわせて、ユーザーの興味や関心を引く内容を意識しましょう。表示される画像やタイトル、その先にある記事の内容をあわせることで、ユーザーが違和感なく読み進められます。良質なコンテンツはSNSで拡散されやすく、さらに大きな広告効果が期待できます。

ユーザー目線の内容にする

ユーザーが喜ぶ内容を意識して、コンテンツ作成することも大切です。商品やサービスの訴求は、販売者の目線となるため、成果であるコンバージョンにはつながりにくくなります。ネイティブアドでは、ユーザーが商品購入やサービスの契約を検討するための、判断材料となる情報提供が重要です。

まとめ

ネイティブアドは、コンテンツメディアに自然になじむ広告です。広告と感じさせずにユーザーを誘導できて、潜在層へのアプローチも可能です。ユーザー目線の良質なコンテンツ作りを行って、広告効果を高めましょう。

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この記事の執筆者

株式会社WACUL

株式会社WACUL

株式会社WACUL(ワカル)は、「Webサイト分析をシンプルに」というビジョンのもと、簡単にWebサイト改善の方針を手にすることができる世の中を実現します。