プロマーケターによる伴走支援でマーケ未経験者を戦力化、CPA半減でCVは5倍と売上拡大を実現
部長 脇本 将教様
係長 西野由希奈様
数々のSaaS系サービスや決済サービス、その他にもさまざまなソリューションを提供している株式会社電算システム様は、10年ほど前から企画マーケティング部を創設し、デジタルマーケティングを開始しました。ただチームメンバーのほとんどがマーケティング未経験者で、自社努力で成果は一定出たものの、果たしてそれで正解なのかがわからないという状況でした。
そこで2022年3月からMarketerAgent(マーケターエージェント)を通じてプロのマーケターと契約。それ以降、2年以上にわたりマーケティング全般のプロジェクトを遂行。外部ベンダーへの外注をやめ、内製化をしていくことで、Facebook広告のコンバージョンは5倍に、その他SEOやメルマガなどでも一定の成果を上げることに成功しました。
今回は、プロジェクトの施策や結果について、そしてMarketerAgentというサービスについて、デジタルイノベーション事業本部 ICT事業企画室 企画マーケティング部 部長 脇本将教さんと、同 係長の西野由希奈さんにお話を伺いました。
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Marketer Agent 導入事例
株式会社電算システム 様
導入前の課題
- 手さぐりでSEOや広告、メルマガを行っているが社内にマーケターがおらず、方向性や優先度づけうまく行っているのか不明。
- 複数の代理店・ベンダーに外注しているが施策の評価ができているか不安。
- プロダクトごとのマーケ戦略に関して漠然としている。
導入後の変化
- プロダクトごとにデータ分析・ダッシュボード構築で定量的なKPIモニタリング体制を確立。
- SEO・広告・メルマガなど施策ごとにPDCAを回しKPI進捗を管理。
- 広告・SEOなど外部ベンダーから自社運営に切り替え社内マーケターとして自走体制を確立。
担当マーケター紹介
太田 翔葵さん20代/男性/東京在住
稼働費用
50万円 / 月~ 150万円 / 月(フェーズに合わせて業務内容・稼動量を変更)
実績・経歴
株式会社シャコウCEO(WACUL研究パートナー/エキサイト(FanGrowth)・AdAI顧問)。大学中退後、メディア企業のディレクターとして500万PVメディアを立ち上げ、BtoBtoC事業の事業責任者を歴任。2022年よりBtoBマーケティング・セールス支援を行う株式会社シャコウを設立し、代表取締役に就任。1年で月間1000リード/100商談を積み上げてきたメソッドをもとにBtoB事業グロースを行う。
スキル
PMAD上流SEO上流サイト改善SNS上流データ分析デジマ全体AD(運用)SEO(運用)制作ディレクションSNS(運用)データ分析(運用)
デジタルマーケティングの正解がわからなかった
MarketerAgentに依頼するきっかけとなった課題とはなんだったのでしょうか。
脇本正直なところ、何をお願いしていいのかわからないというところがありました。私は2022年1月から企画マーケティング部を担当することになったんですが、元々エンジニア出身で、そのほかには組織の品質管理ということくらいしか経験がなく、マーケティングに関してはまったくの門外漢でした。
私が外部から企画マーケティング部を見ていたときは、うまく回っているなという印象でした。しかし、マーケティングのメンバーや前任の部長、同時期にマネージャーに昇格した者に話を聞いてみると、実は試行錯誤しながらやっているということでした。
なんとなく形にはなってきているという手応えは感じつつも、ほんとうにこれが正解なのか、果たしてこのままやっていって大丈夫なのかというところに確信が持てないという話も出ていました。その一方でチームのメンバーは、ネットで情報を得たり外部のセミナーに参加して知識を得たりして、ある程度施策を回すことができていましたが、見直せる部分があれば見直したいという課題感がありました。
そこで、自分たちがやっていることが正しいという確信が得たい、これからの進むべき道の確認をしたいと思い、WACULさんに相談したというのが、最初のスタートでした。
今の状態をもっとよくしていきたいという感じだったのですね。
脇本そうですね。自信を持って活動できるようになりたいという思いがありました。
なぜWACULに相談するという流れになったのでしょうか。
脇本前任の部長が、WACUL代表の垣内さんの書籍を読み、興味を持ったので話を聞いてみたらと勧められたので、ご連絡したという感じです。
他にもマーケティング系の見識がありそうな会社に相談をしたのですが、コンサルの方やツール系の導入というのは、あくまでも手段だと感じていました。我々が望んでいたのは、今の状況を壁打ち的に相談させていただきたいというものだったので、WACULにお願いいたしました。
結果としてMarketerAgentをご利用いただくことになりましたが、決め手となったのはどの辺りでしょうか。
脇本MarketerAgentを選んだというより、マーケターのプロである太田さんを選んだという側面が強いと思います。お若いのですが決して物怖じせず、ズバズバ言っていただけるところがありますし、うちのメンバーと比較的年齢が近いということもあり、忌憚のない意見交換を含めた円滑なコミュニケーションができるのではないかという期待がありました。
市場の潜在ニーズを掘り起こすための施策を開始
電算システムさんとのお仕事が始まったとき、太田さんは何から手を付けたのでしょうか。
太田何が一番の問題なのかを知るために、データ周りのチェックから始めました。最初はHubSpotをずっと追っていましたね。ただ、HubSpot上ではコンバージョンの数字は見えますが、それがどこから来ているのか、途中のマイルストーンがあまり見えない状態になっていたので、どこから手を付けていいのかあまり見えませんでした。そこでGoogeアナリティクス(GA)をベースに、ダッシュボード化していきました。いわゆる“データの見える化”ですね。
電算システム様のソリューションとして Google Cloud と Google Workspace があるのですが、両者ともマーケティングの性質で言えば販売代理店の商材になり、プロダクトでの差別化ができません。そのようなタイプのプロダクトは、デジタルマーケティングの上手下手がCPAにダイレクトに出るので、そのなかでどのような企画で行くのかというところを考えました。
Google Cloud や Google Workspace は、第三者訴求という面では、リスティングなしにGoogleの検索上位に出てきます。Google 本体の検索結果が出るので。となると、検索上位は取れないということになります。そのため、潜在層のニーズを掘り起こす必要があります。そのための施策としてFacebook広告を行ってみたりといったことをしました。
脇本元々広告もやっていたのですが、雰囲気でやっていたところがありますね。極端に言えば、無駄なお金を使っていたという感じがあります。広告代理店に丸投げしていたんです。代理店の担当者に提案されたことを、それでお願いしますというやり取りをずっとやっていました。
目的があって広告を出していたというよりは、デジタルマーケティングをやるなら広告は必ず出すよねという感じだったんです。
太田広告とSEOに関しては、最初は外部ベンダーが入っていましたが、そこは自社運用に切り替えました。割と早い段階で切り替えましたね。
脇本外部の方にお願いしても意味がないから、自分たちでやってみましょうという感じで。我々としても同じ過ちは犯したくないという気持ちがありましたから、まずは自分たちである程度理解したかったので、勉強させていただきました。
広告を内製化することで5倍のコンバージョンを実現
そのような経緯で、太田さんが来てから外部の会社をやめたりして、自分たちでマーケティング周りをやるようになって、どのくらいの成果があったのでしょうか。
西野太田さんと2022年3月から仕事をさせていただいて、2022年度と2023年度を比較した場合、Facebook広告はCPA50%削減で、コンバージョン数は5倍になっています。太田さんのおかげでかなり成長しました。
太田広告代理店から上がってくるレポートの内容があまりよくなかったんですよね。管理画面も開放できないと言われブラックボックス化されていたので、Google広告から取れる項目を全部提出してもらって、こちらで精査しました。予算的に、代理店のほうもそれほど旨味を感じていなかったようで、あまり頼む意味がないかなと思い、内製化しました。やったことがなくても、教えていけばできるなという手応えはあったので。
今は、西野さんともう一人の方でFacebook広告はお任せしています。Facebook広告のほか、Google広告、そしてMicrosoft広告も始めたのですが、それぞれの広告の入札戦略からキャンペーンまで、全部やっていただいています。
SEOも内製化し月間セッション160%増
太田SEOに関しても、別会社にお願いしていたのですがレポートの内容が万全ではありませんでした。サーチコンソールやデータからのトラフィックの数字は上がってくるんですが、どのキーワードを狙ってどの記事が何位かというレポートが特になかったので、PDCAの回しようがなかったんですよね。SEOは、キーワードに対して記事を作って、その順位を見ていかないとPDCAを回せないんです。
なので、SEOに関しても内製化して、モニタリングレポートのシートを作り、5000ほど同時並行でキーワードを追うということをやりました。
SEO対策の記事は、自社で作っていたんですか?
西野ほぼ外注でした。ある程度はPVはあったんですが。
脇本広告ほど効果はなかったんですよね。一応流入はありましたが、それが高いレベルかどうかは自分たちでは判断できませんでした。
西野たまたま流入があったという感じだと思います。
太田SEOを意識した記事というのは、難易度が高いんです。他社もSEO対策の記事を作っていて、このままでは食われてしまうというタイミングでもありました。
最初は僕のほうで記事を作成するところまでやらせていただいていましたが、今は構成案から電算システムさんのほうでやって、チェックだけこちらで行うという形になっています。
西野結果として、SEOに関しては月間セッションが160%ほど増加しています。あとは10位以内のキーワードを150件以上に増やせたので、それも太田さんのおかげだと思っています。
そのほか、メルマガに関してもコンサルを行ったそうですね。
太田メルマガに関してもHubSpotを見せてもらって、フォーマットやCTAの部分で、いかに手数をかけずに効率よくやるかというところを改善しました。メルマガの文章、500文字も考えなくていいですよって(笑)。
脇本メルマガも以前からやっていて、一応開封率などは見ていましたが、どのようにやっていくかといことは考えていませんでした。
お話を伺っていると、新規に何かを始めたというよりは、今までやっていたことの改善がメインだったようですね。
太田元々施策自体は一通りやっていたので、その施策ごとの改善と訴求のところに手を付けました。Google Cloud やGoogle Workspace といった。結構空きが少ない領域でどう工夫して売っていくかという。
特にFacebook広告のクリエイティブが顕著な例だと思います。三大クラウド比較や、動物のクリエイティブを使った広告を出したり。犬を使ったものも作りましたね。
西野ゴリラも作りました(笑)。
それは太田さんが提案したから出てきたアイデアですよね。
西野そうですね。そういうものをやってみようという考えはありませんでしたから。
太田その辺りは小手先のテクニックではあるんですけど、本質の部分をやりながら小手先でやれるところもちゃんと全部やるという感じです。
数字よりも自走が最終ゴール
太田さんから見て、電算システムさんはそういうことをやれるポテンシャルがある確信して、いろいろな施策を進めていったのですか?
太田そうです。伸びしろはあると思いました。数字的な結果を出すというところもそうなんですが、「自走してもらう」というところを最終ゴールとして進めていました。
とはいえ、最初から解像度がとても高かったわけではありませんでした。そこをどうやって伴走していくかというのは試行錯誤した点です。フェーズによって僕が手を動かしたりすることも多かったんですが、最近はその辺りは電算システムさん側でやってもらって、割と僕は見守るくらいのフェーズに入っているという印象はあります。
自分たちのやってきたことが正しいと確信できた
実際太田さんと仕事をしてきて、社内の方々の意識の変化などは感じられますか?
脇本今でこそ、それぞれ担当している領域に関しては自信を持ってやっているという感じはしますが、一番変わり始めたのは太田さんが来てから半年くらい経ってからですね。多分「自分たちがやっていることが正しい」という確信を持ち始めた時期だったのではないでしょうか。
それまでも比較的円滑に業務は回っていましたが、そこに自信が加わったという印象を私は持ちました。
よくも悪くも自分の会社のなかの物差ししかなかったので、自分の会社のなかだったら成果がありましたと言えたんでしょうけど、一般的に「マーケティングやってました」と言えるレベルなのかということに関しては、自信がなかったのかなと思います。
社内にマーケティング経験者がいるわけではなかったんですね。
脇本いません。弊社のマーケティング部隊は、発足して10年ほど経ちますが、メンバーは元技術職と元営業職のみなので、きちんとしたマーケティングの知識がないメンバーばかりです。それで、個人で勉強するなどで知識を得ていたという状況でした。
西野2年ほど太田さんと仕事をさせていただいて感じたのは、年齢が近いので距離感が近く、相談しやすい体制だったとなと思います。また、わからないことを相談した際にもレスポンスが速かったのも印象的でした。
他のメンバーは、太田さん自身が過去に経験がなかった事例に対しても、一緒に試行錯誤してくれたというところがよかったという声もありました。
総じて、期待以上に支援していただいたと思います。以前は、問い合わせ数なども毎月で変動がかなりあったのですが、それが継続的に一定数取れるようになっています。これも、太田さんとSEO対策や広告の改善をした成果だと思います。
それと、できることとできないことをビシバシ言ってくれるところがわかりやすかったですね(笑)。太田さんは判断が早いんですよ。
太田Microsoft広告か純広告(メディアの広告枠を買って掲載するタイプの広告)かで悩んでいるときに「現状においては純広告は意味がないのでやめましょう」と言ったことはありますね。
優秀なマーケターをフルタイムで雇う必要はない
MarketerAgentというサービスについてはどんな印象ですか?
脇本今回私どもは、マーケティング全般について助けていただきたいという、非常にふわっとしたお願いをさせていただいたのですが、とてもマッチした太田さんを紹介していただきました。
これは、MarketerAgentがある一定の基準でマーケターを確保していて、この課題にはこの人というように、適切なマーケターを選んでくれているからなのではと思います。我々は要望を伝えれば、課題に対してマッチする人材を紹介してくれるので、非常にありがたいサービスだと感じています。
太田優秀なマーケターというのは、フルタイムで雇う必要はないと思っているんです。手を動かすことと考えることを一人でやると、単価がとても高くなるんですよ。そう考えると、マーケターにとっても企業にとっても、MarketerAgentはとても働きやすいシステムだと思っています。
今後は、SEOや広告だけという専門的な知識だけではなく、マーケティング全般の総合的な知識を持っているマーケターにニーズが集まるのではと思っています。
獲得したリードを商談から受注につなげていけるように
太田さんが入られてから、ある程度まで内製化が進んできたと思いますが、今後どのような展望がありますか?
脇本デジタルマーケティングに関して言うと、理想とする目標値の近くまではできているかなと思っています。現在の商材はGCPとGWSというSaaSのサービスなので親和性が高かったと思いますが、今後は弊社が持っているほかの商材、たとえばハードウェアなどもあるので、そこに対して何かできることがあるのではと思っています。
あとは、マーケティングで得たリードをインサイドセールスにつなげたり、最終的にフィールドセールスにつなげて商談から受注にしていくというところを、具体的にしてやっていかなければいけません。ただ、そこに関しては太田さんにおんぶに抱っこではよくないのではと感じているのですが、太田さんがそこもできますよということであれば、検討していくことはできるかなと思っています。
西野今はマーケティングに特化して支援していただいていましたが、今課題になっているのが商談と受注のところです。現段階では、そこまで紐付けられていない状況なので、営業との連携の方法など、営業寄りのところも支援していただければ、実際に会社の売り上げに貢献できて、ステップアップできるのかなと思います。
脇本やりたいことはたくさんあるんですが、どうしてもお金が発生する。我々は直接お金を生み出す組織ではないので、無尽蔵に予算が使えないというなかで、どのようにやっていくかというのも課題です。
太田GCPやGWS以外のプロダクトでも、今は生成AIのような新しい技術も出てきているので、今後新しいサービスの商品化があれば、そこで新しい訴求が成立して、結果を出せる可能性があるのではと思っています。
他商品への横展開は、今回の成功事例を元にして、マーケティングでリードを取って、社内に広げていくという感じで、やれる余地はあるのかなと感じました。
脇本商材の横展開の部分では、おそらく経営層ではやっていこうという意識はあると思います。そうなったときに、SaaS以外の商材もデジタルマーケティングでやるということがあるかもしれません。
太田潜在層から引き上げる必要がある商材なので、リードタイムが長いというのは大きな点です。結果が出るまでが長いので、フィールドセールスからの風当たりは強くなるので、そういう考え方を広めていくところからやっていく必要はあります。
要は携帯電話と一緒なんです。携帯電話はどこも機能は一緒で、ブランディングで売っている。そこと同じ感じですね。
会社全体のマーケティングへの支援も期待したい
電算システムさんから太田さんへの要望はありますか?
脇本だいぶ無理を言ってきましたから(笑)。最初のころ、かなり助けていただいた割には、予算が厳しいので少し削れませんかというご相談ばかりしていました。なのでこれ以上というのはないんですけど。
今後としては、私も西野も見なければいけない組織の範囲が広がってくるのは間違いありません。そこを助けていただくというシーンが出てくるのではないかと思っています。それが具体的にどういうものかは、相変わらずふわっとしているんですけど(笑)。そうなったときに、相談ベースの壁打ちみたいなところから入っていただいて、ここならいけますというようなやりとりをしていただきたいというのが、我々の期待する内容になります。
西野今、やっとメンバーであるプロダクトの戦略はできるようになってきていますが、複数のプロダクトや電算システムとしてどう見せていくかという会社全体のところはまだ意識が足りないなと感じています。そこでもうちょっと色を出す工夫をしないと、せっかくSEOも広告もがんばっているのに落ちていってしまうので、次はもっと広い範囲の支援、もっと上のレイヤーのところをお願いしたらどうなるかなという期待はあります。
脇本先ほどの携帯電話のお話と一緒で、どこでも買えるものをあえて電算システムから買ってもらうためには、何ができるのかという話が多いんですよね。電算システムから買っていただく理由を見つけなくてはいけない。それは社員である我々がやらないといけないんです。
西野太田さんだったらどう考えるかというのは興味がありますね。
脇本そんなお話もできるといいなと思います。
マーケター人材に関するご相談はこちら
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